サイケデリック・ペンタトニック!?

カリメロレコード(架空)の店主の何でもござれの日々の音楽コラム

写真集「ロックン・ロール・サーカス」(写真:マイケル・ランドルフ)

2011年12月15日 13時23分20秒 | 洋楽
年末にアンダーグランドではジョン・レノンのロックン・ロール・サーカス関連の音源が出たり、
最近オフィシャルのDVDで久々に「ロックン・ロール・サーカス」を見たりで、
個人的に盛り上がっている「ロックン・ロール・サーカス」。

もうファンの方は当然ご存知だと思いますが、
1968年にローリング・ストーンズが企画し撮影されたものですが、
1996年までお蔵入りになっていたTVでのイベントです。

今はCD/DVDで簡単に見ることができますが、1996年の公開までは幻のライブでした。

そこで今回紹介するのは、1995年1月20日にプロデュース・センター出版社から発売された
写真集「ローリング・ストーンズ ロックン・ロール・サーカス/幻のスーパーセッション」(上の写真)です。

この中には、マイケル・リンゼイ=ホッグ監督の当時を振り返る制作秘話が載っており、その裏話はまさしく必読に値するものですが、それよりもやはりこの時の写真の数々が圧倒的な迫力で迫ります。

残念ながら全部白黒写真ですが、DVDでは見ることができないオフ・ショットも満載です。

一部から抜粋してみます。

●ブライアン・ジョーンズ


●マリアンヌ・フェイスフル


●ミック・ジャガーとマリアンヌ・フェイスフル


●ミック・ジャガーとキース・ムーン(と隣にピート・タウンゼント)


●ジョン・レノン




●ミック・ジャガー



どうですか。ロックの古き良き時代がこの写真集には凝縮されてるような気がします。

私はこの時の出演者や演奏が本当に大好きでCD/DVDとセットでこの写真集も楽しんでます。

今はなかなか書店ではあまり見かけることはないですが、
古本屋などで手に入れる機会があればオススメします。

ジョン・レノン関連の映像をYOUTUBEより。

■YOUTUBEではこの時のオフ・ショット/バック・ステージの映像も見ることができます。



■オフィシャルのDVDでものちに収録された「YER BLUES」の
 没テイク・ヴァージョンのマルチ・アングルに、それとも違うアングルを並べたヴァージョン。



■でもやっぱり正規に採用された方がいいです。
 特にクラプトンのソロが没テイクに比べて断然冴えてます!


(※音のみ)


CD


DVD

ツチヤニボンドのインストアライブ 2011/12/04

2011年12月05日 00時57分40秒 | 邦楽

2011年11月11日に二枚目のアルバム「2」をリリースした
ツチヤニボンドのインストアライブがdiskunion吉祥寺店で無料で開催ということで
仕事終わりに立ち寄ってきました。

実はあまり意識したことないバンドだったんですが、
先日バンドのメンバーの激押しにより急に意識し出した次第(笑)

「はっぴいえんどxトロピカリズモ」なんていうキャッチフレーズで
打ち出されていたような気がしますが、
今日のライブを見た感想はピンク・フロイド!

土屋さん自身がMCで2ndのコンセプトを「パンク」と言っていたけど、
音は全くそんなことはなかったんだけど(笑)、
初期衝動としての音の持って行き方は分からないでもなかったです。

そして土屋さんはかなりのメロディーメイカー。

ベースがかなり70's辺りのバンドを意識してそうなフレーズに個人的には反応してしまいました。

そしてギターの方の足元。
とんでもない数のエフェクターがあって空間系の不思議な音を作り出してました。

ベースとギターでピンクフロイド。間違いなし。

そこにレイジアゲンストザマシーンのような縦ノリ感もあったりと中々面白かったです。

ただインストアの限界というのもあるし、
バンド自身セカンドを出したのにもかかわらず、
このインストアが今年最初で最後のライブ(笑)
ということで場数慣れしていない感じがありました。

今度は是非しっかりしたLIVEハウスで、ばっちりな状態で見てみたいと思いました。

客入りは満員!


アンコールは土屋さんボーダーを脱いでました。


そのアンコールは「夜になるまでまって」。
(この画像は2011年1月のもの。ドラマーの方がいません。ベースの方も本日とは違うような)



この曲本当イイネ!

ツチヤニボンドに興味を持った方はコチラをチェック!

