日本の伝統芸能の一つである歌舞伎が札幌で公演されると知って、夫が見に行こうと言い出した。私は過去に薪能と狂言を見たことがあるが、夫が日本の芸能に興味を持つとは思わなかった。
公演日は6日で、折よく夫は休日。開演は13時なので、早めに家を出て大通り界隈でお昼を済ませて会場へ向かうことにした。
出演は中村錦之助、中村隼人、市川笑三郎、市川青虎、上村吉弥とそうそうたる顔ぶれだ。
開演の際の挨拶に、中村隼人さんは後部入り口から現れた。観客席の通路を通って舞台まで上ると軽快な話術で観客の心をつかんだようだ。
写真撮影の時間を取り、演目のあらすじと観劇中の注意事項を述べ、支度を整えて10分後には舞台に出ると言って袖裏へと引っ込んだ。
最初の演目は双蝶々曲輪日記 引窓(あらすじはパンフレットから)
石清水八幡宮にほど近い八幡の里にある南与兵衛の家。亡き父の後妻となった義母お幸と女房お早が放生会の準備をしているところへ、相撲取りの濡髪長五郎が人目を忍んで訪ねてきます。幼い頃に養子に出されたお幸の実子である長五郎は、主筋への義理で人を殺めてしまい、母に一目会おうとやってきたのです。そこへ代官に任命され、父の名である南方十次兵衛を名のることが許された与兵衛が帰ってきます。お幸とお早は与兵衛の出世を喜びますが、与兵衛に命じられた初仕事は人相書の男を捕縛することで……。
仲秋の名月を翌日に控えた京都を舞台に、互いを思いやる親子の苦悩と情愛が描き出される義太夫狂言の名作。明かり取りの天窓(引窓)を舞台装置として巧みに用いながら、美しい月明かりのもとで展開する心温まるひと幕をご堪能ください。
仲秋の名月を翌日に控えた京都を舞台に、互いを思いやる親子の苦悩と情愛が描き出される義太夫狂言の名作。明かり取りの天窓(引窓)を舞台装置として巧みに用いながら、美しい月明かりのもとで展開する心温まるひと幕をご堪能ください。
30分の休憩をはさんで 身替座禅
大名の山蔭右京は、大の恐妻家でありながら浮気性。愛人の花子が都へやって来たことを知り、なんとか会いたいと願いますが、奥方玉の井が外出を許しません。そこで右京は、邸内の持仏堂に一晩中籠って座禅をすると嘘をつき、家来の太郎冠者に座禅衾を被せて自身の身替りにし、花子のもとへ向かいます。しかし、このことが玉の井に知られ……。
狂言の大曲「花子」をもとにした舞踊劇。花子と一夜の逢瀬を叶え、ほろ酔い加減で帰ってきた右京が、自身と花子を踊り分けながらその様子を物語る場面はみどころの一つです。怒りに打ち震える玉の井と、それに気づかず浮かれた様子の右京の対比が面白く、現代にも通じる夫婦のやり取りがユーモアたっぷりに描かれます。
大名の山蔭右京は、大の恐妻家でありながら浮気性。愛人の花子が都へやって来たことを知り、なんとか会いたいと願いますが、奥方玉の井が外出を許しません。そこで右京は、邸内の持仏堂に一晩中籠って座禅をすると嘘をつき、家来の太郎冠者に座禅衾を被せて自身の身替りにし、花子のもとへ向かいます。しかし、このことが玉の井に知られ……。
狂言の大曲「花子」をもとにした舞踊劇。花子と一夜の逢瀬を叶え、ほろ酔い加減で帰ってきた右京が、自身と花子を踊り分けながらその様子を物語る場面はみどころの一つです。怒りに打ち震える玉の井と、それに気づかず浮かれた様子の右京の対比が面白く、現代にも通じる夫婦のやり取りがユーモアたっぷりに描かれます。
後半の演目のほうが分かりやすく、また卑近な主題で面白く感じられた。
公演が終わって会場の外に出たのは16時頃だったが結構な雨が降っていた。
予報では雨が降り出すのは18時ころと言っていたので雨具の用意はしていかなかった。
雨が降っていなければデパ地下で何か買って帰るつもりでいたが、地下鉄でそのままターミナル駅まで行き、地下直結のスーパーで買い物した。
自宅まではバスに乗り継がなければならないのだが、次のバスは15分後だし雨も降っている。結局タクシーに乗って帰宅したのは余分な出費となった。
その雨は降り続いて今朝は雪に変わっていた。