和田浦海岸

家からは海は見えませんが、波が荒いときなどは、打ち寄せる波の音がきこえます。夏は潮風と蝉の声。

講義を聴く。

2008-04-12 | Weblog
窪田空穂全集第11巻に「坪内逍遥先生のこと」と題した文があります。

「事の性質上、私と早大とのつながりを言わなくてはならない。私の東京専門学校に入学したのは明治33年で、早稲田大学と改称される前年であり、専門学校としては最後の学生であった。卒業したのは37年であった。私は、本来文学青年であり、早稲田の学生となったのは、坪内先生の講義を聴くのが主目的であった。当時の文学愛好者は、文芸によって自活ができようとは、決して思っていなかった。自活はなんらかの方法でたて、愛好する文学に奉仕しよういうのが常識となっていた。私もその範囲内のものだ。新聞記者、雑誌編集者、女学校教員などをしたが、それらの職場の仕事は実は内職で、帰宅後の小書斎の机上が本職だったのである。」(p38)

講義といえば、
この第11巻には、「現代文の鑑賞と批評」とが載っているのですが、解題の付記には、それが「早稲田大学文学講義録」【早稲田大学出版部刊行(昭和3年2~1月)】に収められたものであるとあります。窪田空穂の「現代文の鑑賞と批評」は、もともとが講義録なのですね。

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