乗鞍岳への自転車道

40歳で突如、自転車乗りになろうと発心して早15年。CAAD9少佐と畳平へ駆け上がる日はくるのでしょうか。。。(汗)

本栖湖畔のキャンプ場でベルギー人に会った日

2017年07月14日 | キャンプ

昨日は、突如として、本栖湖にキャンプに行ってまいりました。

午後になってから急拵えで荷物をまとめ、慌ただしく家を出てきたものですから、今回は焚き火の準備はせず、笑’sの「A4君」と炭を一箱。

食材は、途中のスーパーでささっと調達。

日暮れ前に、湖畔のキャンプ場に到着いたしました。

昨日は、平日の悪天候ということもあって利用客はほとんどおらず、湖畔に2つ、林間に2つしか、テントがありませんでした。

そのうちの1つは、シェルター型の、見たことのないソロテントです。

私たちは、そのソロテントのさらに奧まったところを本日のキャンプ地と定め、リビング用にタープを張り、その付近に各々の個人用テントを設営しました。

友人Kは小川のステイシー、私はUNNAでございます。

とりあえず、米の吸水などをはじめておりますと、、、先ほどの見慣れないソロテントのほうから、ひとりの男性が近づいてくるのでした。

あきらかにこちらへ向かってくるものですから、私は警戒警報を発動し、まずはこちらか明るく話しかける戦法をしかけ、「こんにちは」と声をかけますと、先方も「コンニチハ」と、たどたどしい日本語で返してくださったのでしたが、、、なぜに、たどたどしい日本語なのか、と申しますれば、それは、その方が欧米人だったから、なのでございます。

こちらから明るく話しかけて、相手の戦意を削ぐという戦法は、相手が日本人の場合にのみ有効なのであって、相手が外国人の場合は、友好的な雰囲気を醸し出してしまって、かえって話を複雑化させてしまう可能性があり、この場合、間違った戦術です(汗)

英語がまったく話せないし聞き取れない私は、相手が外国人だというだけで狼狽し、アワアワしてしまったものですから、それを見かねた友人Kが間に割って入ってくれました。

よく聞き取れないのですが、短い英語で「Oil」とかなんとか言っています。よく見ると、その外国人男性は、アルマイトの両手鍋を持っていて、その中に、細かく刻んだ人参が入っていました。

油が欲しいんだな!と合点しました。

友人Kが「Olive oil,OK?」っぽいことを言っていたので、私はボスコのオリーブオイルを取りだして、友人K経由で渡してもらいましたところ、その外人さんは、目を輝かせてよろこんだのでした。

私は、ふだん、近所のスーパーで安物のオリーブオイルを買ってしまうことが多いのですが、今日にかぎって、ボスコのエキストラ・バージン・オリーブ・オイルを瓶ごと持ってきていたので、実にタイミングがよかったなぁと、ホッとしたのでした。

その外人さんは、30センチくらいのアルマイト鍋に、トポトポとオイルを注ぎ、途中でいったん注ぐのをやめたのですが、少々沈思黙考したのち、再び瓶を傾けてオイルを注ぎ続け、たぶん150mlくらいのオイルを注ぎ入れました。

内心、そんなにたくさん注いで、大丈夫だろうか、、、何の料理を作るのかしらないけど、、、と要らぬ心配をしたほどです。

とにかく、その外人さんは、思うとおりの量のオイルを注ぎ入れ、私たちに嬉しそうにお礼を言ってくださいました。

友人Kが「Where are you from?」的なことを尋ねると、その人は「Belgium」と答えたので、私は(ベルジャンってどこだろ? ペルシャと関係あるのかしら?)と、あいかわらずスットコドッコイなことを考えていたのですが、友人Kがすぐに「ベルギーですか!」と日本語で言ったので、ベルジャンとはベルギーのことなのだと理解したのでした。

その人は、ご夫婦で日本を旅行中で、すでに、京都と札幌を観光した、とのことでした。つまり、私が見たことのないソロテント、と思っていたシェルター型のテントは、この方と奥さんとが二人で泊まっているテントだったのでした。

その人が立ち去ったあと、私は、ベルギーという国の人口や国土面積などに思いをめぐらせまして、この富士五湖の中でも奥まったところにあり、わりと地味なイメージの本栖湖の湖畔に、ベルギー人の夫婦が野営しているということは、非常に稀有なことなのではないか、、、と考えたのでした。

それで、そんな珍しい方々が、せっかく日本に旅行で来てくださったのだから、日本人として、なにか少しでもお役に立ちたいなぁと思ったのですが、とくに差し上げられるものも見当たりません。

いろいろ荷物をあさったあげく、ペンネとアラビアータの即席ソースがあったので、そうだ、これなら日持ちするから、バックパッカーには喜ばれるかもしれない、これをあげよう!と思い立ちました。

