福島原発事故から5年・・・
チェルノブイリ爆発事故から30年・・・
早いものだ。
チェルノブイリがどのように変貌したのか?
その変貌の真実は何処に・・・?!
30年というと、セシウム137の半減期である。
丁度、半減したという時期である。
やっと半分か~!
さらに半分になるのに、さらに30年掛かる訳である。
放射能の問題は、
人間の時間軸ではとてつもなく長い期間であって、
到底、総括できる時点ではないが、
相反(?)する記事を眺めて、
興味は尽きない。
30 Years After Chernobyl, Nature Is Thriving
Chernobyl Fox Makes a Six-Layer Sandwich
まずは、
放射能の個別に与える影響力である。
これは人間も動物も自然界のいかなる個別にも差異はない。
当然であろう。
脳の縮小、腫瘍の拡大、生育能力の低下、異常発達・・・
その影響力は、忌まわしく恐るべきものである。
人間の場合、
それらは運命を揺るがす大事件だ・・・。
それ故、
何よりも放射能の後遺障害を怖れるのは、
理解できる。
これは、フクシマ原発事故でも同じ事だ。
これは、
福島に止まらず、
関東以北に何らかの影響が広がって居る。
【転載開始】
米サウスカロライナ大学の生物学者らがチェルノブイリ原発と福島第1原発の立入禁止区域における野生動物1頭あたりへの照射の影響を発表した。調査の結果は4月26日付けの「サイエンス・オブ・トータル・エンバイロメント」誌に発表されている。
核実験に際して、医師らによって放射能を浴びた人間に白内障がおきやすい事実が指摘されていたが、今回、生物学者らは同様の症候がほかの場所に比べ、立入禁止区域に生息する鳥類、げっ歯類により頻繁に重度の高い状態で現れている事実を確認した。
チェルノブイリ・ゾーンに生息する動物には脳の縮小、腫瘍の拡大、生育能力の低下、鳥類の異常発達などもよく見られている。
ところが、
自然を総体的に眺めてみると、
意外な側面が見受けられる。
動物の個体数は増えているというのだ。
だから、どうだというつもりはない。
人間の過てる公害に、逞しく、自然が甦るパラドックスが、
チェルノブイリに見受けられる。
夥しい放射性物質の拡散も自然のダイナミックな営みには、
大勢を覆す結果には至らない。
寧ろ、
人間が居なくなった分、
より旺盛な自然界復帰を為している・・・。
見方に依れば、
人間さえ居なければ、
そもそも放射能災厄もなく、
絶滅危惧種もこれ程多く登録される必要もなく、
動植物は栄えていたという証左である。
ある意味、
人間こそ自然に対して挑戦的であり、
挑発的であるという事である。
それは、
人間の煩悩・エゴに起因する。
自分たちだけの利便・強欲に走ると、
しっぺ返しを受けることになる。
爆発炉を石棺で永久閉鎖したが、
僅か30年で新築を余儀なくされた。
何度、
これが繰り返されることだろう・・・。
しかし、
自然は事も無げに輪廻を繰り返して、
やがて、
元以上の繁茂を成し遂げるだろう。
これまでも、
それを繰り返してきた。
本当かどうかは確認しようがないが、
人類はこれまで数多くの文明を原子核戦争で破壊し、
その為に人類滅亡の危機を経験してきた・・・?!
そして、
又、その危機を迎えている。
どう、その危機を乗り越えるか?
同じ事を又、繰り返すのか?
それが大問題である。
それでも地球は再生する・・・!
