思えば私は随分辛抱強い性分だったと思う。長い間夫からのモラハラ攻撃にも耐え続けてきたというか、感じないようにしてきたのだ。しかし結婚7年目になり、私の中では我慢を通り越し、無気力になり、投げやりになり、そして沸々と怒りが湧き出てきた。
夫と一言も会話を交わさない日々、夫の冷徹な表情、虫けらでも扱うような態度。こんな夫にどう思われようと、もうどうでもよくなってきたのだ。ここまで無視され、夫から嫌われているのに、どうして私がいつもご機嫌伺いしなければいけないのだ!
既に以前からしていることだが、私も必要最低限のことしか言わなくなった。無理に話すのはもうやめた。そして自分の部屋で1人で寝た。
夫から「おまえは本当に最低だな」と言われれば、「そう、私サイテーの人間だから」と答え、「おまえはバカか」と言われれば、「そう、バカだからわからないの」と答えた。つまり、夫の言うことに反応するより、オウム返しで同調することにした。すると夫は「自分で言うな」とあきれて、ますます何も言わなくなり、私はその分楽になった。
例えば夫が連絡なく帰りが遅くなり、私が作った夕飯を「いらない」と言う。以前の私だったらがっかりした顔をして、もったいないから夫のおかずはラップをして冷蔵庫にしまっていた。しかし、その時の私は夫の目の前で、そのおかずをバサーッとゴミ箱に捨てた(もったいなくて心が痛むのでありますが…)。つまり私も夫に「NO」という何らかの意思表示を表そうとしたのだ。
私が何かを夫に問いかけても、返事もなく出かけていった朝、私は怒りがこみ上げ、洗ったばかりの夫のワイシャツを出し、足で何度もぐりぐりと踏みにじり床に叩きつけた。ひとしきり足蹴にした後、ワイシャツにアイロンをかけた。冷えた心でアイロンをじっくりとあてた。ある時は、夫がいなくなってから、夫のカバンや雑誌を蹴りまくり、踏みつけた。物にでも当たらないと、私の怒りは収まらなくなっていた。
夫と会話のない毎日、そしてまたつまらないことで夫が恐ろしい形相をして私に文句を言った。私は一応夫の気が済めばと思い謝ったが、今度は私の気が済まなくなっていた。目のくらむような怒りとひりひりする後頭部。しかし夫に怒鳴りつけるような勇気はない。私は夕食の片づけの後、台所の包丁をひとそろい出した。そして水道の水をタラタラと垂らしながら砥石を置き、ゆっくりと包丁を研いだ。シャーッ、シャーッと包丁を研ぐ。切れ味を指先で確かめながら、一本、そして一本と研いでいった。その時の私は静かな怒りに燃えていた。とても冷ややかな顔をしていただろう。私は包丁を研ぎながら思う。これで夫を刺したらどうなるんだろう。でも、と私は思う。私の人生が終わりになるだけだ。私の名前が新聞に載る。そして親や友人は驚き悲しむだろう…そう、こんな奴のために私も、そして他の人も不幸にしてはいけない…。そんなことを考える。そのとき、夫はさすがに静かだった。私を横目で見て、そそくさと自分の部屋に引っ込んでいた。夫が私の異様な雰囲気を感じてくれたら、私はそれで満足だった。
このように、私は怒りが溜まると物に当たるようになった。といっても、やはり夫が恐かったので、夫がいないとき、夫の物を蹴りまくっていた。そして夫がいるときには話さない、オウム返し、そしてたまに包丁研ぎを行った。こんなことする自分も、自分で恐いなあ、と思ったが怒りがなかなか収まらなかった。
また、夫が突然事故にでも遭って重傷で入院してくれないかなあ。あるいは昇天してくれてもいいのに、と物騒なこともよく思った。とにかく夫から逃れたかった。しかし私が逃げるというより、夫を何とかしたかったのだ。「そこまで思ってしまう私自身は何なんだ、そう思うくらいだったら離れた方がよっぽど建設的なのに…」と自分自身に苦笑したりもした。同時に家庭内での殺人事件を思った。こうやって逃れることもできないと追いつめられ、視野狭窄に陥り、犯行に及ぶのだろう。私も我を忘れてしまったらどうなるかわからないな…。自分の狂気を見せられたときでもあった。
しかし私は夫に怒りを感じつつ、夫に怯えていた。そしてそんな自分も腹立たしかった。私は少し夫との事情を知る友人に、夫への怒りが止まらないことを話した。「このままじゃあ、私が夫を殺すか、夫が私を殺すかまでになるかもしれない」と。友人は静かに言った。「そこまでして一緒に暮らす意味あるの?ないんじゃないの?」と。
そうだ。私は怒りながら夫に執着していたのかもしれない。私のささやかな反抗で夫が変わるとでも思っていたのだろうか。いや、変わらない。変わりっこないことは、何度も何度も嫌というほど思い知らされたではないか。
私はこのまま怒りを抱えて、どうなるのだろう…。やはり夫と離れた方がいいのか…。そんな思いがぐるぐると巡っていた。
夫と一言も会話を交わさない日々、夫の冷徹な表情、虫けらでも扱うような態度。こんな夫にどう思われようと、もうどうでもよくなってきたのだ。ここまで無視され、夫から嫌われているのに、どうして私がいつもご機嫌伺いしなければいけないのだ!
