和田浦海岸

家からは海は見えませんが、波が荒いときなどは、打ち寄せる波の音がきこえます。夏は潮風と蝉の声。

おごる『平家新聞』。

2014-09-26 | 朝日新聞
雑誌「WILL」11月号発売。
ということで、パラパラ読み。

矢崎泰久氏の対談のはじまりは、

「十年ほど前の『WILL』創刊の時、花田さんから送ってもらって僕も読んでみた。唖然としたね。『こんな偏向した雑誌が、世の中に通用するわけがない。すぐに潰れる』と即座に思った。ところが、そうじゃなかった。・・・」(p224)

まず印象に残ったのは、
今回は日下公人氏の7頁の文でした。

「慰安婦問題についても、私は96年に『VOICE』誌に『「従軍慰安婦」問題の不思議』という文章を寄稿し、売春を前提とした国家による強制連行はなかったと考える理由を述べた。」(p88~)

「私はかねてより、『日本を変えるのは赤字だ』と言ってきた。役所もそうだが、いくら財政危機を言ったところで、役所は予算を取れるだけ取ろうとするもので『赤字になる』までは観念しないものだ。・・・・」

広告の箇所も印象深い。

「朝日新聞の凋落は広告を見るだけでも分かるのだが、経営悪化を広告で取り戻すという路線を変えられないため、いまも紙面の半分が広告になっている。新聞協会が『広告は五割まで』と抑えているからこの程度で済んでいるが、申し合わせがなければいくらでも増えるだろう。
広告偏重から脱することができないでいると、そのうちに報道力がみるみる落ちていく。広告のための紙面刷新はあっても報道のための刷新はなく、いまだに日教組、労組などの左翼勢力を頼りにして、彼らが喜ぶような記事を載せている。だが、これからもその路線を続けていくのは無理がある。」(p90)

うん。全文を読んで頂きたい(笑)。
そのために、もうすこし引用。

「朝日新聞はすっかり上から目線になり、謙虚さを忘れ、在野精神を忘れた。・・・朝日はいつも上から目線で、自分の不勉強が原因の劣等感を隠すために、メディアの優越感を丸出しにして『読者に教えてやろう』『誘導してやろう』とするが、これは報道ではない。」(p91~92)

う~ん。もう一箇所引用させてください。

「朝日新聞は『平家物語』のストーリーを辿っている。・・『週刊新潮』はそれが分かっていて、朝日特集のタイトルに『おごる朝日は久しからず』とつけた。新聞社の黄金期は四十年続いた。が、ここ十年ほどは、まさに朝日新聞が時々刻々と平家になりつつあった。そのことに気づいていた人もいるはずだが、朝日新聞はそのことに気づいていなかったのである。・・・・来るべきものが来ただけで、謝罪によって朝日が良くなるというものではない。反省し、謝罪したからと言って、朝日はこのままではもはや新しい記事は書けないだろう。」


きれいな文なので、一読で、読み過ごすには勿体ない。
う~ん。最後の方も引用したくなります。

「朝日新聞の今年の内定者の会で、内定者の大学生から、慰安婦報道について『検証記事などで慰安婦問題が話題になっていますが、それについてどうお考えですか?』との質問が飛んだ・・・学生のほうもこれから記者になる人間ならば、『私ならこうします』という答えを用意していないようでは情けない。」


ところで、この日下氏の文の題は
「朝日新聞に迫る『葬式新聞』化」となっております。
これじゃわからないなあ。私なら
「朝日新聞と『平家物語』のナゾ」
とでもしたくなります。
もっと短く題するなら、
「おごる『平家新聞』」。


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