昨日は、突如として、本栖湖にキャンプに行ってまいりました。
午後になってから急拵えで荷物をまとめ、慌ただしく家を出てきたものですから、今回は焚き火の準備はせず、笑’sの「A4君」と炭を一箱。
食材は、途中のスーパーでささっと調達。
日暮れ前に、湖畔のキャンプ場に到着いたしました。
昨日は、平日の悪天候ということもあって利用客はほとんどおらず、湖畔に2つ、林間に2つしか、テントがありませんでした。
そのうちの1つは、シェルター型の、見たことのないソロテントです。
私たちは、そのソロテントのさらに奧まったところを本日のキャンプ地と定め、リビング用にタープを張り、その付近に各々の個人用テントを設営しました。
友人Kは小川のステイシー、私はUNNAでございます。
とりあえず、米の吸水などをはじめておりますと、、、先ほどの見慣れないソロテントのほうから、ひとりの男性が近づいてくるのでした。
あきらかにこちらへ向かってくるものですから、私は警戒警報を発動し、まずはこちらか明るく話しかける戦法をしかけ、「こんにちは」と声をかけますと、先方も「コンニチハ」と、たどたどしい日本語で返してくださったのでしたが、、、なぜに、たどたどしい日本語なのか、と申しますれば、それは、その方が欧米人だったから、なのでございます。
こちらから明るく話しかけて、相手の戦意を削ぐという戦法は、相手が日本人の場合にのみ有効なのであって、相手が外国人の場合は、友好的な雰囲気を醸し出してしまって、かえって話を複雑化させてしまう可能性があり、この場合、間違った戦術です(汗)
英語がまったく話せないし聞き取れない私は、相手が外国人だというだけで狼狽し、アワアワしてしまったものですから、それを見かねた友人Kが間に割って入ってくれました。
よく聞き取れないのですが、短い英語で「Oil」とかなんとか言っています。よく見ると、その外国人男性は、アルマイトの両手鍋を持っていて、その中に、細かく刻んだ人参が入っていました。
油が欲しいんだな!と合点しました。
友人Kが「Olive oil,OK?」っぽいことを言っていたので、私はボスコのオリーブオイルを取りだして、友人K経由で渡してもらいましたところ、その外人さんは、目を輝かせてよろこんだのでした。
私は、ふだん、近所のスーパーで安物のオリーブオイルを買ってしまうことが多いのですが、今日にかぎって、ボスコのエキストラ・バージン・オリーブ・オイルを瓶ごと持ってきていたので、実にタイミングがよかったなぁと、ホッとしたのでした。
その外人さんは、30センチくらいのアルマイト鍋に、トポトポとオイルを注ぎ、途中でいったん注ぐのをやめたのですが、少々沈思黙考したのち、再び瓶を傾けてオイルを注ぎ続け、たぶん150mlくらいのオイルを注ぎ入れました。
内心、そんなにたくさん注いで、大丈夫だろうか、、、何の料理を作るのかしらないけど、、、と要らぬ心配をしたほどです。
とにかく、その外人さんは、思うとおりの量のオイルを注ぎ入れ、私たちに嬉しそうにお礼を言ってくださいました。
友人Kが「Where are you from?」的なことを尋ねると、その人は「Belgium」と答えたので、私は(ベルジャンってどこだろ? ペルシャと関係あるのかしら?)と、あいかわらずスットコドッコイなことを考えていたのですが、友人Kがすぐに「ベルギーですか!」と日本語で言ったので、ベルジャンとはベルギーのことなのだと理解したのでした。
その人は、ご夫婦で日本を旅行中で、すでに、京都と札幌を観光した、とのことでした。つまり、私が見たことのないソロテント、と思っていたシェルター型のテントは、この方と奥さんとが二人で泊まっているテントだったのでした。
その人が立ち去ったあと、私は、ベルギーという国の人口や国土面積などに思いをめぐらせまして、この富士五湖の中でも奥まったところにあり、わりと地味なイメージの本栖湖の湖畔に、ベルギー人の夫婦が野営しているということは、非常に稀有なことなのではないか、、、と考えたのでした。
それで、そんな珍しい方々が、せっかく日本に旅行で来てくださったのだから、日本人として、なにか少しでもお役に立ちたいなぁと思ったのですが、とくに差し上げられるものも見当たりません。
いろいろ荷物をあさったあげく、ペンネとアラビアータの即席ソースがあったので、そうだ、これなら日持ちするから、バックパッカーには喜ばれるかもしれない、これをあげよう!と思い立ちました。
そして、自分は英語がわからないので、友人Kに届けさせたのでした。
耳をすませておりますと、あの方々のテントサイトのほうから、和やかな笑い声などが聞こえ、やがて、友人Kが戻って来たので、私は首尾よくペンネを渡すことに成功した友人Kをうんとほめてあげました。
友人Kは、若いころ、スパ・フランコルシャンというベルギーのサーキットに仕事で行ったことがあり、その話で盛り上がったようでございます。言葉も文化もまるきり違う極東の国のおじさん(友人K)から、自国のサーキットの名前が飛び出し、きっとあのご夫婦も嬉しかったに違いありません。友人K、グッジョブであります。
翌日の今日、私たちはわりと早くテントを撤収し、先にキャンプ場を出立したのでありましたが、あのベルギー人のご夫婦は、今日は何をしに、どこへ行かれるのか、、、日中は最高気温が高いので、熱中症にかからないといいんだけど、、、などと、あいかわらずおせっかいな心配をしつつ、戻って参ったのでございました。
途中、小仏トンネルを抜けて、東京都に入ったところで、友人Kが「あのアラビアータのソースには、激辛って書いてあったけれど、ものすごく辛いのかなぁ。。。あのベルギーの人が、僕たちに嫌がらせされたと思ったら困るなぁ」とつぶやいたので、「はやく言ってよ!(大汗)」とすかさず突っ込みましたけれども、時すでに遅し、、、(汗)
たしかに、ヨーロッパのお料理って、辛い味のものがないですよね(汗)
うわ〜、、、一口食べて、目を回しちゃったかもしれません(汗)
悪気はなかったのだけれども、、、ああ、どうしてこうなる、、、遠くベルギーから旅行に来てくださった方々にまで、いらんことしいをやらかす私なのでありました。。。