だが、人間は絶滅の危機に瀕する。
それだけの話だろうなぁ~。
【転載開始】
あの忌まわしい事故からちょうど30年。チェルノブイリは今、野生動物が支配する世界へと変貌していた
1986年4月26日、ソビエト連邦(現:ウクライナ)のチェルノブイリ原子力発電所4号炉で深刻な原子力事故が発生した。今年の4月26日でちょうど30年となる。
史上最悪と言われた原発事故から30年、チェルノブイリは今や多種多様な動物たちの避難場所となっている。放射線による影響は野生動物の生息数を脅やか すことはなかったようだ。専門家によれば、むしろ狩猟や生息地の減少を心配する必要のないこの地では、野生動物が繁栄しているのだという。
「昨年、春も終わる頃に訪れて、遠吠えを上げてみたら、あの丘の上から若い狼が遠吠えを返してきました」と満面の笑みを浮かべて彼女は語る。チェルノブイリの立入禁止地区では、人間がいないことから、タイリクオオカミなどの動物が個体数を増やしている。
大型哺乳類の個体数は増加
ジョージア大学の生物学者ジム・ビーズリー氏によれば、これまでウクライナとベラルーシにまたがる立入禁止区域内の動物の状態については、専門家でも見解が分かれていたという。
しかし先日発表されたばかりの研究において、ビーズリー氏はベラルーシ側の大型哺乳類の個体数は事故以来増加していると報告している。5週間の調査で目 撃された動物の数は衝撃的なものだったという。仕掛けカメラには、バイソン1頭、イノシシ21頭、アナグマ9頭、タイリクオオカミ26頭、タヌキ60頭、 アカギツネ10頭の姿が捉えられていた。
放射線はチェルノブイリの野生動物の生息数を脅かしてはいなかったようだ。
いたるところに生命の痕跡が
チェルノブイリの立入禁止区域では交通事故によって命を落とす動物はいない。代わりに鳥のさえずりを聞き、生きている動物の姿を見ることができる。
食べ物を求めてプリピャチ付近の線路沿いをうろつく若いキツネ image credit:GERD LUDWIG
ナショナルジオグラフィックのジョン・ウェンドル氏は4月上旬にこの地を訪れ、遭遇した動物の数をカウントした。警備所と廃墟となったチェルノブイリ原子力発電所の間にある人通りの激しい場所ですら、いたるところに野生動物の痕跡を発見することができたという。
立入禁止地区を流れるプリピャチ川。様々な野生種が暮している重要な生息環境だ image credit:CARA LOVE
ウェンドル氏は林道として利用されている砂の防火帯沿いを、前出しの狼の専門家、シュクヴィリア氏とハタネズミの専門家、オレナ・ブルドー氏と一緒に探 索したところ、オオカミ、ヘラジカ、シカ、アナグマ、ウマの足跡を見ることができた。鳥の姿も確認できる。カラス、鳴き鳥、猛禽類3種、放射性を帯びた冷 たい池には数多くのハクチョウの姿も見えた。
絶滅が危惧される珍しい野生のモウコノウマの群れには、大人のオス1頭とメス2頭、子馬2頭がいた。モウコウマは1998年、種の保全のためにチェルノブイリ周辺や世界の保護区域に放された。人間がいないチェルノブイリでは、生息数が増加している。
絶滅に瀕したモウコノウマ image credit:GERD LUDWIG
またビーバーの作品をそこかしこで見ることができた。ビーバーの個体数増加は、地域一帯の生態系で起きた最も重要な変化の1つである。腐りかけた木造コ テージのある村にはマツやカバや柳が鬱蒼と生い茂り、徐々に飲み込まれようとしている。地面にはイノシシが餌を求めて掘った痕跡が残されていた。
反対側の村はずれには、ソ連時代の用水路がまっすぐに伸びており、カバの木の根元には齧られたばかりと思われる明るい色をした木屑が落ちている。3週間前には立っていた、周囲1mはありそうなカバの木が用水路の淵のあちこちで倒れている。
ソ連時代の水路に渡されるように倒れたカバの木。ビーバーによるもの。image credit:JOHN WENDLE
「ビーバーの個体数は増加しています。そして、かつての野生の状態が戻ってきています」とシュクヴィリア氏が木屑を指差して言う。ビーバーによって木が倒されるうちに、土地はかつてあったような沼地に戻るのだという。「やがては100年前の状態になるでしょう」
ウクライナのビーバーはアフリカにとっての象のような存在で、風景を全く変えてしまうのだそうだ。
放射線の影響は?白熱する専門家の議論
チェルノブイリの悲劇によって設けられたウクライナとベラルーシの立入禁止区域は、4,000km2以上の広さがあり、ヨーロッパでも最大級の自然保護区のような場所になっている。
しかし、その中心にあるチェルノブイリ原子力発電所が野生動物に与える意味合いについては、専門家同士で意見が真っ二つに分かれている。
ジョージア大学の生物学者ジム・ビーズリー氏が専門誌『フロンティアーズ・イン・エコロジー・アンド・ザ・エンバイアロンメント』で発表した研究論文で は、哺乳類14種を取り扱い、チェルノブイリ立入禁止区域の高度汚染地区において動物の分布が抑制されたという証拠は見出されなかったと結論を出してい る。これは最近実施された他の研究結果を支持するものだ。
これに対し、放射能に汚染された地域でツバメの研究を行ってきた、パリ第11大学のオランダ人研究者アンダース・モラー氏は、「チェルノブイリや福島の 動物たちは1日24時間を汚染された地域で過ごします。1時間での暴露量がそれほど大きくなくても、1週間、1月と経つうちにはどんどんと蓄積されます。 その影響は劇的な影響となって現れるでしょう」と反対の立場をとる。
生物学者ティモシー・ムソー氏と共同で実施されたモラー氏の研究では、ハタネズミにおける白内障の高い発症率、鳥の羽に潜む有益な細菌の減少、ツバメの 部分的アルビノ、カッコーの減少などの影響が明らかにされている。また、事故直後に限って言えば、深刻な突然変異も確認された。
両陣営ともに放射線が人体にも動物にも有害である点では一致している。一致しないのは、その有害さの度合いと、それが個体数を減少させるかどうかという ことだ。議論は白熱し、特に福島原発事故の後は政治的な様相も帯びてきた。チェルノブイリ原発事故から30年、ここでの調査は揺るがぬ証拠となるであろ う。
野生動物にとっての真の脅威とは?
