乗鞍岳への自転車道

40歳で突如、自転車乗りになろうと発心して早15年。CAAD9少佐と畳平へ駆け上がる日はくるのでしょうか。。。(汗)

神金自転車商会さま

2007年01月19日 | 自転車

あの、、、あの、、、わたくし、CAAD9少佐どのを入り婿にお迎えしてから、

まだたった3ヶ月でございます。

そんな蜜月気分の3ヶ月目にして、もう、よその自転車さまに心を奪われるなんてことは、

人の道にはずれた、畜生のすることでございますわね?

わかっております。了解でございます。

でも、、、ちょっとだけ、わたくしの胸のうちを聞いてくださいませ。

それは、世にも稀有な、かけがえのない、唯一無二の、自転車物語りでございます。

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「神金自転車商会」

旧北多摩郡、現在の調布市に、その稀有な自転車屋さんは、ございました。

平成18年創業100周年を迎えたという、老舗中の老舗でございます。

シマノはもちろんのこと、かの、カンパニョーロよりも、長い歴史を有しているので

ございますよ。

しかも、オリジナルのフルオーダー自転車ブランド、その名も「ペガサス」を

現行でも作り出し続けているという、スンゴイ自転車屋さんなのであります。

有名なお話なので、みなさまご存知ですよね。偉そうに言っちゃって、すみません(汗)

その「神金自転車商会さま」へ、物見遊山に出かけてしまったバチ当たりなわたくし。

現在、新店舗全面改装中ということで、同じ敷地内にあるプレハブの仮店舗で、

営業をなさっていらっしゃいました。

実はこのお店、去年の夏ごろ発売になった「東京自転車人」の中で

紹介されていました。

そこに、このような文章があったのでございます。

「戦後からスタートした完全ハンドメイドバイク・ペガサスは、本格ツーリングを意識した

ランドナーやロードレーサー、スポルティーフ、クロスバイクなど、多種多様にアレンジ

可能。」

それで、その写真がですね。細身のクロームモリブデン、もちろんホリゾンタル、

シックで古めかしくて、タイムトリップしちゃった感じ。。。

もう、なんと言ったらよごさんしょう。

かの「ペガサス」を、わたくしごときの拙文で表現することはムリでございます。

それで、とにかくこれは、一度、見学に行かなくてはと心に誓ったのでございました。

そして、勇気を振り絞って訪れた仮店舗。

プレハブの外階段を上がって、2階のフロアに入ると、、、その一番奥に、

「ペガサス」が、どどん!と、3台並んでいたのでございます。

その神々しさといったら、、、これは、博物館に所蔵されていてもおかしくないのでは?

そう思うくらい、クラシックにして、マニアック。

「レトロ」なんて陳腐な言葉では表現できません。

泥除けや、ダイナモのライトや、フロントバックを乗せるためのキャリアなど、

ひとつひとつのパーツがすべて、新古品を惜しみなくつぎ込んで、

構成されているのでございます。

ほうぅぅ~

湿り気を帯びた、ため息がもれるのでございます。

時代がどんなに進化しようとも、「ペガサス」は黙って「ペガサス」であり続けるので

ございます。

うっとりと眺めておりますと、神金自転車商会・三代目社長さまでいらっしゃいました

ところの森田和也さまのお姿が!(現社長は、四代目の森田純一さま)

うぉぉぉ! あの方は、三代目、三代目だよ~ん! きゃっほぅ! 三代目さま~!

大興奮なのでございます。

三代目の森田和也さまは、わたくしのような下賤の者にまで、わけ隔てなく

ペガサス製造に関する貴重なお話しを、惜しみなく語ってくださるのでございます。

わたくしは、もう、ドキドキ。

(え? 今、わたくしがお話を聞かせていただいているのは、かの神金自転車商会

三代目社長の森田和也さまなのよね。そうなのよね? きゃっぽぅ!)

そんな感じでございますよ。

メチャクチャ、バレバレに舞い上がっているわけでございます。

ジャニーズの若者に、偶然出会っちゃった女子中学生みたいになっております。

まあ、でも、三代目さまはジャニーズじゃありませんから。

いわんや、わたくしは女子中学生どころか、40歳ですから。

落ち着いて、ちゃんと質問をしなくてはいけませんわ。

わたくし、おそるおそる、「ペガサス」のお値段を訊いてみたのでございます。

三代目のお返事は、「40万円くらいから」。

おぅ! 案外、安いじゃないか、ハニー。てっきり100万円は下らないと思ったぜぃ。

そんな値段で、元が取れるのかい? ダーリン。

要するに、、、で、ございますね。。。

この「ペガサス」のお値段は、あってないようなもの。

そして、お金を積みさえすれば、買えるモノではないのでございます。

これは、神金自転車商会三代目社長の森田さまのお見立てに叶った、

真のツーリング魂を持った侍だけが賜ることのできる、そういうシロモノなので

ございますよ。

そういう意味で、この神金自転車商会は、日本一の名門自転車店に違いありません。

そして、それは、いわゆる嫌味なプロショップという意味ではございませんの。

現代日本には失われつつある、本物の気品と格調の高さを備えた高級感。

言うなれば、江戸時代の超一流の銀細工職人とか宮大工、、、の感じでございます。

そんな由緒正しいペガサスを、わたくしのようなモノが手に入れようだなんて、

おこがましいのでございます。

実のところ、売っていただけそうな雰囲気だったので、そのこと自体に感動して、

危うく飛びつきそうになってしまったのでございますが。。。

でも、わたくしのような修行の足りない者に買われては、宝の持ち腐れ。

わたくしは、あきらかに役者不足。

わたくしは、たとえ臨時の高収入があったりしても、お金にモノをいわせて

ペガサスを我が物にしようとはいたしませんわ。

ですが、そんな修行の足らないわたくしにも、朗報が!

今年の5月ごろ、新店舗がオープンするのに合わせて、「ペガサス」のフレームに、

現代のパーツを組み合わせたモデルが、発売になるらしいのです。

価格もぐっと下がって、15万円くらいから選べるそうです。

もちろん、古いパーツで組み上げた本物の「ペガサス」とは、似て非なるものとわかって

おりまする。

でも、わたくしのようなものには、その新企画だって、十分にありがたいのでございます。

現行パーツで組んであっても、40年の歴史を誇る「ペガサス」の血脈は

きっと受け継がれているに違いありませんわ。

わたくしは、新店舗オープンの頃、再度、神金自転車商会さまを訪問することを

心に誓い、感動を胸に抱きながら、高尾へと帰っていったのでございました。