飄(つむじ風)

純粋な理知をブログに注ぐ。

過払い請求のすすめ①

2010-10-16 17:57:30 | 社会・経済

武富士が倒産した!!
実は倒産に目論んだ、過払い請求忌避だ!!
会社更生法が通ると大幅に被請求額が免除される
個人破産に追い込んだ高利貸しの
勝手な逃げ得を許さないために・・・・・・・・!


 お裾分けしたい!! 今の内、請求していないと、還ってくる目処がなくなるだろう。対象金融会社が倒産したら、まず、お仕舞いだ。

 

 拙ブログを読むような高尚(?)な読者には、そう言う必要はないだろうが、多重債務者は世間にゴロゴロ居る。勿論、そういう事態になった原因は、様々であろうから一律に非難されるいわれはないと考える者である。射倖に走り、多重債務者になったケースは、知る限り、実際希である。

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 殆どは、資金繰りとか、生活苦から始まっているケースが多い。その最たる原因は、余りにも高い金利による事は言うまでもない。一頃までは、いわゆるサラリーマン金融は、なべて出資法上限の29.2%であった。今でこそ、利息制限法内金利に収まったが、それでも高いことに変わりはない。


 これが自殺率を高める要因の一つになっていることは否定出来ない。


 昨今の最高裁の判例により、殆どの消費者金融の『みなし弁済』は否定されることになったから、利息制限法による制限利息以上は、過払い請求出来るようになったことは喜ばしい。


 しかし、殆どの債務者はその事を知らないか、知っていても請求のやり方を知らない。そこで、何人か求めに応じて、手助けしてやったことがある。簡単な事だ。弁護士に相談しても、実際は払うことを前提に相談に応じている場合が多いようだ。


 過払い請求専門と言うか、特化した法律事務所も多くなったが、大都会に限られている。大体に於いて、弁護士も商売だから、債権者側に立った弁護士が圧倒的に多い。その方が依頼者(クライアント)として、実入りが良いからに他ならない。


 医は仁術と言うより、算術と同じで、弁護士も貧乏人よりも金持ち優遇は変わらない。


 そこで、弁護士に頼らない過払い請求の自己請求のノウハウを提供することとした。


 何故、そうするか? このままでは高利貸しの過払い請求逃れが加速して、勝手にどんどん倒産宣言をしてしまうからだ。武富士ではその魂胆がありありである。


 まず、大切なことは、出来るかどうかよりも、過払い請求を決断することが大切だ。そうすれば、数年以上、消費者金融と付き合いのある人ならば、過払い額が派生している可能性がある。仮に、過払いとなっていなくても現在の支払額の大幅カットは出来る。


 泣き寝入り、あるいは、不作為のたぬき寝入りはしないことだ。10年以上、あるいはそれ以上の付き合いをしている場合は、必ず、過払いが発生している。過払い請求をすると確実に、債務は全額なしになるケースが多い。過払い金は相手にも依るが、請求すれば殆どが回収出来る。最後は裁判所に提起する覚悟があればと言う条件は付く。


 裁判所提起も、自分でやる。大した金額は要らない。


 法律は弁護士のためにあるのではない。国民の為にある。だれでも簡単に訴訟を提起出来る。わずかな印紙代だけで済む。若干の郵便切手が必要なだけだ。問題は過払いの請求書面の書き方と、段取り、過払い金額の計算の仕方が、慣れないと厄介なだけだ。


 それもマニュアルが示されれば、誰にでも出来る。最後に訴訟の提起であるが、難しく感じるのは訴状の書き方ぐらいであろう。それもそんなに難しい話ではない。順序よくやるだけのことだ。それもマニュアル通りにやればよい。


 そのマニュアルであるが、纏まったものが必ずしもない。殆どの知識は法律事務所や司法書士事務所でブログ公開しているが、いずれも顧客獲得の導入であって、自分でやろうとすると工夫が要る。


 マニュアルは制作中だ。『超簡単! 誰でも自分で出来る、過払い請求マニュアル』とでも名付けようかと思っている。殆ど出来ているが、見直しをきっちりしている。近いうちにご案内したい。簡単にダウンロード入手出来るようにしたい。


