珠玉の音楽に囲まれて

オーディオのこと、音楽のこと、思いついたまま記していきます。
by 横浜のVienna Acousticsファン

上信越、山と音楽紀行:雨飾山編

2017-06-24 05:55:21 | その他
6月に入っての第2週、有給休暇を少々活用して上信越方面へ行ってきました。都合3日の旅を振り返ってみます。昨年12月に横浜にお越しいただいたakahanamizukiさんを訪問する前後で、百名山に登る「山と音楽の旅」です。何と言っても上信越は名山の宝庫です。カップリングする山には事欠きません。2年半ほど前、秋の八方尾根から見た信州の山々の素晴らしさは記憶に新しいです。高妻山も魅力の一座でしたが、標高2000mを切りながらも100名山に連なる雨飾山を選びました。問題は天候でした。訪問日を11日に定めて以降、天気予報を睨みながら週の前半を過ごしました。

10日の予報が怪しくなる一方、9日は好天が期待されました。急遽、8日の夜、スーパーあずさで松本入りし、翌朝、大糸線と村営バスをつないで雨飾高原を目指すこととしました。予想通りの晴天で、大糸線からの白馬三山が眩しいです。計画は大成功と思えましたが、どんでん返しが待っていました。


雨飾高原でバスを降りて歩き出したのが9:30でした。しばし林道を歩いて、登山口に着いた頃は10:00を回っていたでしょう。今考えるとこれは遅すぎました。林道ではほとんど雪が無かったのですが、登山道に入ってこの山域の雪深さを実感することとなりました。


ブナの新緑が眩しいですが、足元はまだ解けきらない雪が広がります。ところどころに記された赤いマーキングを頼りに進みます。難儀したのが、雪の空洞の踏み抜きです。何度か続くと余計に慎重に進まざるを得なくなります。残雪期の悪雪は「腐った雪」と言われます。


最初の雪渓をトラバースします。雪渓はそれこそ自由にルートをとれますが、雪が無い場所は登山道以外は通れません。雪渓から通常のルートに戻る際に道を失いがちで、登山道探しに時間と体力を使ってしまいました。アイゼンの脱着も複数回あると手間になります。


雨飾山らしい光景が見え始めてきました。尖っているのは布団菱(フトンビシ)と呼ばれる、雨飾山のシンボルです。新緑、青空、残雪と、この時期ならでは爽快なシーンです。


メインの雪渓、荒菅沢が見えてきました。大雪渓のトラバースになります。破線のように赤いマーキングがつているのが見えます。マーキングが途絶えた先が登山道となるわけですが、ここでもルート探しでした。足跡が散在するためどうしても迷います。


荒菅沢から布団菱を眺めます。日本百名山を記した深田久弥は、この沢をそのまま登り、布団菱の脇から登山道に入り山頂へ向かいました。黒く点在するのは石です。落石に気をつけながら雪渓を抜けました。雪に押しつぶされた木々が、雪解けで解放されるシーンを何度も見ました。


荒菅沢を抜けてからも雪の多い個所、通常の登山道の入れ替わりがありました。高度も上がり、遠方の高妻山もいい感じで見えていたのですが、帰りのバスの時間を考慮すると、撤退という選択肢が現実味を帯びました。あまりの好天に後ろ髪を引かれる思いでしたが、引き返すことを決めました。途中、降りてきた方に話を聞きましたが、登山口出発が7時だったようで、3時間のタイムラグは大きかったです。松本と小谷の距離、残雪期のルートファインディングを甘く見ていました。斜面がきつくなると軽アイゼンはあまり役に立たず、いろいろと勉強になりました。


というわけで、釈然としない気持ちを抱えながら、下山しました。再びブナの新緑です。


登山口付近の木道ではミズバショウが咲いていました。これはラッキーだったと言えます。


林道歩きは退屈なので、鎌池の遊歩道を経由してバス停まで下ることとしました。遠くは雨飾山でしょうか?この池は紅葉の名所のようです。さて、この遊歩道ですが、写真左下にあるようにまだ雪が残っています。実は、ここでもルート探しに陥り、結局、バス停へ向かう道を歩くのも断念しました。


鎌池ルートをあきらめたことで、結局バスの時間も逸することとなりました。林道経由で、雨飾荘に戻り止む無くタクシーで南小谷駅へ向かうことにしました。豪雪の意味が体に染み渡った1日となりました。後立山連峰の景色が唯一の救いだったでしょうか。


6月のこの時期は梅雨入り前の貴重な登山機会だっただけに、大変残念でした。ただし、鎌池での往生を考えると、あのまま登っていたらエライ事態になっていたことが想像されます。結果的には戻る判断でよかったと思いました。ピークは踏めませんでしたが、この山域の素晴らしさを目に焼き付けることはできました。雨飾山へのリベンジを考えねばなりませんが、時期を狙うなら秋の紅葉時期でしょう。まだ漠然としていますが、お隣の高妻山も併せて計画したいところです。この日は大町方面にて宿を取りました。山と音楽紀行は、翌日の木崎湖周辺のトレッキングへと続きます。
コメント (4)
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