乗鞍岳への自転車道

40歳で突如、自転車乗りになろうと発心して早15年。CAAD9少佐と畳平へ駆け上がる日はくるのでしょうか。。。(汗)

女性専用車両に乗ってみた日

2008年10月11日 | 日常

今回は自転車のお話ではないのですが、この歳になっても、やはり初体験はある! ということでご報告させていただきます。

昨日は、夕方17時にクライアントさまとのお打ち合わせがあり、都心部へ出かけておりました。

帰りは、ちょうど通勤ラッシュ(下り)の時間帯です。

ふだん、自宅を仕事場にしているわたくしは、ありがたいことに、通勤ラッシュとは無縁の日常を送っております。

そんな社会性の欠落したわたくしですから、プロのサラリーマンの方々に混じって、通勤ラッシュの電車に乗ったりして、きちんとラッシュ車両マナーを守れるものだろうかと、自分に自信がなかったのでございました。

そんな不安を抱きつつ、18時すぎの新宿駅……下りホームは、プロのサラリーマンの方々で満員状態でした。

5DAY働きに働いて、花の金曜日……18時少しすぎた時間帯にホームに立っていらっしゃるということは、残業ナシといううれしい状況で帰宅の途についていらっしゃるお幸せなサラリーマンの方々と申し上げてもいいかもしれません。

その日は、多摩センター付近で車両点検が発生したとかで、京王線のダイヤが少々乱れておりました都合上、ホームはいっそうの大混雑でした。

つまり、ふだん以上に、ラッシュ車両マナーを問われる日……だったのでございました。

わたくし、ふだん通勤ラッシュにさらされておりませんから、鍛錬不足を否めません。新宿駅を過ぎて、線路が複雑に交差するあたりでは車両があちこちの線路にスイッチするので、車体が大きく揺れたりいたしますけれど、そんなときにうっかりふらついて、他人さまにご迷惑をおかけしてしまったりするかもしれません。

そんなことを気に病みつつ、ドキドキしながらホームに立っておりますと、構内アナウンスで「次の特急列車では、後ろ3両は女性専用となっております~」という声が流れました。

……ふむ……女性専用車両か……

女性専用車両でも、当然ながらプロのサラリーウーマンのマナーを問われるだろうとは思いましたが、しかし、多少、女性同士のほうが気楽かもしれません。。。

わたくしはそそくさと混雑するホームを移動して、女性専用車両の列に並びなおしたのでございました。

はたして、女性専用車両に乗り込んだわたくし。

当然ながら、車両中、どこを見渡しても、女性ばかりでございます。

イスに座っている人も、つり革につかまっている人も、すべて女性。

車両いっぱい、ぎっしりと女性が詰まっているのでした。

……ふむ……なにか懐かしい……

ふと思いをめぐらせてみますと、この女性でパンパンになった車両風景は、女子高に通っていた時代のスクールバスに近しいものがあるのでございました。

なるほどなぁ~と、ひとりで妙に納得しつつ、女性専用車両があって、男性専用車両がないのは、何ゆえか???なとど、不思議に思いつつ電車に揺られること15分。

電車は新宿から2つ目の特急停車駅の調布駅に到着。車内に車掌さんのアナウンスが流れます。

「この電車の女性専用車両は当駅までとなっております。ここから先は、後ろ3両は女性専用ではございません~」

ほほぅ~! なるほど!

女性専用車両は、新宿~調布間のみという設定なのでございますね。

確かに、調布よりも先(都下方面)は、乗車率が減って、ぐっと空いてきますから、女性専用車両は解除してしまってよいということなのでしょう。

たまに通勤ラッシュに乗るのも社会勉強になるなぁ~などと、わたくしはひとり感心しておりました。

ところが……です。

女性専用が解除になったにも関わらず、調布駅で乗ってきた人もこれまた全員女性。男性はひとりもお乗りになりません。

やはり、これだけ女性ばかりの車両ともなりますと、解除になったとはいえ、男性がたったひとりで乗り込んでくるのには勇気を要するのかもしれません。

次の府中駅におきましても同様で、相変わらず車内はすべて女性のみで構成されているのでございました。

わたくしはなんだか、世間一般の男性の方に申し訳ない気持ちになるのでした。

女性専用が解除になっても、おいそれとは乗車できない雰囲気を、この元女性車両全体がかもし出しているのだとしたら、なんという罪深いことでございましょう。

もしかしたら、駅の改札位置などの事情から、最後尾の車両に乗りたい男性の方もいらっしゃるかもしれませんのに……

わたくしは府中より先の駅構内図を思い浮かべて、ホームの最後尾に改札のある駅があるかどうか思いをめぐらせ、結果、府中~八王子間には、そういう構造の駅がひとつもないことを確認し、少しほっとしたりしておりました。(ただし、高尾線の京王片倉駅は、最後尾なのですが…)

そんな杞憂を抱きつつ、聖蹟桜ヶ丘駅を過ぎても車両の構成は女性オンリー。

次の高幡不動駅で、わたくしは特急を降りて、各駅停車の普通列車に乗り換えです。

特急の場合、高幡不動駅の次は京王八王子駅(終点)ですから、次の高幡不動駅で男性が乗ってこなかったら、この車両は起点の新宿から終点の八王子まで、実質的に女性専用車両であったことになるわけです。

はてさて、電車が高幡不動駅に着き、ドアが開いたそのとき……

いらっしゃったーーーー

70~80歳くらいと思われる男性が!

