サイケデリック・ペンタトニック!?

カリメロレコード(架空)の店主の何でもござれの日々の音楽コラム

寺内タケシとバニーズの7inch「悪魔のベビー」

2007年05月31日 03時36分25秒 | 邦楽
私は普段はCD派で、さらに紙ジャケで出ていれば紙ジャケが欲しくなる性質であり、CDで手に入るものをわざわざアナログ盤で買うことはそうそうないのですが、たまに「これはオリジナルのアナログ盤で欲しい!」と思う一枚があります。今日手に入れた7inchもそんな一枚。

寺内タケシとバニーズ「悪魔のベビー」(HIT-713)

1967年8月1日に発売された6枚目のシングル。

もちろんCD化もされており、2001年にはバニーズのシングルを集めたその名も「悪魔のベイビー」というタイトルのCDも発売されています。

その帯文句には『ファズの重戦車!「悪魔のベイビー」がロックでないなら何がロックだ。』と何ともアツい煽り文句が書かれています。

故黒沢進氏の手によるライナーをみるとジャケが2種類存在するらしく、後に出されたものは「悪魔のベイビー」となっているらしい。私のはどうやらオリジナルのようです。

曲は有名なファズ・ガレージ・ナンバー。イントロの地の底から聞こえてくるような豪快なファズの音がすごい。ソロもファズ全開。バタバタというドラムもやたらと重たく聞こえてきて格好良い!

B面は弟バンド、テリーズも取り上げていたナンバーで、思わず一緒に「ストップ!」と口ずさんでしまうこちらもファズ度の高いガレージナンバー。なんでしょうかこの気持ち良い程に格好良いギターソロは。「ダーダダー」という歌の箇所が歌詞カードでは「ダアダダ」と書かれており、何だか面白い。

で、何が私の心を惹きつけるかというと、歌もそうなのですが、やはりこのジャケットなんです!

アンプがづらりと並んだ所から、ちっちゃな子供がちょこっと顔をのぞかせる。しかもその顔に笑顔はなくどこか寂しげ・・・そして右側にはドラムがどかっと鎮座しており、上半分のどちらかというと曇り空の部分に手書きの「悪魔のベビー」「ストップ」の題字が。なんて格好良いんでしょうか!このジャケで内容が悪いわけがなく、強烈にロックを感じるそんなジャケット。非常にアーティスティックです。その一枚がようやく私の手の中に!嬉しいですね、こういう時は。

でもこのジャケットの子供たちも40年後の今何をしてるんでしょうかね(笑)どうでもいいことですが、ちょろっとだけ気になります。

SHIGEO ROLL OVERのレアCD『REFRESH』

2007年05月30日 02時19分04秒 | 邦楽
シナモンのCD入手に続き、日本を代表するジミヘントリビュートバンド「BAND OF SHIGEO ROLL OVER」のCDを入手することに成功!

BAND OF SHIGEO ROLL OVERを知らない方は、彼らのHPをご覧下さい!
http://www.ne.jp/asahi/real/sro/top

「SHIGEO ROLL OVER/REFRESH」SN-1942(1990年発表)

01.REFRESH
02.CALIFORNIA NIGHT
03.SEXY MAGIC
04.CAN YOU ICE
05.NICE MY FRIEND
06.MOONLIGHT LOVE SONG
07.こわれたままのDREAM
08.SIR ROGERS
09.DO-CHIMUNI
10.JAPANESE BLUES
11.GOOD TRIP

Shigeo Nakano・・・・・・・・・・・・GUITAR & VOCAL
Toshiyuki Honda・・・・・・・・・・・BASS GUITAR
Toshiya Kurasawa・・・・・・・・・DRUMS

HPで知ったのですが、このアルバムは廃盤のセカンドアルバムで、初のオリジナル曲だけのアルバムで、初のCDでのりリース(1stはLPでのリリース)という貴重なものらしい。

