垣谷美雨さんの本はタイトルにインパクトがあって、しかも読みやすい。
何冊か読んでいるが、今回読んだのはこれ
主人公の澄子は58歳。パートで働いているが、夫ばかりでなく実母もパートの仕事を楽なものと思っている。決して楽ではないのに。
夫は家では何もしない。それどころか妻を下女と思っているのではないか。
澄子が外出するのに「外出してもよいでしょうか」と言っても、快く出してくれることはない。自分は飲んで遅く帰宅するにもかかわらず。
(感想:外出するのに許可を求めるのか!? 連絡だけでいいんじゃない)
友人のグループと定期的に会うのだが、みんな夫への不満を口にする。
そのグループでの会話で、同級生だった友人が離婚したことを知り、澄子の中に羨ましいという感情と共に嫉妬心が生まれる。
自分も離婚できるものならしたい。
けれど夫は財産分与をしてくれそうにないし、パートとしての収入だけでは離婚後の生活が不安で決心がつかない。
そんな時に離婚した元同級生と会い、彼女の経験談を聞いて少しずつ離婚への道を歩き出す。
まずは実家の母の体調が悪いと言って実家に帰った。
夫は母の体調がどうかと聞くこともなく「早く帰ってこい」とうるさい。早く帰ってきて自分のために家事をやってくれというのが見え見えだ。
離婚して一番の問題は住む場所だ。
澄子の弟が「近いうちに実家で母と同居する」と言っていたので実家は当てにできないと思い、パート収入だけでは生活できないと躊躇していたが、澄子が実家に住むならぜひそうして欲しいという弟夫婦の申し出は、だから救いの言葉だった。
夫が留守の間に自宅から自分のものを持ち出して、澄子は離婚へ向けて歩みだす。
離婚に至るまでのあれこれは面白い。
でも私より年代が下の主婦たちの状況がこれなのか。
まあ小説だからね。
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