vagabond の 徒然なるままに in ネリヤカナヤ

エメラルドグリーンの海,溢れる太陽の光,緑の森に包まれた奄美大島から,乾いた心を瘉す写真をお届けします。

丸善 京都河原町店が閉店

2005-10-08 12:03:50 | 日記
丸善の京都河原町店が10日で閉店するそうだ。
河原町店は,夭折した天才 梶井基次郎が,小説「檸檬」の舞台として有名であった(ただし,「檸檬」で描かれた当時の場所とは数百メートルずれている)。
それでも,初めてこの店舗を訪れたときには,不思議と,「檸檬」を初めて読んだときの印象が瑞々しくよみがえったものである。

私は,一時期京都で暮らしていたが,学生の街らしく,古書店もそこそこ充実しており,丸善,ジュンク堂,駸々堂と比較的大きな書店も揃っており,休日は書店巡りを楽しむことも多かった。
しかし,駸々堂は,既に破産,そして,今回の丸善の閉店(別地での再出店予定というが,現在,場所,時期共に未定)と,京都の書店文化の変化が大きいことを感じる。
丸善は,プリンストン債事件の傷跡を未だ引きずり,現在財務体質を健全化するための施策を講じているようで,今年8月には,産業再生法に基づく事業再構築計画の認定も受けているから,その一環としての今回の閉店は当然といえば,当然だが,やはり寂しいものを感じる。
今後,丸善は,「教育・学術市場事業」を事業の中核に据えるとのことで,これは,学術情報や学生の自主的学習のサポートに関連したソリューション事業等を発展させるようだが,私の理解不足のせいか,今ひとつ具体像が見えない。
いずれにせよ,新しい「本の勾い」に満ち溢れた空間がまた一つ姿を消したことだけは,確かである。
ジュンク堂は,積極展開を行っている(鹿児島市内にも中規模の店舗がある)が,財務体質は大丈夫なのだろうか?
あまり無理をせず,地道に,本屋の伝統を守って欲しいものである。

奄美には大型書店がないので,「本の勾い」に満ち溢れた空間といえば,TSUTAYAぐらいしかない(TSUTAYAがあること自体が,最初,驚きであったが…)。
久々に,本屋(TSUTAYA)に行ってみるか。

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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
大型書店 (masa)
2005-10-08 13:18:40
大型書店が恋しい今日この頃です。帰省でも出張でも内地に行くと必ず行って徘徊します。
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分かります! (vagabond67@管理人)
2005-10-08 21:53:42
本屋さん独特の勾いを感じながら,パラパラと本をめくる,立ち読みをする,どれを買おうかと迷う,あの感覚がたまらないんですよね!
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6年ほど前に (Cakeater)
2005-10-12 19:56:02
丸善京都店は一度だけのぞきました。

京都大学のお膝もとにしては・・・という印象で

ちょっとがっかりした思い出がありましたが、

やはり閉店ですか。

東京も日本橋本店を工事して、丸の内店が本店の代わり

ですが、なんか本の揃えが今一つです。

新宿のジュンク堂と紀伊国屋の二店の合わせて3店をまわると、日曜日が潰れてしまうので、月一度だけは最低寄って見るようにしています。

(一時は、アマゾン検索で、これで本屋にいかなくて住むと思ったんですが、やっぱり本屋と古本屋に

出かけるのはやめられませんね)



奄美大島に住んでたら、本なんかほとんど読まないでしょうねえ。ぼくなら。

写真みさせていただいて、溜息ついてます。
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光栄です! (vagabond67@管理人)
2005-10-12 21:59:02
Cakeaterさん いらっしゃいませ

Honeyさんのブログでいつもお名前は拝見しており,何度かこっそりとお邪魔しておりましたが,お越しいただき光栄です!



以前のブログ(http://blog.goo.ne.jp/vagabond67/e/75ee9cb78ca39749ad9c19b2d08acff1)でも触れたのですが,たしかに,丸善の本の揃え方,陳列の仕方は,今ひとつですよね。

本屋って,知的好奇心のケミストリー(化学反応)が起きる奇跡の場所の一つであることが期待されているのですが,丸善では,私自身,なぜかそういう反応が起きません。

「何か」が欠けているのでしょうね。

あえていうと,「愛」が欠けているのではないかと私は思っていますが。



東京在住の人に対して,羨ましく思うのは,本屋の世界にどっぷり浸かれること。

ご指摘のとおり,奄美に来てから,大自然に包まれる時間が多くなり,本の世界に入り込めないでいます

そろそろ海の季節も終わるので,色んな形で思索に耽りたいと思う,今日この頃です。
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