帯にはこうあります。
「伝説のギタリスト中野重夫が唸りを上げて創り出すヘビーサウンド!!
 ロール・オーバー待望の第2弾オリジナルアルバム、遂に登場!!」

さらに帯の反対側には、
          ・・・
「これはギターキッズ必聴版です。」
とかなり大きな文字で点までふってある力の入れよう。

確かにこのアルバム、ギター弾く人なら必聴です。
エレキ/アコギを使い分け、エフェクターもたくさん使ってます。
音色もジミヘンに近く、フレーズもまんまジミヘンのものからちょっとひねったものまで多彩です。

サウンドは全編日本語詞による意欲作で、ブルースありジミヘン風のありアコースティックサウンドのものありということで飽きない創りに。

やはりどうしても注目してしまうギターソロも含めてさすがに上手いです。
ただ日本語詞の曲というところで若干消化不良のイメージがあり、なんといったら良いか、チャーが日本語で歌ったときのような感覚あり。

でももしジミヘンが日本人で、日本語で作ったらこんな感じになるのかな?と思って聞いても面白いかも。

まだライブ見たことがないので、是非見てみたいです。

ディスコグラフィに載っているライブ盤欲しいっす。今まで中古CD屋で邦楽やインディーズのコーナーばっかり探していましたが、今回はジミヘンのコーナーにありました。まぁ、そうですよねぇ。今後も根気よく探すことにします!

ピンクフロイドの映像

2007年05月29日 00時45分19秒 | 洋楽
西新宿の「lighthouse」で対象商品2枚買うともらえるDVD-R。
これをもらいたいが為に2枚買ってしまいました。
まんまと良いお客さんになってしまいました。

さてお店のインフォは下記の通り。

「1972年6月29日、イギリスはブライトン・ドームで撮影されたマルチカメラによるプロショット映像がマスター・クオリティで登場。同内容のものは今まで存在していましたが、これほどのレベルのものは皆無だっただけに、昨年のクリムゾンのセントラル・パーク同様に、ファンに最大級の衝撃を与えることでしょう。ロジャーのカリスマティックなパフォーマンスぶりはあまりに凄まじく、ファンならずとも、その説得力ある画面に釘付けになってしまうことでしょう。70年代初頭のフロイドのライブと言うのものが、ここまで凄いものであったことをパーフェクトな画質・音質で擬似体験できる、今後70年ロックを語る上で欠かせない、まさに決定的な1枚です。

1. Careful With That Axe, Eugene
2. Set The Controls For The Heart Of The Sun

PRO-SHOT COLOUR NTSC Approx. 17min.」

2曲のみの、しかも17分しか収録されていませんが、
これはとんでもない映像です!

時期的には大作「エコーズ」を完成させ、次なる超大作「狂気」を制作する途中の段階、いわゆる未完成狂気の時期のノリにノッた頃のもの。この時期のオフィシャルのものといえば「ライブ・アット・ポンペイ」が有名ですが、リマスターされた最近のDVDのものと比べるとさすがに鮮明さに欠け分が悪いですが、ポンペイが観客のいないのと比べると「アツさ」で言えば、今回の映像の方に軍配があがるのではないでしょうか?

インフォにもある通り、画像は怖ろしくクリアーでそのままオフィシャルで発表してもなんら遜色のないレベル。まぁマルチカメラによるプロショットですからね。
クリムゾンのセントラルパークも私は観ましたが、確かに同じ位の衝撃です。ん~このクオリティで全長盤が発掘されないものでしょうか?されればそれこそロックの映像史上でも屈指のものとなると思われます!ファンは絶対観るべし!銅鑼を叩きまくるロジャーも拝めます!

