安野光雅・藤原正彦著「世にも美しい日本語入門」(ちくまプリマ―新書)。
はい。今回この新書をひらいて、そこから購入したのが
安野光雅著「絵本歌の旅」(講談社)だったのでした。
それから、もう一冊注文した本がありました。
それは、新書の初めの方にあった安野さんの言葉で注文しました。
まずは、その安野さんの言葉を引用。
「 私はむかしから、『戦没農民兵士の手紙』という岩波新書の
一冊を大切にしています。今は手に入りません。
図書館などにあるでしょう。文章は拙(つたな)いが、
それだけに読んでいて涙がでます。その中に残っている。
飯盛正さんから弟の孝志(たかし)君にあてた手紙の
一部分をあげてみます。
『 ブタノ子ガ タクサン生レテ居ルンダッテネ。
ヤギハイナイデスネ。ウサギハ大キクナッタデショウネ。
タカシハ キノコ取リニ行キマシタカ。
今ハ雪ノシタ(キノコの名)ガ盛ンデスネ。 』 」(p21)
注文したら、今は新刊で手に入りました。
昨夜届いたのには「 2023年8月18日 第22刷発行 」とあります。
あとがきをひらくと、そのはじまりには、こうありました。
「私たちがこの手紙を集める運動をおこしたのは昭和34年の秋10月・・
・・・・
仏壇の上の鴨居にかけられた、軍装姿も凛々しい兵隊の写真、
私たちは農家のあちこちで、何度そうした写真を見かけ、
やっぱりこの家も・・と、何度思わされ、
生きて帰れたわが身と思いくらべ、複雑な感情を抱かされて
来たことだったろうか。写真が私たちに何かを語りかけている。
私たちはその訴えを聞かねばならぬ、何度そのような
思いに駆られて来たことだったろうか。・・・・・・・ 」(p221)
このあとがきの最後には
「 1961年6月 岩手県農村文化懇談会 」とありました。
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