 先ずは、マニュアルを紹介する前に、実際事例をこのシリーズに書いてゆく。ゆっくりと検討頂きたい。しかし、賢明な方なら、マニュアルを必要とせずとも、【実際事例】をよく理解すれば、自分で簡単に出来る話である。


【実際事例】

 実名は伏して、仮にK君としよう。知人を通じて、相談を受けた。


 友人(女性)にカードを貸した。もう7、8年も遡る。突然、最近になってある消費者金融(C社)から請求を受けた。38万円支払えと言うものであった。


 そこで調べてみると、件の女性はK君の幼友達で、カードは借りたものの、真面目に借りては支払い、借りては支払い、ごく最近まで滞りなく来たのだが、ついに破綻したらしい。そこでカードの持ち主に一括請求と云うことに相成ったらしい。


 相談を受けて、当然の事ながら、カードを他人に貸すなどと云うことは、以ての外、犯罪行為とまでは云わないが、詐欺の幇助になると叱責したのは云うまでもない。しかし、K君、若いし、真面目な性格であるから、自分で消費者金融を利用した経験はない。只、泣きつかれてそこいらですぐ出来るカードの生成を利用し、人助けしたつもりで居たようだ。


 別に恋人ではないが、男は女性に泣きつかれる弱い。何事もなかったので、つい忘れていたようだ。7年も8年も滞りなく、カードは繰り返し利用されていたわけである。利用していた女性も律儀と言えば律儀である。しかし、高利貸し金融の利用は最終的には破綻する。


 案の定、破綻した。云うに云えず、そのままにされたわけだ。当然、カード名義人に請求は来る。貸したカードとは言い訳にもならない。ヘタをすれば、刑事事件となる。そこで、誰にも相談出来ず、投稿者に相談と言うわけである。


 清濁併せのむ投稿者だから、そんな相談も見捨ててはおけない。とにかく、K君の全責任で解決すべき旨を納得させ、とにかく債務を処理する方策を立てた。まだ。事故処理にはなってない状況だから、全額支払うことを条件に対策を立てることにした。


 しかし、よくよく観ると、約定利息が29.2%とある。遅延損害金も29.2%だ。典型的なグレーゾーン上限いっぱいの高利消費者金融債務である。所謂、サラリーマン金融の借り入れカードを作って、件の女性に貸していたものだ。世間知らずも甚だしい。


 そうも云ってもおれない。


 約定書は? つまり、金銭消費貸借契約書のことである。本人はすっかり忘れている。カードの記憶しかないのだ。何時から? これも殆どあやふやだ。5年以上は前?! との応えしかない。


 まあ、叱ってばかりも埒が開かない。よし、分かった! しかし、云う通りせよ。と言い渡して、段取りを考えた。典型的な過払い請求の案件だ。勿論、本人請求だ。こちらは智恵だけを貸す。しかし、書面だけは手伝ってやるほかあるまい。コーヒー1杯の人助けだ。それよりも、いっぺん試してみたかった実験でもある。人助けと言うより、好奇心の方が強い。


 真剣に取り組んでみることにした。


 先ずは、開示請求をしてみよう。やるか? OK!


 文案を考えた。(個人情報は消し込んである。)

Kaiziseikyu


 勿論、配達証明付き内容証明郵便で送付した。電子内容証明を利用したことは言うまでもない。


 程なくして、取引履歴開示書面が送付されてきた。上場企業となるとそのあたりは、しっかりしている。これで、具体的な検討に入る。


 これが送られてきた取引履歴開示書面。(複数枚に渡るが、P1だけ)

0001

「0001.PNG」をダウンロード (大きな画像で見る)


 これで借り金、返済金の詳細が一目瞭然である。さてこれからが、本番だ。果たして過払い金は発生しているのか。返済請求額とどちらが多いか、これが問題である。


 利息計算は、年間利率を日数で割った日割りで計算するのが一般であるから、そんなに難しい話ではない。過払い計算を簡単に出来るとするソフトもあるようであるが、いろいろ調べてみたが、ちゃちすぎて返って面倒だ。そこで、表計算で作ることにした。エクセルですぐに出来た。それが、これ。

Kabaraikeisan1

Kabaraikeisan2

「kabaraikeisan.pdf」をダウンロード(画像を大きく見える)