・ツチヤニボンド公式サイト

・newアルバム「2」をdiskunionで買うと特典がつくみたいです。


■amazonから「2」のインフォを転載

衝撃のデビューアルバム「ツチヤニボンド」(ジャケは楳図かずお)から4年!
待望セカンドアルバムをひっさげて怪物ツチヤニボンドが帰ってきた!!!

Lenny KravitzとMilton Nascimentoに憧れた青年が30歳を前に、突如Ramonesに衝撃を受け、そのインスピレーションを自らの中枢にダイレクト注入した。その豊饒な音楽性をして【はっぴいえんど meets MPB】等と称された傑作1stから4年、パンクもクラウトも飲み込んでしまった怪物ツチヤニボンドが更なる進化を遂げた。

まさにジャンルレスでボーダレス!現代に鳴らすべきロックを問う問題作がここに誕生!ジャケット画は畦地梅太郎(1902-1999)。
アーティストについて
『土屋貴雅による音楽プロジェクト』

2004年
Cook Friday、Penher のバンド活動停止後、土屋自身の想い描く音楽を 具現化するための音楽プロジェクト、ツチヤニボンドを構想。
2005年
活動に先駆けて「ツチヤニボンドvol.1」制作。
2006年
ライブ活動を通し、土方、亀坂を加えた3人でのベストな音楽的方向性を模索。
ツチヤニボンド七色楽団として活動、「ツチヤニボンド七色楽団」制作。
2007年
ツチヤニボンド名義で「ツチヤニボンド」をリリース。
2008年
ライブ活動を経て、2ndアルバムの制作に着手。
2009年
リリース予定のツチヤニボンド2ndアルバムをおおむね完成させたところで和歌山県高野山に移住。
2011年
2ndアルバム『2』を2011年11月11日にリリース。

参加メンバー
●ツチヤニボンド(1st)
亀坂英(guitar), 土方雅哉(drum)
●ツチヤニボンド2nd
亀坂英(guitar), 波照間将(drum), 渡部牧人(bass)

日野皓正クインテット / 白昼の襲撃(OST)

2011年12月03日 01時04分23秒 | 邦楽
2011年の11月にひっそりととんでもないアイテムがリリースされました。

それがこれ。

日野皓正クインテットによる映画『白昼の襲撃』のサントラCDです。

映画は1970年に東宝で公開。
監督は西村潔。

キャストに、黒沢年雄、高橋紀子、緑魔子ら。

と、ここまで書きましたが、この映画未だにソフト化されない幻の映画。
実は衛星で放送されたことがあるらしいんですが、全然知りませんでした。

この映画が注目される理由はひとえに音楽を日野皓正が担当しているからでしょう。

日野皓正のこの時期と言えばレイバンのサングラスをかけ、
「ジャズ」から飛躍し時代の寵児として活躍していた時期です。

1969年には名盤「HINOLOGY」を発売しています。


1. ライク・マイルス
2. エレクトリック・ズー
3. ハイノロジー
4. デュープ

ジャケがもう悶絶ものに格好いいですが、LPだとダブルジャケットの見開き部分に掲載されている写真もものすごく格好良いです。綴じ込みのピンナップが残っているものは少ないですが、このカラーピンナップも凄く格好良い。「これは人気出るわ」と思わず納得してしまうイケメンぶり。

この頃はジャズとロックの他流試合も盛んで、4曲目の「デュープ」はあのフラワー・トラベリン・バンドとのコラボシングルのB面に収められていた「ドゥープ」の、日野皓正オリジナルバージョンを収録。

シングルのジャケ


YOUTUBE


(おそらくFTBからは石間のシタールとジョーがボーカルで参加。日野側からはドラム/ベース/管楽器が参加したものと思われます。)


このようにノリにノッている時期のものが悪いわけがなく、
この映画『白昼の襲撃』からは7inchがカットされリリースされています。




このタイトなリズムにゴキゲンなリズムが、現在DJによってプレイされ、
和モノ/JAZZ FUNKのクラシックとしてスピンされ続けていたりします。


(そして、ようやく本題ですが)
その『白昼の襲撃』のサントラがリリースされたのです!
これを事件といわずなんといいましょう!