既に以前からしていることだが、私も必要最低限のことしか言わなくなった。無理に話すのはもうやめた。そして自分の部屋で1人で寝た。
夫から「おまえは本当に最低だな」と言われれば、「そう、私サイテーの人間だから」と答え、「おまえはバカか」と言われれば、「そう、バカだからわからないの」と答えた。つまり、夫の言うことに反応するより、オウム返しで同調することにした。すると夫は「自分で言うな」とあきれて、ますます何も言わなくなり、私はその分楽になった。
例えば夫が連絡なく帰りが遅くなり、私が作った夕飯を「いらない」と言う。以前の私だったらがっかりした顔をして、もったいないから夫のおかずはラップをして冷蔵庫にしまっていた。しかし、その時の私は夫の目の前で、そのおかずをバサーッとゴミ箱に捨てた(もったいなくて心が痛むのでありますが…)。つまり私も夫に「NO」という何らかの意思表示を表そうとしたのだ。
私が何かを夫に問いかけても、返事もなく出かけていった朝、私は怒りがこみ上げ、洗ったばかりの夫のワイシャツを出し、足で何度もぐりぐりと踏みにじり床に叩きつけた。ひとしきり足蹴にした後、ワイシャツにアイロンをかけた。冷えた心でアイロンをじっくりとあてた。ある時は、夫がいなくなってから、夫のカバンや雑誌を蹴りまくり、踏みつけた。物にでも当たらないと、私の怒りは収まらなくなっていた。
夫と会話のない毎日、そしてまたつまらないことで夫が恐ろしい形相をして私に文句を言った。私は一応夫の気が済めばと思い謝ったが、今度は私の気が済まなくなっていた。目のくらむような怒りとひりひりする後頭部。しかし夫に怒鳴りつけるような勇気はない。私は夕食の片づけの後、台所の包丁をひとそろい出した。そして水道の水をタラタラと垂らしながら砥石を置き、ゆっくりと包丁を研いだ。シャーッ、シャーッと包丁を研ぐ。切れ味を指先で確かめながら、一本、そして一本と研いでいった。その時の私は静かな怒りに燃えていた。とても冷ややかな顔をしていただろう。私は包丁を研ぎながら思う。これで夫を刺したらどうなるんだろう。でも、と私は思う。私の人生が終わりになるだけだ。私の名前が新聞に載る。そして親や友人は驚き悲しむだろう…そう、こんな奴のために私も、そして他の人も不幸にしてはいけない…。そんなことを考える。そのとき、夫はさすがに静かだった。私を横目で見て、そそくさと自分の部屋に引っ込んでいた。夫が私の異様な雰囲気を感じてくれたら、私はそれで満足だった。
このように、私は怒りが溜まると物に当たるようになった。といっても、やはり夫が恐かったので、夫がいないとき、夫の物を蹴りまくっていた。そして夫がいるときには話さない、オウム返し、そしてたまに包丁研ぎを行った。こんなことする自分も、自分で恐いなあ、と思ったが怒りがなかなか収まらなかった。
また、夫が突然事故にでも遭って重傷で入院してくれないかなあ。あるいは昇天してくれてもいいのに、と物騒なこともよく思った。とにかく夫から逃れたかった。しかし私が逃げるというより、夫を何とかしたかったのだ。「そこまで思ってしまう私自身は何なんだ、そう思うくらいだったら離れた方がよっぽど建設的なのに…」と自分自身に苦笑したりもした。同時に家庭内での殺人事件を思った。こうやって逃れることもできないと追いつめられ、視野狭窄に陥り、犯行に及ぶのだろう。私も我を忘れてしまったらどうなるかわからないな…。自分の狂気を見せられたときでもあった。
