理想のリタイア生活とは？

６５歳までの定年まであと１７年あるが、定年後の生活設計を漠然と夢見ることがある。

無類の旅行好きなので旅三昧ベースの日々を過ごそうとよくカミさんと話すことがある。

勿論、具体的な事は何も決めてはいない。

会社を勤め上げ、子育てを無事済ませたら、我ら共稼ぎ夫婦の褒美としてのハッピーリタイアをどう過ごすかということである。

かなり価値観の違う我ら夫婦２人の唯一の共通点は旅好きな点にあるので、自然とそういう結論に達しているのだ。

少々、気の早い話だがそういう楽しい引退生活が待っていると思うだけで毎日が頑張れる気がするから、人間とは単純なものだ。

それに、やはり大まかなプランは決めておかないと、時間の経つのは早く目前になってお互いの過ごし方の希望にズレがあったら、苦痛の引退生活になってしまうし、下手をすると熟年離婚にもなり兼ねない。

まあ、考えるのは自由だし、楽しければそれで良いと思う。

さて、そんな折、今回の北海道旅行で夢のような旅三昧を続けている人に出会った。

知床・羅臼の熊の湯という露天風呂でお会いした。

泉質良く、湯温が高く、湯量も豊富で、清潔度もあり、男女の区別がされていて、女性の方は囲いさえされている、観光客にお奨めしたい、とっても価値ある露天風呂だが、地元の方で賑わう地元で愛されている風呂でもある。

そして川のせせらぎを聞きながら、自然の景観に溶け込む開放的なこの露天風呂が無料で利用できるとは驚きであり、素晴しいことでもある。

知床へ行かれる際は是非立ち寄ってみたら如何だろうか。

さて、そんな地元客にすっかり件の旅の達人が溶け込んでいた。

気さくに話しかけてくる地元住民に混じって、昔からの知り合いのように親しく軽口を叩き合っていたので、すっかり地元の漁師かなんかと思ったほどだった。

その方は６０代半ばの元某輸入自動車大手販売会社の社員の方で、定年後はキャンピングカーを購入して全国の温泉を夫婦で巡っているそうだ。

キャンピングカー購入時は確かにお金は掛かるが、道の駅等を利用すれば宿泊にお金はそんなに掛からない。

自炊もできるので、生活費は自宅にいるのと殆ど変わらないそうだ。

一箇所にじっくりと１～２ヶ月居て次へ移っていくので、全国に沢山の友人が出来たと嬉しそうに語っていた。

東京・世田谷出身のバリバリの江戸っ子とのことだが、世田谷の自宅に居るのは１年を通しても１～２ヶ月だというから驚く。

更には奥さんが韓国の方なので、韓国の春川に奥さん名義の家まで購入していて、そこにも定期的に滞在しているとの事だった。

『冬のソナタ』の撮影地として有名になった所だが、それ以前に購入していてとても安くて良かったなどと得意げだった。

韓国では外国人名義では不動産は購入できないので、家内が韓国籍でとてもラッキーだったとも言っていた。

彼のようにそんな生活を４年も続けたいとは正直思わないが、日本全国を春の桜前線と共に北上し、秋の紅葉前線と共に南下する生活をじっくり１年かけてキャンピングカーで巡るというのも悪くないと思えた。

全国の温泉につかり、郷土料理に舌鼓を打ち、美しい自然に触れる。

まさに、日本の四季を心ゆくまで堪能できる素晴しい旅になると思うのだ。

勿論、沢山の人との出会いもあるだろうし、生涯忘れ得ぬ貴重な体験をするだろうと想像に難くない。

夫婦２人で生活するくらいのキャンピングカーなら普通乗用車とそんなに値段も変わらず、そうした旅を始めるのに垣根は高くない。

そういう生活をしてみるのも、面白いだろうと、何だかとっても楽しみになってきた。