当時はサントラのLPはリリースされておらず、
それもあってこのリリースは衝撃です。

インフォ
1970年東宝映画(監督・西村潔、出演・黒沢年男、緑魔子、岸田森、ほか。音楽・日野皓正)のオリジナル・サウンドトラック・マスターテープ(6ミリ)の初商品化(LPの発売はなし)。この映画よりは日本コロムビア(タクト原盤)より69年発売されたイメージ・シングル「スネイクヒップ」が、折からのヒノテル・ブームの中、異例の大ヒットを記録(同曲は後年レアグルーヴ・ブームで、“和製ジャズ・ファンク/ジャズ・ロックの金字塔”など再評価)。60年代乗りに乗る日野皓正クインテット(日野元彦、村岡建、日野皓正、稲葉国光、鈴木宏昌)の記録、大発見となります。まさにこの時代、この時期、皆様ご期待イメージどおりのクールなエレピとトランペット、DOPE!

監督・西村潔は「野獣死すべし」(1959)では黛敏郎、「豹は走った」(1970)で佐藤允彦、「ヘアピンサーカス」(1972)で菊地雅章を起用するなどジャズを効果的に使うことで知られている。本作は、音楽と映像が見事な結合を見せた傑作です。

メンバー
日野 皓正 (trumpet)
村岡 建 (tenor)
鈴木 宏昌 (el-piano)
稲葉 国光 (bass)
日野 元彦 (drums)

曲目
01.タイトルバック(01:52)
02.オン・ザ・コーナー(スネイク・ヒップ)(06:38)
03.スーパーマーケット(02:52)
04.海(01:27)
05.ピストル(03:13)
06.電話(01:27)
07.タクシー(01:26)
08.足音(00:35)
09.ブルース(00:39)
10.仲間(03:07)
11.桟橋のトランペット(01:48)
12.深夜の街(01:50)
13.ジョニーの船(02:01)
14.ゲッタウェイ(12:18)

※1969年9月録音

注目すべきは二曲目「オン・ザ・コーナー(スネイク・ヒップ)」。いわゆる「スネイク・ヒップ」なんですが、時間に注目してください。なんと「6分38秒」です。そうシングルカットされたものは「3分30秒」ほどでしたが、約二倍の長さになっているではないですか!聞いてみるとこれがまた驚き!全くの別テイクです!コンパクトにまとまったシングルとは若干異なり、各人のソロがたっぷりと聞くことが出来ます。優劣はつけられませんね。全盛期の日野クインテットの別演奏が聞くことが出来るというだけで、もう十分に貴重です。

三曲目の「スーパーマーケット」と題された曲も、これはシングルのB面に収録されていた「白昼の襲撃のテーマ」と同じ曲。ただこちらもなんと別テイク!こんなの残されていたんですね。ただただ驚くばかり。こちらは2分52秒で唐突に終わりを迎えてしまいます。残念。

他はサントラということもありちょっとした小曲が並びますが、5曲目の「ピストル」はずっとドラムがハイハットを刻み続けていて、そこに同じフレーズをたんたんと弾くベースが入り、エレピが暴れる、さながらヒノテル版「イン・ア・サイレント・ウェイ」。これには思わずうなりました。

6曲目はR&B風。7曲目は6曲目はよりノリのいいアップテンポなR&B風。いずれも1分半と短いのが本当に残念。もっと聞きたくなります。

そして最後14曲目「ゲッタウェイ」。12分の演奏です。最初はちょっと静かなフリーぽい感じから入り、じょじょに熱を帯びて、ながーいヒノテルのトランペットソロが!日野元彦のタイトなドラミングに、コルゲンのうねるエレピ!これは相当格好良い!この映画を観た方が書くにはこの曲はクライマックスの銃撃戦(があるらしいです)の部分で使われているらしく、それも納得の白熱の演奏。

聞き終えると、その濃密具合におもわず「ふぅ~」とため息が出てしまいますが、それ位貴重でかつ素晴らしい大発掘アルバムです。サントラファン、和ジャズファン、ジャズ・ロック・ファン、ヒノテルファン、和モノ/レア・グルーヴファン、DJ諸氏、色んな方にアピールできる/是非聞いて欲しいアルバムです!

※どうせならシングル盤の「スネイクヒップ」と「白昼の襲撃のテーマ」も収録して欲しかったですが、この二曲は上記の「HINOLOGY」の紙ジャケのボーナストラックとして収録されています。

※映画の本編には日野皓正クインテットの演奏する姿も収められています!当時の動く映像は日本のロックでもジャズでも貴重なので、本当にソフト化して欲しい一本です!私はイベントで一回だけその動く部分だけを見た事がありそのあまりの格好良さに卒倒してしまいました。

※マスタリングは、ゆらゆら帝国で有名な中村宗一郎氏が手がけているようです。