しかし私は夫に怒りを感じつつ、夫に怯えていた。そしてそんな自分も腹立たしかった。私は少し夫との事情を知る友人に、夫への怒りが止まらないことを話した。「このままじゃあ、私が夫を殺すか、夫が私を殺すかまでになるかもしれない」と。友人は静かに言った。「そこまでして一緒に暮らす意味あるの?ないんじゃないの?」と。
そうだ。私は怒りながら夫に執着していたのかもしれない。私のささやかな反抗で夫が変わるとでも思っていたのだろうか。いや、変わらない。変わりっこないことは、何度も何度も嫌というほど思い知らされたではないか。
私はこのまま怒りを抱えて、どうなるのだろう…。やはり夫と離れた方がいいのか…。そんな思いがぐるぐると巡っていた。
いや~、今日はホンマにすごい1日でしたね!
ワタシは、朝からの雪かきで、体のアチコチが痛いです(爆)
明日になったら、もっとすごい事になってそうで、ホンマに嫌です(爆爆)
今日の記事を読んで、
「同じ同じ~!」
っと、飛びついてしまいました!
ワタシも結婚生活の中で、最初は自分を責め、
自己否定感でイッパイになり、
「ワタシなんか、この世の中から消えればいい・・・」
と、思っていたのが、何のキッカケだったかは分からないのですが、
「何で、ワタシが消えなアカンねん。
消えるんやったら、アイツの方やん!」
というふうに、考えが変わって行きました。
多分この当たりからが、回復と言うか・・・起死回生の準備に入った時期だったんでしょうね(^^)
ウメさんの文章は、とても分かりやすく、かつ引き込まれます!!!
「次回を乞うご期待!」って感じで、続きを待ってますよ~(^^)
ほんっと、昨日はすごい雪でもうびっくりでした。
12月にこんな降り積もるなんて!
宇砂子さん、雪かきの筋肉痛は大丈夫ですか?
今日はこちらは晴れ間もあり、雪もとけそうですが…。
そうそう、私も最初は自分を責めてもっと努力しなければ、
なんて思っていたわけですが
後半は夫への怒りが煮えたぎっていました。
宇砂子さんの言う通り、ここら辺から脱出のパワーが出てきて
その後の準備につながったのかな、と思います。
不当な行為に対して怒るっていうことは大事ですね~。
なんかね、怒りという感情を私は否定し、感じると蓋をしていました。
もっと「怒りを覚える自分」の声を聴けるようにしよう…
そんなことを思うこの頃です。
宇砂子さん、いつも共感してくれてありがとう~♪
筋肉痛、お大事にね~(^^)/
ウメより
「すっきり!」してくる。
ウメさんにとってつらい出来事が書いてあるのにね。
多分、それはウメさんが反撃にでてきたのがうれしいのだと思う。ウメさんが我慢ばかりしていなくなったのがうれしいのだと思う。
包丁をとぎとぎしいるところなんかはシビレテきました。
映画や物語なら後半部分でそろそろ女主人公が
目覚めてきて悪者をガツンとやってやろう!と決心しはじめる部分でしょうか。
やっちゃえ!やっちゃえ!
もっと、やっちゃえ!
はらはらドキドキワクワクの文旦でした。
文旦さんのところは豪雪じゃなかったですか?
こちらは急に雪降ってびっくりでした~!
文旦さんがすっきりしてくると言っていただけて
なんだか私も安心しました!
こういうことを書くと引く人も出るのではないかと
ちょっと心配でしたが…。
んもぉ~文旦さんがしびれるならもっと包丁研ぎますよ~(^^)/
もっとやります~、なんて他のホラーなネタがないウメですが。。。
いや~、何だか嬉しいウメでした。
そうです、目覚めますよ~!またこうご期待!?
