ビビッド能里子トーク・サロン

医学的にも珍しい満十年の認知症介護について。自己分析や気分転換、幸せを感じる心の癖の付け方、メチャ料理など楽しく書きます

友人からの電話で気づいたこと

2018-06-19 07:28:21 | エッセー
 お昼ごろ友人から電話があったが、以前に私が紹介した先生の所へ行く息子
さんが心配で、どうも不安感がこみ上げてきたようだ。
 彼女は自分に何か問題が起きないと、あまり電話がないが、長年一緒に海外の
国際心理学会に度々度も行ったが、旅行中は四六時中一緒にいたので、大体の気持
ちは敏感に察知できる。ドイツを観光しているとき「息子は指揮者になるため、この
街に留学していたの」と聞いたが、息子さんは国立大学出身頭脳明晰な人だが
小学生のときから人間関係に問題があったようだ。

優秀な息子さんなのだと思っていたが、ところが実は精神的な問題や、肉体的
な病気があり、彼女は大変苦労していると知ったのはごく最近のことだ。
プライドが高い人で、過去に自分の弱みは決して見せなかったが、相談された
ため、ごく最近ある先生を紹介したのだ。息子さんはIQは200もあるのだそうだ。
色々と話す友人に「天才と何とかは紙一重と言うじゃない。もう立派な大人だし
いくら考えても本人に任せるしか仕方ないんじゃないかしら。あなたは天才を生ん
だから悩むのよね」と言った。すると「有難う、そうかもしれないね」と、途端に
元気になった。「そんな時もしも私なら「ケ・セラセラ」よ、だってそれしかないでしょ」
「確かにそうよね。あなたに電話して良かった、近いうち息子が施設に入る予定なの。
そうしたらまた飲もうね」と電話は切れた。

 私の言葉ですっかり元気になった友人は、心理学系の学者だけれど、自分の子供の
事は冷静になれないようで、そこが親心なのだろう。
 経済的にも、家庭的にも恵まれているように見える友人も、人知れず悩みを抱えて
いるのだ。「なさそうであるのが苦労」と言うが、どんな人でもいろいろと悩みはある
のかも知れない。幸運ばかりの人も、また不運ばかりの人もいないから、人間は案外公平
に生きているのかも知れないと思った。
 友人からの電話で、私自身も大いに気づかされた午後だった。
コメント
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