乗鞍岳への自転車道

40歳で突如、自転車乗りになろうと発心して早15年。CAAD9少佐と畳平へ駆け上がる日はくるのでしょうか。。。(汗)

父の銀塩カメラ

2021年05月23日 | カメラ・写真

父が愛用していたニッコールレンズが帰ってきました。

「帰ってきた」と申しますのは、このたび、ニコンが期間限定で行っているMF旧製品メンテナンスサービスに、父のニッコールレンズを預けていたからなのです。

3月中旬に申し込みをして、だいたい2ヶ月くらい。

父のレンズは、きれいになって帰ってきました。

左〈135ミリ/f2.8〉と、右〈50ミリ/f1.4〉の2本です。

昭和3年生まれの父は、質素で実直な人でした。

そんな父が、家族の写真を撮るために選んだカメラは、Nikon FE。

そして、この2本のニッコール・レンズでした。

昭和53(1978)年4月に発表されたFEは、絞り優先・1/1000秒電子シャッター搭載の銀塩一眼レフカメラです。

部品の40%を別のモデル(FM)と共通にしたことでコストダウンがはかられていたそうです。

この絞り優先のカメラ1台と50ミリ、135ミリの単焦点レンズ2本。

それが、父のカメラ・システムのすべてでした。

父は、このシステムで家族の写真をたくさん撮ったと思います。

もちろん、フィルムカメラですから、今のように気軽にいくらでもシャッターを押すことはできません。

デジカメに慣らされてしまった現代では考えられないほど、かつて、シャッターを押すという行為は緊張を伴うものでした。

それでも、実家にはたくさんの家族のアルバムが残っています。

お正月には三脚を立て、セルフタイマーで家族全員の写真を撮りました。

夏休みに海ではしゃぐ私たち兄弟妹のスナップもあります。

入学式や卒業式の写真、それから、田舎から遊びにきた親戚のおじさん、おばさん。

可愛がっていたネコや、近所のおうちで生まれた子犬の写真。

そのほとんどが、父がファインダーをのぞき、絞り値を決め、ピントを合わせ、そしてシャッターを押して撮った写真です。

父が好きだったニコンのカメラ。

大切にしようと思います。