クラムボンの新譜『Musical』

2007年05月28日 00時50分26秒 | 邦楽
クラムボンの5月23日に発売された新譜『Musical』がすごい。

前作からカバーアルバム、ライブ盤と2枚のアルバムは発売したものの、
純粋なアルバムとしてはなんと2年ぶり。

と書いたものの、実は「クラムボン」今まで全然聞いたことありませんでした。

初めて知ったのはいつだったか。

私の記憶にあるのは、彼女と一緒に行ったいつかのライジングサンでのステージ。
その時ベースのミトは早川義夫のバンドで一緒に演奏していて(早川義夫すごかった!)ほぉ~と思い、クラムボンのステージもその時に観てなんだか女の子のボーカルはすごく可愛い声をしているけどバックの演奏はやたらと面白いなぁと思ったもののそれどまりだった。

それから年月は経ち、再び私の前にクラムボンの名前があがったのが、前述のカバーアルバム『LOVER ALBUM』だった。このアルバムが本当に良くて、何度も聞きました。まずはなんといっても取り上げた内容がすごい。非常にマニアック。

『LOVER ALBUM』
01.PRAYER(original:矢野顕子)
02.That's the Spirit(original:Judee Sill)
03.As long as he lies perfectly still(original:The soft machine)
04.外出中(original:SUPER BUTTER DOG)
05.波よせて(original:Small Circle of Friends)
06.サマーヌード(original:真心ブラザーズ)
07.Across the Universe(original: The Beatles)
08.ナイトクルージング(original:フィッシュマンズ)
09.以心電信 - You’ve Got to Help Yourself - (original:YMO)
10.I Am Not A Know It All(original:BOW WOW WOW)
11.カルアミルク(original:岡村靖幸)
12.おだやかな暮らし(original:おおはた雄一)
13.I Shall Be Released(original:THE BAND)

どうですか、この選曲。フィッシュマンズ、おおはた雄一らはその繋がりから分かるけど、ジュディ・シルやソフツって。しかもこれだけ選曲がバラエティに富んでいながら、芯が通っていてしっかりとクラムボンのサウンドになっている。ファンの方は「それがクラムボンなのよ、ふふん」って思ってらっしゃると思うのだが、私は大いにびっくりした!こいつらスゴい!メジャーから何枚もリリースしているのに、なんてプログレッシブなんだ!と。まさしくプログレッシブ・ポップバンド。


そして今回のこの『Musical』。これもすごく良いです。すごくいい曲がいっぱい。オススメは①③⑤。まるで昔のレコードのように前半が盛り上がる曲が多く、後半がしっとりとした曲が多い感じ。このアルバムが発売される前にテレビで放送されたプロモーションビデオも最高だった⑤「Bass,Bass,Bass」。この曲ダンサブルでポップで頭に残っちゃいます。

01.Merry Go Round!
02.Carnival
03.Good Time Music
04.Sweet Swinging
05.Bass, Bass, Bass,
06.Epilogue
07.あいのひびき
08.17
09.Long song
10.tayu-tau
11.Dear Gould

こういうポップなバンドって今まであまり聞かずにきたので、評する言葉をあまり持たないのですが、とにかく格好良い!演奏だけ聴くと本当にプログレ。それをポップに変えてしまう郁子ちゃんの声も本当にすごい。あぁ「すごい」って言葉使い過ぎですね。

2002年のライブ映像。ROVOなどで活躍する勝井祐二を迎えてのソフトマシーンのカバーを是非見てみてください。
http://www.youtube.com/watch?v=q_r-uEgq4fw

曽我部恵一氏のミックスCD

2007年05月25日 11時01分40秒 | 邦楽
昨日は久々に彼女と下北で遊びました。

下北は中央線と同じくあのごった煮感覚が大好きな街。

私といえば「イエロー・ポップ」~「シティ・カントリー・シティ」~「オムライス」とレコード屋を散策。レコード屋って意外と同じものが置いてありそうだけど、それぞれで違った商品構成なので、どこ行っても楽しいです。最近ようやくステレオセットを購入したこともあり、アナログ盤の熱がいつにも増して高まっており、昨日もたくさん買ってしまいました。

昨日「シティ・カントリー・シティ」で買ったCDが上の写真のMIX CDで、曽我部恵一氏が2007年3月16日にセレクトした「sokabe's spring time mix 2007」。

これがまぁ春の気分にぴったりで、ベタな部分もありつつ意外な選曲もありで面白く聞きました。どうやら全部アナログから音源を集めているようで(チリ音が聞こえる)、そんなところにもこだわりが見えて嬉しくなりました。

