貝塚爽平著「富士山はなぜそこにあるのか」(丸善株式会社・平成2年)
この本に掲載されている図が印象深く紹介させていただきます。
日本地図で、東北から西は淡路までの範囲が図にあります。
そこに、日本海溝・伊豆小笠原海溝・相模トラフ・駿河トラフ
そして、フォッサマグナの線がひかれています。
最近は、テレビの天気予報で日本地図が出る際に、
太平洋の日本海溝が太平洋に深く黒ずんで描かれております。
あれは、東日本大震災後から出るようになったのでしたっけ?
それはそうと、相模トラフは、普通は線で表現されますが、
貝塚爽平氏のこの地図は、違っておりました。
相模トラフの陸地側を帯のように塗りつぶされおります。
そこに、『 プレート境界の褶曲帯 』とあります。
( 『褶曲帯(しゅうきょくたい)』とは、
「 地層の側方から大きな力が掛かった際に、
地層が曲がりくねるように変形する現象のこと 」とあります )
はい。よく見れば、地元安房は相模トラフの褶曲帯の上にある。
つまり、私たちはその褶曲帯の上に暮らしているのがわかります。
図での表現には、いろいろありますが、普通には、
相模トラフは、線で表現され指摘されております。
はい。知識として相模トラフを線で知るのと、
相模トラフの褶曲帯の範囲を理解するのとは、
私みたいな素人とって、直下型地震の理解を、
眼前につきつけられるような助けとなります。
もどって、貝塚氏の本文を引用しておきます。
『相模トラフ』・『駿河トラフ』について、こうありました。
「 この二つのトラフとそれにつづく南海トラフは
深さが4000メートル前後以下であるから、
日本海溝や伊豆小笠原海溝の深さにくらべると半ば以下しかない。
しかし、これらのトラフ沿いでは、
1946年南海地震、1923年関東地震など、
いわゆる巨大地震が繰り返しおこっている。 」(p95)
『 これらのトラフ沿い 』が貝塚氏の図では一目瞭然なのです。
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