和田浦海岸

家からは海は見えませんが、波が荒いときなどは、打ち寄せる波の音がきこえます。夏は潮風と蝉の声。

柿と礼状。

2014-09-25 | 手紙
未読の
柴田宵曲著「評伝正岡子規」(岩波文庫)を
とりだして、パラパラ。

その明治30年の箇所に、

送秋山真之米国行(あきやまさねゆきべいこくゆきをおくる)
君を送りて思ふことあり蚊帳に泣く

これがp189で、数ページあとのp193には
こんな箇所がありました。

「10月10日、京都から帰って来た桂湖村(かつらこそん)氏が愚庵の庭になった『つりがね』という柿と松茸とを居士(子規)の病牀にもたらした。その日の日記には『愚庵の柿つりがねといへるをもらひて』と前書して柿の句が記されているが、居士はこの柿について愚庵和尚に何もいってやらなかった。毎日小説執筆中であったため、取紛れて手紙を書く暇がなかったのかも知れぬ。居士が愚庵和尚へ礼状をしたためたのは10月28日の夜で、その翌朝湖村氏の来訪を受けた。湖村氏のもとに愚庵和尚の寄せ来った端書には歌が六首記されており、その最後の一首に『正岡はまさきくてあるか柿の実のあまきともいはずしぶきともいはず』とあったのは、和尚が湖村氏に柿を託して以来、杳然(ようぜん)として消息なきを訝ったのである。居士はこの歌を読んで、直に追かけて次の手紙を和尚に贈った。・・・・」

うん。このあとに子規の手紙と短歌とが続いており楽しめます(笑)。
また、柿が出回るころに、
この柿と礼状の箇所を読み返せれば。

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