1.fearless / pink floyd
2.空いろのくれよん / はっぴいえんど
3.happy end / tom ze
4.puutarhassa (in the garden) / pekka streng
5.バスケットシューズ / 古井戸
6.i just go back / parliament
7.just a friend / biz markie
8.close to me (closer mix) / cure
9.unfinished melody / augustus pablo
10.smile (edit) / theo parrish
11.girl / the beatles
12.時にまかせて / 金延幸子
13.しらけちまうぜ / 小坂忠
14.everyday people / sly & the family stone
15.good vibrations / the beach boys
16.secret side / michaela meise , sergej jensen
17.ravel's pavane pour une infante defunte / william orbit

お店にはジャケットの色が四種類あったので、
皆さんお気に入りの色を選んでみてはいかがでしょうか?

さて昨日はまず「カフェ・オーディネール」で簡単にお茶を頂きました。3階の窓際に座った私たちはそこから街角ウォッチング。自分たちのことを棚にあげておいて、若者たちのファッションをあれこれチェック(笑)流行廃りはありますが、どうも最近の大学生位のおしゃれは好きになれません。あの無意味なチョッキはなんなんでしょうか(笑)

まぁそれはおいといて、その後それぞれ私はレコード屋で彼女は別行動をとって合流した後は、アンティークショップや古着屋、ヴィレッジ・ヴァンガードなどを回って下北沢を満喫。夕飯を「茄子おやじ」でしめようとしたものの残念ながら昨日はお休み。そこで「スープカレー心」でスープカレーを頂きました。出店の屋台で食べたことはあるのですが、ちゃんとしたスープカレーを食べたのは初めて。これがすっごくおいしくてスープカレーに病み付きになりそうです。

また近々遊びに行きたいです。

そうそう曽我部恵一さんのMIX CDつながりで、先日同時発売された本とDVDもオススメです。本は『昨日・今日・明日』以来8年ぶりのエッセイ集。また若者のバイブルが一冊増えました。DVDは2007年1月21日の弾き語りのライブの模様を収めた必見のDVDです。

究極の完全コピーバンド!シナモンのサード・アルバム

2007年05月24日 12時17分50秒 | LED ZEPPELIN
大学生の頃、軽音の先輩にシナモンのアルバムを持っている人がいて
聞かせてもらったことがる。

そのアルバムは全曲オリジナルなんだけど、
絶妙にツェッペリンから拝借したモチーフが織り込まれ、
思わずニンマリせずにはおれないアルバムだった。

その時からずっとシナモンのアルバムを探している(もちろん新品では入手不可能)のだが、フェダインのCDとともにシナモンも運良く見つけることが出来た!

ジャケはツェッペリンのセカンドアルバムのパクリながら、
このアルバムはシナモンの3枚目のアルバム。

帯の文句にはこうある。
「究極の完全コピーバンド!
『天国への階段』『ロックン・ロール』『胸いっぱいの愛を』『貴方を愛しつづけて』・・・・・・等々、バラードからハードなナンバーまでツェッペリンの名曲を58曲余り、息をもつかせぬメドレーで再現した一大組曲!ZEPファン必携!!」

内容はもう帯文句を読んでいただければ書くことはないのですが、本当に絶妙なつなぎ方のメドレーでこのアルバムを聞きながら思わずニンマリ。

ギターは本当にジミーそっくり。ボーカルは声が出ない73年くらいの声にそっくり。やはりドラムが弱いのはいたし方なしか。それでもちょっとくらいのファンは本物と間違ってしまうのではないだろうか。

ジミーペイジ御大でもZEPの曲をこんな風に繋げることは出来ないだろうな。それだけにこのアルバムは本当に一大組曲で、一曲の壮大なプログレッシブ曲である。本当に!

