サイケデリック・ペンタトニック!?

カリメロレコード(架空)の店主の何でもござれの日々の音楽コラム

映画『ライトニング・イン・ア・ボトル』

2005年04月30日 02時03分32秒 | 洋楽
渋谷シネマライズで今日までということで、
観てきました、映画『ライトニング・イン・ア・ボトル』!!

ブルースがW.C.ハンディによって初めて楽譜化されてから2003年が、
100年目ということでアメリカでは国をあげてのブルースイヤーを展開。
(ちょっとこじつけのような気もしますが・・・)
その幕開けを告げたのが、
この映画のもとになったコンサート「サルート・トゥ・ザ・ブルース」で、
2003年2月7日にNYのラジオ・シティ・ミュージック・ホールで総勢50名を超える
一流ミュージシャンによって「ブルース」が壮大に奏でられました。

その模様を収めたのがこの映画『ライトニング・イン・ア・ボトル』。
ただ単に収めるのではなく、リハーサルの様子や楽屋での様子、
更にインタビューやアーカイヴ映像を盛り込んで構成されています。
秀逸なのが、その映像の組み立て方で、最初にアフリカの曲から始まり、
戦前ブルース~エレクトリック化、更にはチャック・Dによるヒップホップまで、
この映画を観ただけでブルースの歴史が俯瞰出来るというもの。

ただ単純にアーティストごとに素晴らしいアクトが収められているので、
それだけでも必見ですが、私が一番ぐっときたのが、
バディ・ガイがジミ・ヘンドリックスとの出会いについて語った時のもの。
(バディは、レッドハウスとヴードゥーチャイルドを演奏、
 映画ではその他に二曲。計四曲と大活躍でした。)
その話とともに当時の映像が流れたのですが、
なんとそれはバディのライブの模様を客席でジミが凝視している映像で、
いかにジミがバディの影響を受けたかがよく分かるもの。
それにしてもこんな映像見たことない!
徐々にジミのライブ映像は発掘されているものの、
客席にいるジミは見たことない。
嬉しそうにバディの激しいアクションに見入っている。
う~ん、これだけでもこの映画凄い。

って、ライブと関係ないとこでぐっときてますが、
ライブではやはり大トリを飾ったB.B.キングでしょう。
スイート・リトル・シックスティーンを演奏するのですが、
そのライブ前に語った思い出が非常にいい話で、
それと相まっていつも聞いている曲が数倍良く聞こえました。

話は脱線しますが、97年頃にB.B.を知りそして好きになって以来、
ずっと見たいみたいと思っているのですが、未だに日本に来てくれません。
一年の内300日以上のライブ生活を何年も続けているらしいのだが、
そろそろ日本にも来てくれないかなぁ。
一度ライブへ行ったことのある先輩の話を聞いたところ、
一発目のチョーキングでちびった(失礼・・・)ということだった。
きっと嘘じゃないだろうなぁ。
あぁ!貴方に会いたいです!B.B.!

その他にとっても良かったのが、ビリーホリデイの「奇妙な果実」を
歌ったインディア・アリー。初めてこの歌手を見たのですが、
非常に重たい歌詞を、それに埋もれないで透明感溢れる声で歌い上げる。
その姿に思わず感動してしまいました。
バックバンドにドクタージョンやあのザ・バンドのドラマー、レヴォン・ヘルムの姿も。
ケブ・モもあちこちで活躍しているし、カントリー界の才女アリソン・クラウスの
姿も見ることが出来る。ブルースファンのみならず、ロックファン他、
さまざまな人にお勧め出来る映画です。
でも一番見てほしいのは、ブルースを聴いたことない人ですかね。
(ありきたりですが・・・)

残念ながら渋谷での上映は終わってしまいましたが、
全国順次上映予定ということですし、きっとDVD化もされると思うので、
見逃した方も是非ごらん下さい!

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