さてさて、、、2013年モデルのブロンプトン(デザートサンドのM6L)を、みすみす買いそびれてしまったわたくし。。。
その後悔たるや、大人げないにもほどがある、、、というくらい、ハタ迷惑な嘆きっぷりでございました。
2月2日(日)以降、毎日毎日、しぶやさんちのWebサイトで在庫を確認しては「あと1台ある(汗)」「でも、あと1台しかない(汗)」と、大さわぎ。
めちゃくちゃ、ウザイお母さんになっちゃっているわけです~。
6日の木曜日くらいになると、もう、心ここにあらず。
「ママはね、、、ママはね、、、このラストの1台を買おうと思うよ! 誰がなんといって反対しようと、もう買っちゃうからね!」と、いつの間にか購入を決断して、家族に豪語するほどになってしまいました。
そんなわたくしに、沈着冷静なうりムスは、冷ややかに言い放つのでした。
「でも、次の休みの日まで残っているとは限らないんじゃない? 土曜日とかに、お金持ちの人が気まぐれに買っちゃうかもしれないよ。」
ああ! なんて恐ろしい予想でしょう!
たしかに、二子玉川でお買い物するような富裕層の人にとっては、18万円の小径車なんて、小銭感覚に違いありません~。
ひぃぃ~! そんなのイヤだぁ~!
ホンモノのお金持ちだったら、アレックス・モールトンにしなさいよ!
ブロンプトンでお茶を濁すとは、キサマ、さしづめ成金だな?
、、、などと、罪なきお金持ちに、いんねんをつけるまでにわたくしの思考は破綻しているのでありました。
*
そして、2月9日! 待ちに待った日曜日!
しぶやさんちのWebサイトで在庫を確認すると、、、ああ!【残り1台】
ついに、ついに、決断の時がやって参りました。
ところが、です!
イザとなると、急に自分の判断に自信がなくなり、決心がにぶったのです。
いかにブロンプトンがハイブランドな自転車とはいえ、小径車に18万円もの大金をつぎ込んでしまって、本当にいいのか? 自分!
・・・ああ! もう、わたくしって、わたくしって、どうしてこういう性格なのでしょう(汗)
先週の日曜日、買わずに帰ってきたことをあれほど後悔し、この一週間、家族にうんざりされつつ、明けても暮れてもブロンプトンのことばかり呪文のように唱えていたのに、、、また、そこから悩むのか~!(汗)
しかも、この日は、朝から雪もよう。日暮れには凍結が懸念されていたのでした。
我が家は多摩丘陵地の山の上。
しぶやさんに行くのなら、さっさと行動を開始しないと、雪が凍って、坂道を上ってこられなくなってしまいます。
行くなら行く、行かないなら行かないで、はやく決断しなくてはいけません。
大雪という刃をのど元に突きつけられた状況で、わたくしはひたすら、悶々悶々。。。
とうとうお昼になってしまっても、まだ、悶々悶々。。。
しんしんと降り積もった雪で、表通りは真っ白になりました。
この悪天候のなか、よもや二子玉川へ行くということはなかろうと、誰もが油断したそのとき、、、
わたくしは高らかに言い放ったのでありました。
「サイクルハウスしぶやさんに行ってくる!」
その声は有無を言わさない気迫が満ちており、もはや、「午前中だったらともかく、もう、この時間からじゃ戻ってこられなくなるよ」とか、「明後日の11日も祝日だから、明後日にしたらどう?」とか、至極、常識的と思われるアドバイスでさえも、呑み込まざるをえないような威圧感を漂わせていたようでございます。
こうして、友人Kの運転するノーマルタイヤのタウンエースで、わたくしは二子玉川を目指したのでありました。
*
二子玉川に到着したわたくしは、一心不乱にサイクルベースしぶやさんをめざしました。
そしてまたも、オニのような形相でブロンプトンコーナーに突進!
二週連続しての、鬼気迫るおばさん客の登場に、お店の人は震え上がったご様子でしたが、そんなことは知ったこっちゃありません。
棚に陳列してある色とりどりのブロンプトンの中から、いちはやくデザートサンドを捕捉!
でも、まだ安心はできません。Web情報によると、しぶやさんちには、M6LとM3Lの二種類のデザートサンドがあるようです。
わたくしが八王子から移動している間に、M6Lは売れてしまって、残っているのはM3Lという可能性だってあり得るのです。
さて、このブロンプトンは、、、6速です!
ああ~! まだいた! よかった~!(泣)
ハンドルはMタイプ、リアキャリアなし、、、指さし確認、完了です!
間違いなく、M6Lです~!