シナモンのアルバムは数枚出てるらしいので、これからも地道に探してまいります。

フェダインと南正人

2007年05月23日 00時54分12秒 | 邦楽
ずっと探していた一枚に出会うとなんだかとても幸せな気分になりますが、
今日はそんな幸せな日です。

今日買ったCD
『フェダイン/ジョイント』NC-2063(ナツメグ)

フェダインと言えば、今やエイベックスからCDを出すまでになった大御所お祭りバンド渋さ知らズのリーダー不破大輔氏がベースを弾き、サックスの川下直広氏とドラムの大沼志郎氏の三人によるフリージャズトリオ。

最近長らく廃盤状態だった1st~3rdアルバムが地底レコードから再発売されたので、聞いた方も居られるかと思いますが、この93年のアルバムは現在でも廃盤状態。存在を知ってから数年来ずっと探していたのですが、何故ここまで強烈に欲していたかと言うと、あの永遠のヒッピー南正人が全面的に参加しているアルバムだからなんです!

このアルバムはフェダインの三人に加え、南正人がボーカル&ギターで参加、さらにシナプスなどで知られるギタリストである加藤祟之が参加。曲も全6曲とも南正人の曲で、通常のフェダインとは随分異なる歌ものアルバム。

この妙な組み合わせがなんともこのアルバムを浮き立たせているのだが、特に南正人ファンからは見落とされがちなアルバムだと思うので強くオススメしたい!南正人氏のディスコグラフィーからも漏れているのだが、93年といえば、70年代の終わりにアルバムに発表したものの80年代はライブ活動と服役を繰り返しようやく89年いインディーズで「スタート・アゲイン」を発表。その後のオリジナルアルバムは95年になってからということで、その間を埋めるという意味でも、フリージャズトリオとの共演ということでも非常に重要な意味合いがあると思う。しかも全曲南正人作詞作曲なのである。

曲はブルース進行のものあり、フォーク調のもロック調のもありでたっぷりと南正人節で歌っているんですが、演奏がただでは収まらない。丁々発止のやりとりを是非堪能してください。演奏だけでも当たり前ですが相当格好良いです。オススメ!

1.バーニング・ファイアー
2.…
3.朝の雨
4.オン・マイ・ウエイ
5.ボワット・オン・アース
6.バーニング・ファイアー


石川晶/ドラム八木節ドラム

2007年05月22日 02時06分55秒 | 邦楽
ここ最近「和ジャズ」ブームが到来しているらしい。

ジャズ批評で2号にわたり特集されたり、クラブ系雑誌の「remix」でも特集されてました。

さらに各社からのCD復刻も定番なものからこんなマニアックなものまで?と思うようなものまでされていたりします。

おそらく石川晶もマニアックな方に入るかも知れません。

もともとは日本の名ビッグバンドである「ニューハード」に加入して以来スケールの大きなドラムでメキメキと頭角をあらわし、60年代後半にはゲンチャーズ(石川氏自身が原始人の風貌に似ている為に名付けられたという)やカウント・バッファローズ、フリーダム・ユニティといったグループ(メンバーは流動的だが大体は一緒)で活躍。これらのグループではR&Bやジャズ・ロック、イージーリスニングなどのいわゆるインストレコードを何枚とも知れない数を制作。さらに60年代後半から70年代にかけてはスタジオミュージシャンとして、それこそ数え切れないくらいのレコーディングに参加。

その中でも1975年の「石川晶とカウント・バッファローズ」名義の「GET UP」がファンキーなクロスオーバーアルバムとして特に人気で、猪俣猛と並んで日本屈指のファンキードラマー/レア・グルーヴ・マスターとして、彼が参加しているレコードは未だに高値で取引されていたりします。

私もミドルクラスのもの中心ですが(単に高いのが買えないだけ)、コツコツ「石川晶もの」を集めてるファンの一人でありまして、まさか「GET UP」はまだしもそんなCD化されるようなメジャーなアーティストではないと思っておりましたが、ここ最近「エレクトラム」「バキシンバ」「ドラム○○ドラム」シリーズ、ソロ名義のものまで何タイトルも奇跡の初CD化が続いております!これはすごい!