そして、自分は英語がわからないので、友人Kに届けさせたのでした。

耳をすませておりますと、あの方々のテントサイトのほうから、和やかな笑い声などが聞こえ、やがて、友人Kが戻って来たので、私は首尾よくペンネを渡すことに成功した友人Kをうんとほめてあげました。

友人Kは、若いころ、スパ・フランコルシャンというベルギーのサーキットに仕事で行ったことがあり、その話で盛り上がったようでございます。言葉も文化もまるきり違う極東の国のおじさん(友人K)から、自国のサーキットの名前が飛び出し、きっとあのご夫婦も嬉しかったに違いありません。友人K、グッジョブであります。

翌日の今日、私たちはわりと早くテントを撤収し、先にキャンプ場を出立したのでありましたが、あのベルギー人のご夫婦は、今日は何をしに、どこへ行かれるのか、、、日中は最高気温が高いので、熱中症にかからないといいんだけど、、、などと、あいかわらずおせっかいな心配をしつつ、戻って参ったのでございました。

途中、小仏トンネルを抜けて、東京都に入ったところで、友人Kが「あのアラビアータのソースには、激辛って書いてあったけれど、ものすごく辛いのかなぁ。。。あのベルギーの人が、僕たちに嫌がらせされたと思ったら困るなぁ」とつぶやいたので、「はやく言ってよ!(大汗)」とすかさず突っ込みましたけれども、時すでに遅し、、、(汗)

たしかに、ヨーロッパのお料理って、辛い味のものがないですよね(汗)

うわ〜、、、一口食べて、目を回しちゃったかもしれません(汗)

悪気はなかったのだけれども、、、ああ、どうしてこうなる、、、遠くベルギーから旅行に来てくださった方々にまで、いらんことしいをやらかす私なのでありました。。。


友人Kの「もしかして僕って凝り性なのかな」発言にアゴが外れた日

2017年07月08日 | キャンプ

大変ご無沙汰しております。半年ぶりの更新でございます。

にもかかわらず、、、相変わらず、自転車とは何も関係ないことを書こうとしている私を、どうかお許しください。

本日は、ここ2ヶ月ばかり、友人Kを熱中させているコトについて、ご報告させていただきます。

それは、なにかと申しますと、、、

刃物研ぎ

その文字の通り、刃物の刃を、研ぐ行為、これに熱狂しているのでございます。

きっかけは、YouTubeに上がっていた、ある方の動画でした。

その方の名は、「JPSikaHunter」(ジェーピーシカハンターさま)。

ご本人による自己紹介文(?)では、下記のようにおっしゃっていらっしゃいます。

私は北海道在住のシカハンターで、仕事 1/3、家庭 1/3、趣味 1/3 の生活をしています。残りの人生はそんなには長くないと自覚し、今まで、そしてこれからの趣味生活で得た経験を皆様と共有する目的でこのチャンネルを開設しています。よろしくお願いいたします。

https://www.youtube.com/channel/UCZkq6PkauqM-3xJqm9mT9lA

狩猟動画のYouTuberとして、カリスマ的な人気を博していらっしゃるJPシカハンターさま。

その内容は、狩猟のこと、山菜取りや渓流釣りのアクティビティー、猟銃やナイフなどの道具類の手入れ、そして、ご本業がお医者さんということで、医学的なお話など、動画の内容は多岐にわたっているのですけれども、、、

このうち、ナイフの研ぎに関する動画は、とくに友人Kの心の柔らかい部分に、グッザリと、深く突き刺さったようです(汗)

この方は、英語がご堪能で「people」の発音がすばらしいことから、ファンからは「ピーポー先生」との愛称で呼ばれているようです。

友人Kと同じ病にかかっても一向にかまわない、という方々は、どうぞ、上記のリンク先へ飛んで、存分にピーポー先生の動画をご覧になってくださいませ。

***

さて、このような経緯で、ナイフ研ぎの魔力にすっかり魅せられた友人K。

ヤツのことですから、当然ながら、道具から入るわけですね。予想通りの展開ですね。

そして、ヤツが揃えた砥石が、↓コレです。

セラミック(人口石)の砥石「刃の黒幕」シリーズ。

左から右へかけて、荒砥→中砥→仕上げ砥 というように並んでいます。

番数の桁が増えるにつれて、細かい砥石になることのようのです。

包丁などを研ぐときには、荒砥からスタートして、徐々に番数の高い砥石と取り替えて研ぎ進め、最後には、♯12000の仕上げ砥で、キレッキレに仕上げる、というわけでございますね。

ちなみに、砥石の左下の道具は、砥石を固定するための道具。

その右にある、黒と青の凸凹したやつは、砥石の表面を水平に保つための、砥石のための道具、ということのようです。

砥石は、どうしても中央部分が減っていくので、それを平らに保つための道具、なのでございますね。

ちなみに、上記の「刃の黒幕」を使用するにあたっては、さらに↓この「名倉砥石」が必須となります。

これ↑は、名倉砥石といいまして、、、砥石に刃を当てるまえに、まず、この名倉砥石を、砥石の表面に擦り付けることによって、ヌルヌルした砥汁を発生させ、そのヌルヌルした砥汁を刃に絡めながら刃を研ぎあげていく、ということのようです。