このとき、わたくしの周囲に漂っていたどす黒いオーラは浄化されて、幸福のピンク色かなにかに変化したに違いありません。
わたくしのオーラから攻撃色が消えたのを見て取った店員さんは
「先週も来てくださっていましたよね?」と、ニコニコしながら声をかけてきました。
わたくしは、デザートサンドのM6Lを確保できた安心感で、その場で泣き崩れそうでしたが、ここは富裕層の街・二子玉川。
スマートに、センスよくお買い物をしなくてはいけません。
せいいっぱい平静を装って、「このデザートサンドのM6Lをください」と言ったつもりでしたが、その声は誰の耳にもうわずっているのがバレバレでした。
店員さんは、デザートサンドのブロンプトンを棚から下ろし、折りたたんだ状態から、走行時の状態に戻して、わたくしに全体像を見せてくださいました。
そして、オプション品について、丁寧に解説してくださいました。
ああ、、、今、わたくしは、ブロンプトンのオプションについて説明を受けている、、、なぜなら、わたくしはブロンプトンのオーナーになるからだ。。。
おもわず、ジーンとなってしまいます。
ちなみに、わたくしは、購入時に付加するオプションについては、Webサイトや雑誌やカタログなどで、事前にものすごく時間をかけて検討しておりましたため、この時にはほぼ結論が出ておりました。
ブロンプトンには、魅力的なオプションがさまざまありますが、いわゆるアクセサリ的なものは、お財布と相談しながらあとで少しずつ導入するとして、緊急性を要するものは、「シートピラーのエンドキャップ」と、「フロントキャリアブロック」の2種に絞り込んでおりました。
それから、ブロンプトンのチューブは米式バルブなのですが、わたくしの自転車たちはフレンチバルブばかりなので、フレンチバルブのチューブに交換してもらうよう、お願いしました。
これらの作業を完了するには時間がかかりますので、この日は注文のみとして、11日の祝日に納車、、、ということで、交渉終了!
こうして、あの見慣れたロゴマーク入りの発注書が作成された、、、というワケなのです。
わたくしは受け取った発注書を二つに折ると、カタログの間に大切に挟み込みました。
そして、天にも昇る気持ちで、しぶやさんを後にしました。
ああ、もう、こんな幸福なことがあってよいのだろうか。。。
つい今朝まで、ブロンプトンを購入するかどうか悩みに悩んでいた自分が、とうとう一線を越えて、購入手続きに及んだのであります。
大きな仕事を終えたような気分です。
購入祝いに、路地裏の小さな喫茶店に入って、友人Kとコーヒーで祝杯をあげました。
コーヒーカップから立ち上るかぐわしい湯気を鼻腔に吸い込むと、同時にブロンプトンがわたくしのところにやってくる喜びが実感となって満ちてまいります。
幸福なひとときでした。
わたくしは、カタログのページをくりながら、その幸せをかみしめておりました。
、、、すると、、、あり? あるべきものが、見当たりません。
つい先ほど、このカタログに挟んだはずの、発注書が見当たらないのです。
おかしいな、、、と、カバンの中を探してみますが、やっぱりありません。
まさか、、、ここまで歩いてくる途中で、落としてしまったのか!(大汗)
ギャー! ブロンプトンの発注書を、発行から数分で紛失した~!
このときの慌てっぷりについては、それを観察していた友人Kによりますと、尋常ならざるものがあったようでございます。
それまで、じっくり味わっていたコーヒーの残りを、いきなりグイと飲み干すやいなや、レジにすっ飛んでいって会計を済まし、喫茶店から飛び出していったというのです。
後から店を出た友人Kが目撃したのは、路地に立ちすくむ、わたくしの後ろ姿でした。
その視線の先には、、、雪と泥でぐしゃぐしゃの路面に落ちている、なにか紙のようなもの、、、、
その紙のようなものに、わたくしはよろよろと近づいてゆくと、震える手で拾い上げました。
その紙を、おそるおそる開いてみますというと、、、
まさに、ついさっき作成されて、その直後に落としたであろうと思われる、発注書だったのです!
そしてそこには、いくつもの泥の踏み跡が、、、(汗)
*
こうして、わたくしのブロンプトン購入ドラマには、最後にこんなオチがついたのでした。
ブロンプトンを手に入れたよろこびで、うっかり忘れておりましたが、わたくしが自転車を購入するときには、かならずや、とほほの神様が仕掛けを準備しているのが常なのでございます。
そしてわたくしは、確実にその地雷を踏むヒトなのでございました。
(ブロンプトンへの自転車道・完)<o:p></o:p>