一つにはジャズとしての観点ではなく、今改めて見直されている「レア・グルーヴという観点の切り口」での復刻があればこそだと思いますが、素直に石川晶のアルバムがこれだけ多くCD化されるのは嬉しいばかり。再評価に繋がればと思います。

さて今回の「ドラム八木節ドラム」ですが、1971年にクラウンから発売されたレコード。硬派な内容の「エレクトラム」やアフリカ志向を取り入れたオリジナルが並ぶ「バキシンバ」と違い、タイトルの通り民謡をドラムメインで演奏するインストレコードという企画ものなのですが、蓋を開けてみて(聞いてみて)びっくり!これが単なる企画ものではなく、れっきとしたジャズ・ロックアルバムではありませんか!

演奏は「石川晶と彼のグループ」とだけあり、メンバーの詳細は分かりませんが、聞いて判断するに、ギターの音色や手ぐせフレーズから水谷公生氏(直居隆雄氏も参加しているという噂あり)、ベースのグルーヴィンさから寺川正興氏で間違いないかなぁと思います。それにキーボードプレイヤーがいます。編曲は春見俊介氏。

普段ですと管楽器が入っていたりするのですが、このアルバムでは最小限の面子で民謡を演奏。それも単なる民謡ではなく、当時のエレクトリック・ジャズやジャズ・ロックのフィルターを通した上での民謡で、もはや原型を留めていないくらい(笑)のごりごりのニューロックアルバムといっても過言ではないでしょう!

同じ時代の水谷公生の「パス・スルー・ザ・ヘイズ」や1970年代の日本のニューロック好きであれば、絶対に腰を抜かして気に入るであろうアルバムだと断言します。

これを企画もののキワモノ扱いでは断じて終わらせたくありません!なので、このブログを見て、もし少しでも興味をもった方は是非聞いてみて下さい!

【石川晶/ドラム八木節ドラム】(DICR-2015)*紙ジャケ仕様
1.おてもやん
2.真室川音頭
3.斎太郎節
4.秋田音頭
5.木曾節
6.鹿児島小原節
7.佐渡おけさ
8.花笠音頭
9.阿波踊り
10.会津磐梯山
11.八木節
12.ソーラン節
13.安来節
14.三池炭坑節

通常のCDショップだどおそらくポップスのコーナーよりも邦人ジャズ・コーナーにおいてあると思います。

おそらくアルバムの性格的にすぐに一度プレスしてそのまま在庫がきれたら廃盤みたいな感じだと思うので、もし気になる方はお早めに!

今後石川晶や猪俣猛、佐藤允彦、横田年和、杉本喜代志、シンガーズ・スリーなどここ最近リリースされたものをちょくちょくレビューしたいと思いますので、ご期待ください!

BLIND FAITHのDVDが見たい。

2007年05月21日 00時37分06秒 | 洋楽
クリーム解散後のエリック・クラプトンとジンジャーベイカーが、
トラフィックのスティーブ・ウィンウッドと、ベースプレイヤーのリック・グレッチの四人で結成したのがブラインド・フェイス。
(当初はスティーブのオルガン・ベースのトリオ編成)

「盲目の信頼」と名付けられたバンドは、当代きってのサイケデリックの2大バンドのメンバー同士ということもありスーパーバンドと期待されたが、結局「スーパー・ジャイアンツ」というアルバムを一枚だけ残し敢えなく解散となってしまった。

GIRLB.jpg

おそらくクリームとトラフィックを足してさらにとてつもない何かを期待していた周りからのプレッシャーが大きかったのか、オリジナルが少なかったからなのか、残されたライブ音源を聞くと、クラプトン自身が嫌がっていたクリームのナンバーやトラフィックのナンバー、ストーンズの「アンダー・マイ・サム」、ブルースナンバー「スリーピング・インザ・グランド」などが演奏されている。

クラプトン自身「アルバムを出す前のリハーサルの時が一番素晴らしかった」という発言や「ジャズのリズム(「DO WHAT YOU LIKE」)で弾くのは嫌だった」など否定的な意見を述べており、ザ・バンドやアメリカ・ツアーで前座に起用したデラニー・アンド・ボニーを気に入りスワンプへの道へといたる脇道のような扱い方だ。

