「地元安房の関東大震災」。その参考本①は、
武村雅之著「関東大震災 大東京圏の揺れを知る」(鹿島出版会・2003年)。
p14~15には、2つの縮尺地図が並べてあります。
同じスケールで、関東地震と兵庫県南部地震の断層の大きさを比較している。
「 兵庫県南部地震の直後、私が被害調査のために
兵庫県西宮市の激震地に足を踏み入れたときの衝撃・・・
・・・・
もっと大きな衝撃は、激震地からわずか数百メートルしか
離れていない六甲山地の山麓には、ほとんど被害のない
地域が続いていたことだった。・・ 」(p127)
ここから、地盤構造に着目して語られているのですが、
そこには、こうありました。
「・・・大正12年の関東地震そのものを想定している例も多いが、
関東地震による被害のデータを調査整理し利用している例は少ない。」(p128)
そして、こう指摘されるのでした。
「これはいったいどうしたことだろう。震災は繰り返すのに、
せっかくの過去の経験が生かされていない。その原因は、
過去の経験が容易に利用できるようになっていない
からではないだろうか。・・・ 」(p128)
ということで、昨年の新聞の関谷直也氏への聞書き
( 読売新聞・2024年2月1日 )の見出し脇にはこんな言葉が
「 地域ごとに特性がある災害の記憶を防災にどう生かせばいいか 」
「 まず、各地域で災害の特性が違うことを理解しなければいけない。 」
「 過去の災害の歴史を正確に学ぶことは大切だ。 」
はい。今年の講座『地元安房の関東大震災』では、
記録資料を正確に引用したテキストを用意することにします。
関谷さんの語りにはこうもありました。
「 災害は忘れられることを前提に、
地域で起きた過去の災害を知り、
よその災害を学び、語り継ぐことが、
真の防災だと思う。 」
はい。とりあえず、参考本のはじまりに武村雅之氏の本をもってくることに。
残念なのは、吉村昭著「関東大震災」もそうなのですが、そのどちらにも、
本の最後に載る参考文献に、安房郡役所編纂の『安房震災誌』がないこと。
はい。これは、地元でとりあげます。