悠々と、この車両に乗り込んでいらっしゃったーーー

その方とドアのところですれ違い、高幡不動のホームに降り立ってからも、わたくしはなにやら感動的な気分に包まれておりました。

電車はもうずいぶん空いていて、空席すらありました。

その男性が、まったく自然体でつり革につかまって立っていらっしゃるご様子をホームから確認しつつ、わたくしは心の奥で拍手喝采を送りました。

勇者さま……あなたさまは、まぎれもなく、勇者さまですわ……

最後の一区間とはいえ、男性にも乗っていただけて、ようやく安堵いたしました。

とはいえ、ほかの車両を覗いてみると、同じように車内はガラ空きで、女性専用であろうがながろうが、混雑によるストレスは皆無という乗車率でございました。

わたくしごときがここまで気に病む必要は、まったくなかったようでございます。

とにもかくにも、このようにいらぬ心配を抱きつつ、人生初の女性専用車両体験を終えたというお話でございました。


気になるTREKの女性をお見かけした日

2008年10月09日 | トレーニング

このところ、ぐずついた天気が続いておりましたが、本日の多摩地方は、久々に好天に恵まれました。

さわやかな秋風にのって、金木犀の香りが漂う季節……

自転車に乗るには、もっとも気持ちよい季節といっていいかもしれません。

諸所の事情により、自転車に乗るための時間をなかなか捻出できないでいるわたくしは、青い空をながめるとなにやら胸がざわめくのでございました。

……で、本当は、自転車に乗ったりしたらいけないのですけれど……もっとほかに、やるべきことが山積みなのでございますけれど……

ちょっとだけ、ほんのちょっとだけね……と言い訳しつつ、そそくさとGTを担ぎ出して、浅川サイクリングロードを走りだしてしまいました。

(少佐どのを持ち出さなかっただけ、大目にみてくださいませ。)

実は、本日は家からあまり遠くまでは離れられない事情がございました。昨日、版元さまに納品したデータの問合せが入るかもしれなかったからでございます。

大事な待機日に、てろてろとMTBで走り出したりして、極端に気の小さいわたくしは、版元さまに申し訳ない気持ちに苛まれるのでした。

それはそれとしまして、初秋の浅川サイクリングロードは実に気持ちがよいのでございました。河原のススキの穂は金色に輝き、川沿いの小学校からは、可愛らしい子供たちの嬌声が聞こえてきたりして、実に多摩っぽい、のどかな感じなのです。

でも、先ほどの事情のとおり、あまり遠くまでは参ることはできませんので、往復10kmまでと心に決め、浅川と多摩川の合流地点(府中四谷橋)で折り返し、すぐにまた一番橋まで戻ってきたのでしたが、橋の北詰にあるコンビニで、ちょっと気になる人を見つけてしまいました。

それは、歳の頃ならわたくしと同じ40代の、女性のサイクリストでいらっしゃいます。

おろしたてのようなサイクルウエアに身を包み、新品のヘルメットを着用され、腰には買ったばかりと思われるウエストポーチ。

自転車は…といいますと、これまたピカピカのTREKのクロスバイクでいらっしゃいました。

きっと、ごく最近、自転車をはじめられたのでございましょう。

どことなく、バイクを扱うご様子も、ぎこちなく思われるのでした。

そして、ぎこちないながらも、真新しい愛車のトレックを、とてもとても大切に扱っていらっしゃる様子が伝わってきて、実に初々しいのでございます。

少佐どのの納車からまる2年を過ぎたにもかかわらず、いまだに超初心者のわたくしは、図々しくも、この方に強いシンパシーを感じたのでございました。

ですが、今日のわたくしは、まるで気のぬけた自転車おばさんでした。

ヘルメットはかぶっておりませんでしたし、グローブもなし。洗いざらしたユニ@ロの七分袖Tシャツにワンショルダーのデイパック。ズボンだけは、かろうじてモン@ルのフリーライドパンツ(サイクルウエア)を着用しておりましたが、なんだかスレッカラシ感漂う、チャランポランな自転車おばさんなのでした。

そんなチャランポランおばさんがチラチラ視線をおくるものですから、そのTREKの女性も、なんだかちょっと、こちらを気にしていらっしゃるようでした。

わたくしは、隙あらば彼女に声をかけて、自転車に乗ることになったきっかけや、TREKのクロスバイクをセレクトされた基準は何かとか、ふだん、どんなところへお出かけになっていらっしゃるのかなどを、伺ってみたい衝動にかられておりました。

でも、見ず知らずの方にいきなり声をかけたりしたら、不審者と思われないかしらと気にしたりして、なんだかお互いにモジモジしていたのでした。

結局、わたくしは声をかける勇気がなく、一番橋のほうへ走り去っていく彼女の後ろ姿を見守ることになったのです。

その後ろ姿には、真新しいTREKに乗ってサイクリングロードを走るよろこびが、背中いっぱいにあふれているのでございました。

きっと彼女は、今日のこの晴天を待ち望んでいらしたのでしょう。秋の日差しを浴びながら、浅川サイクリングロードを走るしあわせをかみしめていらっしゃるお気持ちが、なぜか自然にわたくしにも伝わってくるのでした。

お声をかけることはできませんでしたが、「いま、たしかに心が通い合ったよなぁ~」という、テレパシーの残存(激しい思い込み)が、わたくしの心にほんわりと漂い、わたくしの短いサイクリング・タイムは、幸福に包まれたのでした。