今月十四日、東福寺に行く。
一月の東福寺は、観光客はまばら。
ところが、少ない観光客の中、思いのほか外国の方々の姿が多いことに、驚かされる。
上の写真は、本堂と開山堂を結ぶ通天橋を偶然にも歩かれている僧侶の方々。
静かで禅寺らしい日本の美を感じ、心に刻む。
今回紹介している東福寺は、先日ブログでも紹介させていただいた 鶴亀の庭のある『雪舟寺』(芬陀院・ぶんだいん)のすぐそば。
正確には、東福寺とは山全体のことを示すと、着物姿のご婦人が教えて下さった。
「今の季節は、なんにもおへん。紅葉のころ、きはったら、よろしおす・・・・・・。」
京言葉が懐かしい。
上の景色を紅葉の頃見てみたいとも感じるが、冬の気の色もまた良し。
他にも近くの 枯山水で有名な『方丈庭園』などにも行く。
こちらの庭は有名らしいが、昭和に鎌倉の手法を真似て作られたとのこと。
今回この回では写真は載せてない。
折をみて、記録したいと考えている。
庭には氷がはり、背筋をしゃんと伸ばして、冬の東福寺を一人楽しむ。
葉を落とした枝のなんと美しいこと。
冬の光を受け、一口では言い表せない 色感に、心奪われる。
東福寺は、延応元年(1239)に創建。
京都五山のひとつに数えられる禅寺。
延応元年(1239)に、当時の摂政だった 九条道家が、奈良の『東大寺』と『興福寺』を手本にし、大伽藍を造営。
上の二つの寺から 一字づつとって、東福寺と名付けられたそうだ。
『へぇえぇ~、そうなんだ~。』
と、妙に感心すること、しきり無し。
また、東大寺は子どもの関係で 特によく行く寺だっただけに、親しみを覚える。
三門は夕刻に閉まる。
また、隣駅の稲荷神社よりも古そうな、石鳥居が祭られている『五社??』があったことは興味深い。
東福寺を訪れた後、東福寺御用達の『丹波屋』というすし屋で、京都本来の味を思い出させる 鯖寿司を食べる。
すし屋の主人曰く、
「東福寺さんの三門は 夕刻閉まりまっさかい、夕方になっても参拝できるように~~言うて、お稲荷さん、作らはりましてん。東福寺さんの五社??の方が、早よおましてんや~。五社??、見て来はりましたんか~?」
「お稲荷さんの土地は、もとは、東福寺さんのものでしてん。今でも返してんか~~言うてますんやけど、話がすすみませんねぇ~~。」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・と、なじみの京都弁。
もとは
「箱寿司の具は鱧ですか?」
「いや、鯛ですねん~。」
といった、たわいない会話から。
とんとん・・・と鯛をたたく包丁の音と共に、話は弾む。
京都本来の味の鯖寿司の話に移り、東福寺や稲荷神社の話にまで発展して、楽しいひと時を過ごさせていただく。
あらかじめ頼んでおいた土産用の鯖すしと箱寿司を手に、後ろ髪をひかれるような思いで、店を出た。
おそらく、このすし屋は、もう一度訪れるであろう。
そう思わせる すし屋の店主と鯖寿司の味であった。
東福寺・所在地
〒605-0981
京都府京都市東山区本町15-778
電話番号 075-561-0087
文中出のすし屋(注・すし屋の関係者ではありません)
創業明治四拾弐年 東福寺御用達
お寿司・楓林鍋 丹波屋
京都・東福寺
鯖寿司が 私が昔よく食べた懐かしい京都の鯖寿司の味でしたので、載せておきます。