今年は大量に放出された放射性核種セシウム137の半減期にあたる。すなわちチェルノブイリ原発事故で拡散したセシウムはバリウム137mに分解され、その量が半分に減るということだ。
警備員の食事風景。警備員の中には、野生動物を密猟から守ることを任務とする者もいる image credit:JOHN WENDLE
放射性物質は食物連鎖を通して動物に蓄積される。例えば、キノコに蓄積された放射性物質は、それを好んで食べるイノシシに取り込まれる。そして、今度はオオカミがそのイノシシを食べ、汚染物質が体内に取り込まれる。
動物における放射線物質の汚染レベルは一様ではない。動物の食事と行動次第で拡散具合も異なる。オオカミは放射線物質から多少なりとも守られているかもしれない。それはテリトリーが非常に広く、立入禁止区域の外にある汚染度が低い場所にまで移動することがあるからだ。
image credit:JAMES BEASLEY AND SARAH WEBSTER
「そうした種の多くは、汚染された区域にいても、おそらくは個体数を維持できないほどに生息数が減少することはないでしょう」とビーズレー氏。汚染地域から人間がいなくなったことによって、放射線の悪影響が強く相殺されているのだ。
すなわち人間の存在が放射性物資以上の悪影響を与えているということだ。
それでも確実に動物たちは増えている
スラブチッチの街は、チェルノブイリ原発事故の後に避難民が生活するための都市として建設された。ここにある研究所で、過去30年間、立入禁止地区で作業をしてきたセルゲイ・ガスチャク氏は、野生動物の生息数が増加していることについて強くうなずく。
「事故が起きる前は、人間によって完全に汚染されていました」と話すガスチャク氏。今ここにいる種は、事故が起きる前から細々と生息していたものばかりだという。
ガスチャク氏は仕掛けカメラを使った調査で、ウクライナ側に生息する動物の詳細なリストを作成した。そこには、アカシカ、ノロジカ、イノシシ、ヘラジ カ、馬、バイソン、ヒグマ、オオヤマネコ、オオカミ、野ウサギ2種、ビーバー、カワウソ、アナグマ、ツバメ、ミンク、ヨーロッパケナガイタチなど、多種多 様な大型哺乳類が含まれている。さらにコウモリなどの哺乳類20種、タカ、ワシ、フクロウ、コウノトリ、ハクチョウといった大型の鳥類10種以上が加わる 可能性もある。
チェルノブイリの悲劇によって捨てられた家。緑によって覆い尽くされようとしている。 image credit:GERD LUDWIG
「今は30年前よりも動物が増えています」ベラルーシの国境から1.6kmほど離れたラドチャ村に住んでいるアナトリー・ツィガネンコ氏はそう話す。立 入禁止区域まで目と鼻の距離だ。ツィガネンコ氏は昨年の秋頃に村の中でオオカミを見かけたという。体重は60kgほどと思われ、自分の膝よりもずっと背が 高かったらしい。
こうしたことからも事故以前よりも野生動物が増えていることが確認できるが、同時に密猟の危険も増えている。ウクライナのペトロ・ポロシェンコ大統領が 立入禁止区域を自然保護区にしようと法律で定めたのも、そうした問題を受けてのことだ。しかし、専門家はこれによってかえって同地域の保全状態が悪化する のではないかと懸念している。【転載終了】
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