tyokutaka

タイトルは、私の名前の音読みで、小さい頃、ある方が見事に間違って発音したところからいただきました。

アイデアをもとめて

2006年03月08日 14時47分45秒 | カルチュラルスタディーズ/社会学
デザインの専門学校に通っていたころに習っていた先生がメーリングリストを主催している。実は本当に振るわないメーリングで、「あと一週間で閉鎖しますよー」と場所を貸してくれているサーバーから通知が届く。そうなると真っ青になって、登録者の誰かが、とりあえず、送信だけしておくという「幽霊メーリング」になっている。デザインがうまい人間で、文章も話題も豊富という人間は本当に少ない。私の場合、文章を書くがデザインの方は・・・・?

でも、時々とんでもない大型の話題が提供されて、参加者間で知恵をひねり出すということが行われる。いまの話題は、「コンセプトの立て方」である。要はアイデアをどうやって作るかということだ。

ほぼ例外なくといっても過言ではないのだが、アイデアなんて簡単に思いつくものではないのが事実で、そのような課題を持っている人に対しては、本を読むこと、すなわち読み方やものの見方から教えなければならないのである。決まった答えの形を覚えておけば、大丈夫というかつての受験的知識にどっぷり浸かった(漬かったといってもいいのかもしれない)方々には、特に教えるのが困難である。

1994年の春、東京大学出版会から『知の技法』という本が出された。大学1.2年の教養課程でゼミを受けるのに、どのようにして課題を設定して、調査し、まとめるかということを教えるために出された教科書だったが、一般にもウケて、かなりのベストセラーになった。私も買って読んだが、どうということは書いていない。その後のゼミでの口頭発表は、この本の内容がほとんど役に立たず、全部実地で学んだくらいだ。面白いのは、この本の編者の一人が、かのホリエモンの指導教官だったことだ。

大学時代に立てる命題など、ほとんど限られている。実は実社会に出てから面食らうような課題に対する答えを提示しなければならないこともある。

あるとき、私はストレスの計測方法の技術が確立すれば、どのような市場性があるかということを調査したことがあった。これは鉄腕アトムが実用化されたら、どのような使い方がありますかと聞くのと同じくらい荒唐無稽なことなのである。

インターネットなどを調べたが、まったくわからない。第一ストレスの計測をして「あなた今、ストレスがたまっていますよ」といわれたところで誰も喜ばない。むしろ、緩和する方法を考えるのが妥当という結論になった。

では、まずストレスの計測だが、これは尿検査でわかるらしい。トイレでももう実用化されているそうだ。そのトイレを見に、わざわざ北九州まで出張したことがあった。いま考えると傑作だが。そのトイレを利用して、ストレス緩和策を考えたが、それはトイレを半ばジュークボックスにして、音楽をかけるというものだった。笑い話ではない。まじめに取り上げて、現に経済産業省への報告書に書いたくらいだ。この事業は次年度取りやめになったが・・・。

こう書いているとアイデアの立て方も結構難しい。どうしよう、あのメーリングに立て方の提案をしなければならないのだけど・・・

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