しかしブラインド・フェイスはそんなに悪いバンドなのだろうか?いやいやそんなことは断じてない。実際私はこのバンドが大好きである。

オフィシャルではオリジナル・アルバムが一枚。そしてそのオリジナルアルバムのデラックス・エディションとして前述したリハーサルのジャムを収めた2枚組みのもの。後はエリック・クラプトンやスティーブ・ウィンウッドのボックスセットにちょろっとアルバム未収録の音源など(例えば「CAN'T FIND MY WAY HOME」のエレトリック・バージョンなど)が公式に出てるくらいで決してスーパーバンドの割には残されている音源は少ない。

クリームとトラフィックが頭の隅にあると、確かに拍子抜けしてしまうし、クリームであんだけ弾きまくっていたクラプトンのギターもクリームから比べると怖ろしく控えめである。

しかしそこからはジャジーでアーシーな実に格好良い、あの時の四人でしか生まれなかった音楽がそこには確かにある。ブラインド・フェイスがなければ後期トラフィックもなかっただろう。それにクラプトン・ファンにはクリーム時代のバッヂに続く自身による曲「プレゼンス・オブ・ザ・ロード」も収録されており、ソロの時もコンサートで演奏されていた曲で要チェック。

メインはスティーブのオルガンとヴォーカル。これは間違いない。そこにクリームほどの激しさではないものの手数の多いドラム(クラプトンにクリームと同じように叩くなと言われていたそう)と派手ではないが的確なリック・グレッチのベースのリズム隊。これだけでかなりグルーヴィー。オルガン・ロック・ファンも納得の出来。そしてそこに絡むクラプトンのギター。クリームのようなアンプ・フルテンではなく、程よく歪んだギターで彼らしいオブリガードをまじえつつのバッキングに、長尺ではなく的を得たギターソロ。

ん~、今ブラインド・フェイスのブート音源を聞きながら書いてますが、やはり相当格好良いです。クリームとトラフィックが頭にある為に、どうしても正当に評価出来ないロックの歴史も分かりますが、そろそろ彼らに正当な評価を与えてはいかがでしょうか?

と長くブラインド・フェイス論を展開してきたところで、ようやくDVDの話まで来ました(笑)

ファンの間では有名な1969年のブラインド・フェイスのお披露目コンサートであるイギリスは
ハイドパークでの無料コンサート。この時の模様は写真が多く公開されており、またかつてLDで数曲だけ映像化されたこともあることで有名。私も彼らの動く姿が見たい!と切に願って、LDをDVDに落としたブートを買ったこともありました。

そこに収められた姿は実に格好よかった!実際はあの当時のカメアラワークに有り勝ちなまともにカメラが追えてなかったりというものでしたが(クラプトンのソロの時に本人が映らない・・・)、写真でみたようにクラプトンはテレキャスターのボディに、ストラトのネックを取り付けた特殊なギターを弾いており、また並び順は誰がリーダーでもないということを強調する為に、四人が一直線に並ぶ(左からリック→ジンジャー→エリック→スティーブ)というこちらも特殊な並び順で、何より動くブラインド・フェイスにたまらなく感動したのを今でも覚えています。

そしてようやくですが、その全貌が奇跡的にDVD化されるに至ったわけですが、
なんと日本版が出ていないのです(怒・怒・怒)!!!現在輸入盤のみが手に入る状況ですが、PAL方式で国内プレイヤーでは視聴不可・・・

なぜユニバーサルはこんなに貴重な映像を日本国内で発売しないのでしょうか?

