サイケデリック・ペンタトニック!?

カリメロレコード(架空)の店主の何でもござれの日々の音楽コラム

串田アキラ/爆発するソウル

2005年04月28日 03時13分00秒 | 邦楽
つい先日ぼ~と深夜番組を見ていました。
その内容は来たる国民陪審員制度の為に、ある事例についてどっちがいいか
判決を下すというもので、ある事例というのがどうでもいい事例なんですが、
そんな感じのバラエティ番組をなんとな~く見ていました。

しかしその歌が聞こえてきた瞬間、
「コ!コレは!」という具合に我にかえってしまいました!
その対決は富士サファリパークのテーマ曲とヨドバシカメラのテーマ曲の
どちらが一番有名かというような、全くどっちでもいい対決だったんですが(笑)
なんと本人が出演されているではないですか!
しかも本人の歌唱付き!
初めてお姿を拝見しましたが、
今なおパワフルでソウルフルな歌声は全くもって素晴らしい!

となんで富士サファリパークでそんなに興奮しているのかというと、
いやいや決して近すぎちゃってどうしようってなことに
びっくりしている訳ではございません。
なんてったって「串田アキラ」ですよ。

この方1969年にデビューした知る人ぞ知る大物(?)ソウルシンガーなんです。
ソフトロックとしての再評価も高いNHKの番組「ステージ101」に
レギュラー出演していたこともあって知っている人もいらっしゃるかも知れません
(勿論私は見たことないですが・・・)。
しかしそれよりも現在はソウル歌謡としてのカルトな評価の高い方なんです。
1994年に「幻の名盤解放歌集」シリーズの一枚として発売されていたのですが、
すぐに廃盤になっていたようで私も耳にすることが出来ませんでした。
(オリジナルのアナログは高くて手が出ません、というか見たことないです)
それが今年に入り不死鳥の様によみがえるがごとく(笑)、
再び「幻の名盤解放歌集BOX」が発売!思い切って買ってしまいました!
そして聞きました!串田アキラ!恰好良いです!
思いっきりアクが強いですが、それが病みつきになるような、
噛めば噛むほど美味しいスルメの様な歌声(笑)
(上の写真は70年発売の1stアルバム)

R&Bバンドで地道な活動をしていて1969年デビューに至ったとらしいですが、
まずこの1969年にR&Bシンガーとしてデビューしたというのが凄い。
当時はGSかフォークかジャックスやパワーハウスのような
GSとも違うグループか或いは演歌歌手といったように
男性歌手の場合ある程度ジャンルが区切られていた時代にである。
R&Bを志向する歌手はいたものの、あの尾崎紀世彦だって
元々はGSのワンダースだったし、桑名正博だってファニカンだった。
それをはなからソロでR&Bシンガーとしてというのは、
なかなか異例だったのでは?と思うし、それだけの実力者だったことが
うかがえるというもの。う~ん、凄い!
しかし!当時は本人のアクが強すぎたのか、はたまた曲が悪かったのか、

(ちなみに一枚目のシングルは「からっぽの世界/サムじいさん」、
 二枚目は「あやまち/しあわせの限界」
 三枚目は「めざめ/はてしなき旅」
 四枚目は「生きる限界/純愛の唄」・・・という具合。
 タイトルからして空虚感や暗い感じが・・・時代もあるとは思いますが、重い。)

あまりヒットせずに80年以降はアニメ歌手としての活路を見出し今に至るというわけですが、その歌はあくまでソウルフルだし、ジャケットもイカしている。「からっぽの世界」だってムスタングサリーみたいな感じでいいし、他の曲もブラスなどが入っていて今の若い人に受けるのも分かる。グルーヴィーなんである。しかし何で今になってカルトな人気があるのかなぁと考えてみると、やっぱりどこか暗い感じがするからなんじゃないのかなぁと思う。ヒット街道を歩いていないその影みたいなものに、ちょっと共感してしまうのかも知れない。いや単にマニアックなだけかな(笑)

ちなみに本人の公式HPのディスコグラフィーに、
「これはチガ~ウ!」というコーナーがあり、そこにはこんなことが(笑)
>●「伯方の塩」は歌っていません!
>● 「ダイナミック、ダイクマ~」も歌っていません!
>● ついでに、「ボルテイジ」にはいないぞ!!

是非一度公式HP覗いて見てください!
そして機会があれば、ソウル歌謡時代のものも聞いてみて下さい!

これだけ書いてきたけど、CMで流れてくる歌声は、
松●し●るか、はたまた串田氏のものか区別がつかないときがあります(笑)

串田アキラ氏の公式HP