跳箱

跳び箱でも飛箱でも飛び箱でもとびばこでもいいけどそこはそれ跳箱なんです。体育日和のお供にどうぞ。

google Checkoutあれこれ

2006-07-13 22:45:43 | コマース
それってgmailなどをエサにしてgoogle Accountsにかき集めたアカウントでシングルドメイン・シングルサインオン環境作ってエスクローサービス始めました、とそんな話ですか?なgoogle Checkoutは早速eBayから肘鉄を食らったとのこと。

eBayは大枚はたいてPayPalを買収して小額決済市場に参入してるんだから、とんびに油揚なgoogle Checkoutは排除したいでしょう、やっぱり。

google Checkout自体はそれなりの数の参加企業を集めて船出したばかりのサービスなので、どの程度普及していくのか生暖かく見守りたいところですが、例によって跳箱的にはApplied Semanticsの買収効果を高めるためにオントロジーな了解可能性の問題を回避するためにしかたなく導入したgoogle Accountsの費用回収するために仕方なくgoogle Checkoutを始めた、という泥縄式シナリオでサービス化が決定されたのか、いや、広告市場なんて実体経済の影に過ぎないから時価総額を正当化し続けるためには国際展開によるパイ拡大も去ることながら実体経済でのトランザクションシェア獲得がどーしても必要であるから決済に絡む手口をじっくり考えた上で算段してきたんだ、ってことなのかがとっても気になります。

どっちにしろ、戦略と戦術が入れ子構造になっていて面白いなぁとは思うんですが、googleが決済(というかエスクロー)参入するにあたって若干不安視している点がありまする。

googleという会社は以前から著作権や個人情報やセキュリティを「指摘を受けたら仕方なく対応せざるを得ないもの」と考えているんじゃないかと跳箱は邪推しているんですが、クレジットカード情報といった決済に関わる情報を取り扱うに当たってその発想法がかなり仇になるんではないでしょか?

ほぼ1年前のカードシステムズソリューションズ社の事件を思い出すまでも無くクレジットカード情報を取り扱うなら、PCI Data Security Standardには対応していて欲しいし、できればISO/IEC15408準拠(Lev3くらい)して欲しいと思うのは人情でしょう。

ゆえに、CNETがeBayによるgoogle Checkout排除手段を非難する役回りを与えたChannelAdvisor社のScot Wingo氏云うところの、

Google Checkoutが新しいから不正が起こりやすいとでも言いたいのだろう。しかし、実際のところ、Google Checkoutはクレジットカード決済のためのゲートウェイの1つにすぎない(また、Google Adwordsの最大の顧客であるeBayにしても、膨大な資金をこれに費やしている)。そしてクレジットカードは(VerisignやCybersource、Authorize.Netなど第3機関の)ゲートウェイを通るものなのである

などという言説にはまったく同意できません。

実際の決済が実行される際にはgoogleではない"どこかの誰か"がそのカード情報が正当なものなのかどうか確認する(はずだ)からどーでもいい、と云わんばかりなわけですが、カードシステムズ社の事件の際も情報漏洩と事件(不正使用)化と問題の顕在化には時間差があって事実混乱も起きているわけです。そういった混乱自体も問題だ、と考える跳箱の立場からすると、google自身がScot Wingo氏と同じような見解でこのサービスを始めたのだとしたら、相当痛い目見るかもよ?と思いますが、跳箱はgoogleの株主じゃないのでどうでもいいんですけどね。

P.S.
google Checkoutの紹介記事
PCI Data Security Standardは更新されるらしい、というか2年後には必須仕様化するらしいとも。

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