大きな話題で売れること間違いなし、そしてブラインド・フィエスの再評価につながると思うのですが、皆さんはどうお思いでしょうか?何度も同じ紙ジャケをアンコールプレスするよりも、こういった重要なアイテムの発売をまずはしっかりとして頂きたい。

というわけでPAL方式対応でもなくパソコンでもなく、国内盤の発売まで首を長くして待っているわけですが、待てない方にはYOU-TUBEはいかがでしょうか?全く便利な世の中ですね。

http://www.youtube.com/watch?v=DWyO1GaXF6c

http://www.youtube.com/watch?v=9KgjjNmHBdE&mode=related&search=

ほんの一部ですが検索すればまだまだ見ることが出来ますので、是非見てみてください!「BLIND FAITH」「HYDE PARK」と打ち込めば出てくるはずです。そしてユニバーサルにみんなで国内盤の発売を促しましょう!

BLIND FAITH LIVE IN HYDE PARK 1969

01. Well All Right
02. Sea Of Joy
03. Sleeping In The Ground
04. Under My Thumb
05. Can't Find My Way Home
06. Do What You Like
07. Presence Of The Lord
08. Means To An End
09. Had To Cry Today

以前ブートレグでこの日のサウンドボードが日の目を見ましたが、おそらくこのDVDが元になったのでしょうね。若干エディットが加えられているバージョンです。オーディエンステープもこの日は発掘されています。

※しつこいですが、是非国内DVDの発売をお願いします!私は待ちますよ!

クラプトンが抜けて残りの三人にさらにメンバーを加えて出来上がったのが、「ジンジャー・ベイカーズ・エア・フォース」。このバンドは実はめちゃくちゃジャズ・ロックしていて格好良いのですが、このバンドについてはまた今度。では。

テクノ歌謡について

2007年05月19日 01時00分36秒 | 邦楽
早速ブログ更新!どんどん行きますよ!

さて今日遅ればせながらコイデヒロカズ著「テクノ歌謡マニアクス」を新宿のジュンク堂で買いました。

この本ブルースインターアクションから2000年に発売されていたもので、
ちょっと気になっていたんですが、廃刊かと思いなかばあきらめていましたが、思わず見かけてしまったので買ってしまいました。

昔から知る人は「私がテクノ???」と思われても仕方がない位、
テクノとは縁遠いところにいました。

今もテクノのアーティストは全く聞かない/知らない状態ですが、
やはりテクノ歌謡の「歌謡」の部分に反応してしまいます。

歌謡曲は昔から言われていますが、J-POPにはない職業作家たちによるその都度その都度の流行を、「歌謡」というフィルターを通して消化/昇華し、日本人なら思わずぐっときてしまう曲にしてしまうという、日本にしかないジャンルで、それこそ「グルーヴ歌謡」「ボサ歌謡」「ディスコ歌謡」などの派生ジャンルも生まれるほど。中には振り幅がとんでもないものがあったりするのがまたマニア心をくすぐり憎いです。

そんな中で「テクノ歌謡マニアクス」ですが、200ものディスク紹介に加え、
細野晴臣や松本隆のインタビューもあるのでこれは必見ですね。

'80sはどうもあのシンセが効いたドラムの音や、ちゃらちゃらした衣装や音が気に入らなくて敬遠していたのですが、これを気に一気に開拓してみようかと思います!詳しい方、アドバイスよろしくお願いします!

でも当時の日本の曲って、基礎がしっかりしているし、それこそ演奏しているミュージシャンも70年代からやっているロックやジャズの手練れのミュージシャンが参加しているので悪いはずがないんですよね。遅まきながらようやくそこに気づき、ニューミュージックなんかも最近色々と集めてます。安いし、フロアライクのものも多いしね!なにより普通に曲が良い!

久々の更新!

2007年05月18日 12時10分56秒 | その他
3月以来の更新です。

4月は引越しがありばたばたしてました。

西郊ロッヂングをあとにした私ですが、
また同じ荻窪の中で引越ししました。
住めば都、何かと便利なんですよね。

そして実家を出て2年近く経とうとしている今、
ようやくインターネットが出来る環境になりました!

実家を出て以来、仕事の休憩中だったり、漫画喫茶だったりで
インターネットをしていたのですが、
これでやっと現代人に近づけた気がします(笑)

というわけで誰も読んでいないこのブログも久しく活性化する見込み!

お楽しみに~!