注目は違うところにいってしまった。第146回芥川賞・直木賞の贈呈式が17日、東京・丸の内の東京会館で開かれた。芥川賞受賞決定後の会見での「もらって当然」などの発言が話題になった田中慎弥さんは、「どうもありがとうございました」と異例の一言だけのあいさつで会場を沸かせたのだ。会見時とは対照的に、にこやかに記念品を受け取った田中さんは、一言だけあいさつして一礼し、降壇。会場からどよめきの声が上がり、司会者が「万感の思いがこめられていました」と言い添える一幕もあった。主催者によると、会場には田中発言に注目する報道陣をはじめ、過去最多と見られる約1400人が詰めかけたが肩透かしの形になったのも田中さんのお陰なのだ。