(写真は2007.11/3、信貴山で行われた火渡りの前の神事。山伏問答が好きで、二年続けて見た。
『妖怪学入門』 の中の興味深い一説に、問答や勧進帳の話が記されていたため、この写真を選ぶ。)
記録だけ 2008年度 1冊目
『妖怪学入門』
雄山閣BOOKS 19
著者 阿部 主計(あべ かずえ)
昭和62年6月20日第1版
昭和62年7月5日第4版
200ページ 2200円 +税
先日から読んでいた『妖怪学入門』 を読了。
我ながら丁寧に読み込んだ物だと思う。
前回読んだ 『日本史 怖くて不思議な出来事』 に続いて、能楽や歌舞伎、神楽などにもある内容が色々と記されていた。
どうも民俗学と芝居とは、切っても切れぬ仲らしい。
P.7の「ぬし」に興味深い一説があるので、一部のみ 記録しておこう。
・・・・・・人間は、いかに心霊の存在を理論的?に信じても、感覚的にはっきりと実見し、認識しなければ安心できない。そこで、神に仕え、神に通ずる役目の者が、いわば神様の代理人として、その形を見せ、悪霊をやっつける演技をなす。簡単にいえば、神楽の始まりであり、演技の源である。それは日本武尊(やまとたけるのみこと)の熊襲(熊襲)退治のような活動的場面にもなったが、一面、問答(仏教輸入以降の呼称だが)という、理論闘争の形となって、根強く残った。そのゆえんを説明していては限りがないし、本稿の目的とはほとんどかかわりがないので省略するが、この神と地霊の対立の形が、わが国の舞台芸術の基本のひとつとなって、‘勧進帳’の弁慶と富樫、それに二人組の漫才のやりとりまでその面影をとどめている。そのなれ合いの形が芝居ではなく、真剣な競技になってしまったものが相撲であって・・・・・・・・。横綱は、しめなわ、すなわち神域のしるしで、手数(てずり)入り(横綱の土俵入り)は神が、土地の霊が荒れださぬように地を踏みしめる、いわゆる地鎮祭の形である。・・・・・・・・・。
歌舞伎などのなじみの演目が次々に書き出され、草紙の絵や浮世絵なども多く載せられ、非常に面白かった。
内容も深く、結構読み応えのある一冊。
貸していただくのではなく、手元においてもう一度読みたい本。
最近「地霊」というものを考えたりする機会が少ない生活のように思えます。必要ですね。
「ぬし」?深く書かれているご本のようですね。日本の文化の根源がわかり、おもしろそうですね。
本には、
陽の神に対する地霊の実態、ないしは象徴として、それぞれの土地に長く澄みついている生物の目立つものがそれに擬せられる・・・
云々と書かれています。
ヤマタノオロチや色々な動物(いたちや狐、その他多数)の話もそれにあたるらしいのです。
かなり面白い本ですので、機会があれば楽しんでみてくださいね。
毎日見ていた歌舞伎(TV)も今月はまだ 二、三演目。
ゆっくりと家にいる日を作りたいと、少し感じてはいるのですが・・・。
最近、神社や寺に行きたい気持ちが強い。
いつものことですが、波があっていけません。
そういうと私、去年も映画ブームの時期と本ブームの時期がありましたっけ・・・。
歌舞伎と美術館はコンスタントでした(笑)
記録を綴っているつたないブログですが、いつも見てくださって、ありがとうございます。
赤なのは はじめて 見ました。
なかなか いいものですね。
人間は、いかに心霊のくだりの 部分は
とても 興味深く拝見しました。
ブログ 楽しみにしています。
黒に近い 紫や紺の場合もありますね。
信貴山では赤の他に、黄色の山伏が多いです。