この名倉砥石は、砥石の表面に鉄粉などの目詰まりができているのを除去する効果もあるそうです。

なんでしょう、、、「純三河白名倉」「特級」「天上」などと、いかにもゴージャスな文字が躍っておりますが、、、値段は訊いておりません(汗)

さらには、このような↓職人の道具的な何か、、、も登場するようになりました。

これは、革砥(かわど)というものらしいです。

木材に革(皮?)が貼り付けてあるわけですが、これには2つの用途があるそうで、、、

まずは、よく手入れされている刃が、ちょっとだけ切れ味が鈍った場合、砥石で研ぐほどでもないが、、、という場合は、この革砥で少しだけ研ぐことによって、切れ味が復活する、というもの。

そして、もうひとつは、刃というものは、研いでいると、どうしても少しだけ裏側に返し(バリ)が発生してしまうので、その返し(バリ)を取るという使い方です。

この革砥をフィニッシュに用いることで、仕上げ砥のさらに上の、キンキンの切れ味、カミソリ級の切れ味を作り出す、、、ということらしい。。。

ちなみに、付属している黒と白の消しゴムみたいなのは、この革砥専用のコンパウンドだそうです。

このようにして、かなりの先行投資を行い、準備万端整えた友人Kは、刃砥ぎ魂が炸裂。

これら砥石兄弟達を縦横に取っ替え引っ替え、家中の刃物を砥ぎまくったわけです。

まず、生け贄になったのは、私がふだん料理に使っている、ステンレスの三徳包丁です。

これがもう、熟れたトマトもスパッと真っ二つのキレッキレの切れ味に!(大汗)

続きまして、30年近く前、結婚記念にいただいた三重県桑名市鍜冶町の廣房打刃物店の炭素鋼の三徳包丁、これはもともと良い包丁なのですが、炭素鋼なのに私がきちんと手入れしないものですから、錆びが浮いて、見るも無残なお姿に成り果てていたものを、これまた、魚の三枚下ろしだろうが、マグロの兜割りだろうが、なんでも来やがれ級にキレッキレの切れ味に!(大汗)

すっかり気を良くした友人Kは、オピネルのホールディングナイフ3本(ステンレス1本、炭素鋼2本)とフィレナイフを次々とキレッキレに、さらに、ビクトリノックスを3つほどキレッキレに、レザーマンのSquirt PS4をキレッキレに、モーラのコンパニオンHDとエルドリスをキレッキレに、さらにはバークリバーのバード&トラウトを、そのうえ、私がものすごく大切にしているモキのバード&トラウトと、鉛筆を削ったりしているラビットちゃんまでも、超キレッキレに、もう、家中から刃という刃を探し出しては、なにもかも、キレッキレにしてしまったのでございます。

そしてついに、、、ナイフや包丁に飽き足らず、友人Kが触手をのばした禁断の刃とは、、、

これって、↑ 斧じゃね?(汗)

lodgeのダッチオーブンが添えられているけども、、、薪を割る気満々じゃね?(汗)

なんでも、ハンドメイドイン・スウェーデンなのだそうですよ。

この刻印は、製造担当者さんのイニシャルなのですって。C.S.ってかいてあるみたいです。

グレンスフォシュ・ブルーク?

もしかして、暴風雨の中、ヒルバーグのテントでソロ・キャンプしていた、ノルウェーの愛らしいおっさま=ハンス・オズボルトさんも使っているかしら。。。

この斧のブレードのところを見てみましょう。

ややっ(汗)

これは、斧とも思えぬほど研ぎ澄まされている印象です(汗)

こんなの、砥石で研げるものなのでしょうか。

分厚い革の手袋でもしてやらなきゃ、危なくてしかたない。。。

ここまでやらかすとは、、、友人Kよ、キャンパルよ、、、キサマは本当にスゴイな、、、(トホホ)

あまりのことに、私が言葉を失い、茫然自失となっていたまさにそのとき、ヤツは、かようにのたまった。

「今、ふと気がついたんだけど、、、僕ってもしかしたら、凝り性なのかな?」

この瞬間、私のアゴが外れて、どこかへ転がっていってしまったことは、言うまでもありません。

友人Kよ、キャンパルよ、、、まさか、とは思うが、念のため確認させてもらおう。

貴殿は、自らが凝り性であるという自覚がないままに、51歳の今日までを生きてきた、とでもいうのだろうか。。。

キサマと知り合って、かれこれ30年近くにもなるが、私はキサマと出会った数ヶ月後には、キサマが極端すぎるほどの凝り性であることを思い知っておったぞ。

友人Kよ、キャンパルよ、、、己について、正しい認識が深まって、よ、よかったですね。。。(バッタリ)