 いわゆる、利息制限法に基づく、引き直し計算と言う奴だ。簡単に説明するとこうである。本件の利息は、先にも書いた通り年利29.2%である。遅延損害金は発生していない。


 ところが、利息制限法によると、借入金額に依って違うが、10万円までは20%、100万までは18%、100以上が15%と制限が設けられている。これ以上は違法で、過払いと言うことになる。


 その計算を簡単な計算式で、表計算上でしたまでである。簡単なことだ。必要な計数値を各表に記入し、関係を計算させ、後は借入金の日割り計算式を入れ、それぞれの数値を入れさえすれば、一瞬にして計算してくれる。


 案の定、過払い金が発生していた。これで、残元金請求は支払わなくて済む。抗弁する正当な理由が出来た。K君ほっとするだろう。


 過払い金はと言うと、約5ヶ月前から発生したという計算になる。発生過払い金には、法定利息をちゃんと付けておこう。5%の年利息だ。借入金利息から云うと可愛いものだが、これも法律に決まっているから仕方がない。


 すると、

 残元金請求額が38万円だったから、これは0円になった。これは確定した。払わずにも済む話だ。裁判で訴えられても、必ず勝てる。ところで、計算上の過払い金はいくらだ?


 何と、262,936円となった。これをK君に伝える。K君ほっとするのを通り過ぎて、びっくりした。魔法でも掛かったような顔をしている。払わずに済むと云うだけでも結構な話だが、何と予定しないお金が入って来るという。大きな違いだ。


 だが、言ってやった。『請求しなくちゃあ、入らない。どうする?』 勿論請求します。当然の応えだ。だが、決心をしなくてはならない。請求すると云うことは、最終的に裁判まですると云うことだ。分かっているかい? 分かるわけはないが、やります、と言う。いい度胸だ。


 裁判と言っても、簡易裁判所で定額訴訟で済む話だ。そう大層に考えることはない。弁護士も要らない。一日で済む。そう説明して、じゃあ、請求しようと云うことになった。


 請求すると云っても、裁判を前提に請求する覚悟が要る。そうでなければ、意味がない。最初からそのつもりで、内容証明郵便を使っている。経費は少々懸かるが、当然のことだ。


 当然、過払い請求も裁判を見越しても文案を考えて、内容証明郵便で通知することとした。つまり、証拠を固めていく作業を平行するのだ。そうしておけば、それをそのまま裁判所に証拠提出出来る。何事も要領である。コツである。


 さて、請求した。

0000


 この時は、利息引き直しの添付書面があるので、電子内容証明郵便は使わずに、郵便局から発送する書留配達記録郵便とした。只、箔(はく=値打ち)を付ける意味もあって、請求文書は確定日付を公証人役場でとった。これは単なる箔付けでもない。裁判上の証拠能力を高める意味合いもある。それに相手方に、裁判所に提起することを暗に印象づける意味合いも持つ。


 我ながら、知恵が働くと自画自賛したものである。こういう事はK君にはとんと理解が出来ていない風情だが、仕方がない。文書を書いて手渡し、云うことを素直に聞いてその通り実行したことは云うまでもない。


 配達証明が来て、程なく、K君から投稿者の携帯に音楽がなった。

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 請求先の金融会社から連絡があったとのことだ。会って詳しく話を聞いた。


 和解提案のようだ。電話の相手は、名前は忘れたが、どこかの法律事務所の弁護士らしい。提案内容は、請求額の8割で和解したいとのこと。投稿者は、即座に言った。『和解したまえ。』 K君で裁判となると、こっちの仕事が又増える。と言うわけでもないが、相場である。


 裁判では必ず勝てる案件だが、経費もかかる。と言うより、何事も省エネルギーに越したことはない。相手も相場を考えての英断だ。欲を書きすぎるのは、良くない。第一、その能力がK君にはない。万事、控えめがよろしい。


 そういうことになった。


 程なく、和解書が送られてきた。

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 署名押印の上、配達記録で返送した。勿論、指示に従い、K君がそうした。


 程なくして、請求文書に記載してあったK君の振込口座に和解の金額が、きっちり振り込まれたことは云うまでもない。めでたし、めでたし。

【実際事例終わり】


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