文旦さん、いつもありがとうございます~!
ウメより
執着しすぎて何がよくて何が間違っているのか見えなくなってしまう
夫がいなくなると鞄や物を踏みつける
私もよくやりました
ウメさんのマグマが噴出す時何が起こったのでしょう
ウメさんがこの迷路から抜け出した瞬間を私も知りたいです
また来ます
ああ、ちっこさんもとてもお辛かったのですね。
憎しみに駆られる自分…苦しいですよね。
私のブログに共感してくださる方は
きっとご自身も苦しまれ悩まれている方だと思うのです。
でも、それは決して弱いのではない、むしろ強いのです。
だから、僅かな可能性を願って、歯を食いしばって努力されるのです、きっと。
でも、すごくすごく努力して
それでもできないことからは離れる、というより
手放した方がいいのだと
私もやっと思いました。
またお待ちしていますね。
ありがとうございました!
ウメより
それくらい、積もってしまったんですよ、モラによって気持ちが。
悔しかったですね~マグマ湧いちゃいますよ、当たり前です、それだけひどいことされていたら…。
だからといって、すぐに飛び出せなかったお気持ち、わかるような気がします。
判断力が、にぶるんですよ、モラに徹底的にやられると。
でも、ウメさん脱出できて、本当によかったですね。
続きも楽しみにしています。楽しみなんていって不謹慎かもしれないけれど…。
ののかさん、加勢してくださって嬉しいです(^^)
そうですよね~~、やってやる、やってやる!の世界ですよ。
もう自分がある日とてつもなく暴走してしまうのでは、と
自分の怒りや憎しみもこわかったのですけどね…。
ののかさんももしかして、モラ被害に遭われたことがおありですか?
何だかののかさんの応援が心強いです。
続きも待っていてくださるなんて、嬉しいです。
またお待ちしていますね!
ありがとうございました!
ウメより
クリスマスだと言うのに、熱を出しておりました。
で、久しぶりに来てみたら・・・。ウメさんが反撃に!
思わず、いいぞぉ!!行けー!もっともっとYシャツ踏んづけちゃえ!包丁研いじゃえーー!!って、興奮しちゃいました。
だって、ウメさんは全然悪くないんだもん。負けないで欲しくって。
次の記事、私も楽しみにしています。
私は大掃除頑張りま~す。(能天気でごめんなさい)
orangeさん、はじめまして!
orangeさんもモラハラを受け、苦しい思いをされているのですね。
モラハラって、夫婦だけではなく
職場の上司でも、大学の教員でもどこでもあると思います。
私も夫からだけでなく、かつて職場の上司のモラハラに苦しめられました。
そのときもかなり頑張ったのですが、結局職場を辞めました。
転職したあとは、いい職場にめぐり逢えたのでよかったです。
モラハラを受けると自分の精神を蝕まれますよ。
夫も上司も、不毛な関係でしかないことは骨身にしみました。
orangeさんは、指導教員替わるわけにはいかないでしょうか。
それか、限られた年数と思い、割り切るか…
他の大学に行くことなどは大変でしょうか。
モラハラ指導教員と長らくいると、
orangeさんの研究成果は潰される可能性があると思います。
指導を受けるのは必要最低限にして
他の現場で研究できるのがいいかとも思いますが…。
う~ん、難しいですね。
う~~ん…
ウメより
☆いぐすけさんへ
いぐすけさん、こんばんは!
わ~、いぐすけさんがリングの端から
拳をふりあげて応援してくれているみたいで
私も興奮してしまいました(^^)
やってやるぜぇ~~☆なんてね。
しかしこれ以上やってやるより
逃亡作戦に転じたのでありました(笑)
また読んでやってくださいませ~。
ところで、いぐすけさん、お風邪はいかがですか?
とぉっても寒い日が続いてますもん。
かぜには、みそ汁に大量のネギと、
ショウガをひとかけすって入れるといいですよ。
なんだか「効くぅ~」って感じで。
それと卵酒も…
(酒飲みの私はいつもアルコール消毒で殺菌してますがよく効きますよ♪)
くれぐれもお体お大事にしてくださいね!
大掃除も無理しないでくださいね~(^^)
ウメより