113: 『続日本絵巻大成19 土蜘蛛草紙・天狗草紙・大江山絵詞 』影印「大江山絵詞」「解説」
「大江山絵詞」 逸翁美術館蔵(元 下総国香取神社蔵)
逸翁美術館の旧館(小林一三旧邸)
逸翁美術館 (いつおうびじゅつかん) 「古筆の楽しみ、古筆切と平安和歌の世界」 (3枚)
「大江山絵詞」
逸翁美術館蔵(元 下総国香取神社蔵)
続日本絵巻大成19 土蜘蛛草紙・天狗草紙・大江山絵詞
1984/04
182ページ ¥29,400
中央公論社
B4判
「大江山絵詞」を楽しむ。
『大江山絵巻―チェスター・ビーティー・ライブラリィ所蔵』 (甦る絵巻・絵本) 影印(7枚)とは絵も内容もずいぶんと違っていて驚いた。
『大江山絵巻―チェスター・ビーティー・ライブラリィ所蔵』の方は,毒酒やらいこうが甲をもらった経緯や着替えがわかりやすく表現されているが、「大江山絵詞」の方は控えめ。
案内役の女も『大江山絵巻―チェスター・ビーティー・ライブラリィ所蔵』では若い、明日の自分の身さえ案じる涙を誘う女だが、「大江山絵詞」では二百年も生き洗濯をさせられている異次元空間に住むことを感じさせる老女。
少しだけ違いをメモしてみよう…
『大江山絵巻―チェスター・ビーティー・ライブラリィ所蔵』
0 はじめかららいこうなどがよばれる
1 山中で三人に出会う(熊野権現、八幡、若僧…熊野権現意外は間違っているかもしれない)
2 深山の中をずんずんと突き進んで歩いていく感じがする
3 毒酒やらいこうが甲をもらった経緯や着替えがわかりやすく表現されている
4 若い、明日の自分の身さえ案じる涙を誘う女
5 人間の若い女の肉
6 らいこう、綱が人間女の刺身を食べて酒呑童子に親しみを感じさせる
7 若い美しい都の女がさらわれる
8 生き血の酒、人間肉の日干し、人間寿司の絵
9 芸能の絵で目立ったものは無い
10 4の若い女はともに都へ帰る
11 巻物全体に見られる指を指すといった絵が多く強調もされるといった特徴があり,構図がぐるぐると回って面白い
上『大江山絵巻―チェスター・ビーティー・ライブラリィ所蔵』▲比較▼下「大江山絵詞」
「大江山絵詞」
0 はじめによばれた四人は辞退、ついでよばれたのがらいこうたち。
1 山中で四人に出会う(熊野那智、八幡、住吉、若僧)
2 深山をすすsむき術は少ない
3 毒酒やらいこうが甲をもらった経緯や着替えの表現は控えめ
4 二百年も生き洗濯をさせられている異次元空間に住むことを感じさせる老女
5 なんだかわからない肉
6 らいこう、綱がなんだかわからない肉を食べる絵は無い
7 貴女も賤女も男も唐民も御堂入道殿の和子様もとらえられている。
8 人間寿司の絵だけ
9 田楽や踊りや楽奏などの絵が多い
10 4の二百年生きていた老女は酒呑童子が倒され,息絶える。
11 巻物全体に見られる指を指すといった部分は少ない。
山中で四人に出会う(熊野那智、八幡、住吉、若僧)
二百年も生き洗濯をさせられている異次元空間に住むことを感じさせる老女
酒呑童子の館のようすなどを詳しく教える。
らいこう、酒呑童子の首を切る。
らいこうの甲に、首だけになった酒呑童子がかぶりつく。
酒呑童子野見開いた目を,らいこう&綱でつぶすと息絶えた。
酒呑童子の首を持って、都へ帰る
めでたしめでたし