VIVIEN住生活総研

住生活ジャーナリストVivienこと藤井繁子が、公私を交えて住まいや暮らしの情報をお届けします!

納得工房→石橋信夫記念館、研究所めぐり

2008年12月05日 | 住宅業界
住宅会社大手の積水ハウスと大和ハウス工業、どちらも大阪を本社に置きプレハブ建築の歴史を築いて来た両雄。
その両社共に、京都・奈良の県境に大規模な研究所施設を持っている。
住宅業界の仕事をしていて、見ずには務まらない施設?!そんなリクルートの仲間と東京から勉強に訪問した。

まず積水ハウスの総合住宅研究所内にある「納得工房」へ。(写真撮影不可の為、詳しくはHPにて
今年で19年目になる納得工房
私はオープン当初に一度見学して以来2回目だったが、環境に対する紹介が充実するなど
当時から進化しながらも、施設の役割など運営スタンスは変わらず充実していて
今日も、社内関係の研修らしきグループから一般見学者の団体まで来場者で賑わっていた。

次に、京都府エリアから隣接する奈良エリアに移動し、大和ハウス工業の総合技術研究所に伺った。
こちらは15年目になるが見学させて頂くのは初めてで、楽しみにしていたのは「石橋信夫記念館」。

記念館に入ると、創業者・石橋信夫オーナーの豪快な写真に迎えられる!
「夢」 を語り続けたプレバブ生みの親
シベリアでの病床写真など石橋オーナーの人生と共に、
パイプハウス・ミゼットハウスに始まるプレハブ住宅の歴史が紹介されている。
30年以上前の手帳なども展示され、細かく記されたスケジュールが生々しい。
弊社役員も携帯で撮影中

研究所内には‘Endless innovation’と掲げられたロボット開発など新規事業の展示が。
これらも、石橋信夫記念館を見てからは、大和ハウスの多角経営も
その背景や意志を良く理解することができた気がする。ご案内頂いた小池室長(中)、峰岸リクルート常務執行役員と。


2社の研究施設を見ると、住宅会社の商品・サービスである‘住まい’の奥深さと
それを追求する企業の懐の深さを知ることができる。
そこにはディベロッパーやゼネコン、住宅流通会社とは違った世界があるのである。


ダイワラクダ工業のリノベーション事業

2008年12月05日 | 住宅業界
大和ハウスグループの内装インテリア事業を行うダイワラクダ工業
大阪の千里ニュータウン界隈にある築26年の某大規模マンションで、リノベーション事業の物件を公開しており
船津会長自らご案内頂く事になった。(当住戸の販売価格3580万円、売主ダイワラクダ工業)

[Before]は74.39㎡の典型的な3LDK間取り。『DoMa(土間)』と名付けられたリノベーションルームは
マンションの既成概念を越えた、玄関まわり! 全開放の土間空間は珪藻土も使って風合いを出している。
  
設計はアトリエKUU(熊沢信生)とのコラボレーション。 土間にある窓際のPCスペースが憎い!
ターゲットは築26年のマンションに多い、夫婦2人だけのアクティブ・アダルト。

土間からつながる和室に、にじり口があって茶室の趣きを演出。 大人の琴線に触れるデザインだ。
 照明提案にも力を入れている

大き目のダイニングセットは質の高い木製だが、ナチュラル系白木なので白のキッチンと共に若々しく清潔な雰囲気に。
 ダイニングの隣に和室 

四角いBOXの囲みは、近藤典子とコラボの収納システム。上部を空けて照明、空間に広がりが出る。
 
このプランの提案は、‘夫婦の語らいはリビングでなく寝室’という事で
広い寝室に、2ベッドとリラックスチェアーのセットを置いている。夜は夜景を眺めてゆっくりと・・
   
大胆だったのは、バス・パウダールーム。ホテルライクな洗面スペースに、何とシースルーのバスルーム!?
竹のスクリーンの先にはキッチンが・・・でも、入る時はブラインドを下ろします。
ガラス張りのおかげで、広間はバルコニーから玄関までキッチンも通って太陽の光が入ってくる仕掛け。

流石、建築家のデザイン!と唸らされたが、もっと感心したのは営業戦略。
企業秘密なので詳しくは書けないが、大手住宅会社らしい戦略に納得させられた。

現在、リノベーションはじめリフォーム事業が各社の伸ばすべき事業と注力されてるが
自社の戸建オーナーが主になっており、他社の物件やマンションには保証などの問題もあって中々踏み入れられない大手も多い。
そんな中今回の物件は、一歩踏み込んだ事業展開として興味深く見せてもらった。