レンタル店で借りてきて観た映画1本目は、『薔薇とチューリップ』でした。タイトルに惹かれて借りてみた映画でした。アジアのスター2PMのジュノさんが二役で好演。原作は東村アキコさんの漫画です。ジュノさんは韓国の画家ネロと韓国から日本に留学している大学生で温泉好きのデゥオンの二役で出演。谷村美月さんが演じるかおりの実家の温泉旅館でネロの絵が盗作と噂されその絵を見にやってくることから始まるストーリーです。その旅館で、温泉を楽しみにやってきていたデゥオンと偶然出会います。ネロは自分とそっくりなデゥオンに入れ替わってほしいと依頼し、二人の立場が入れ替わることで違った人物の経験をし、それぞれ自らの本当にこれからしたいことを見つけて行くといったストーリーでした。タイトルにあるように薔薇とチューリップがこの映画の中では、ネロの過去と現在を象徴しているかのような花として登場していました。病院で手術した経験があったネロは、病院に入院していたときに、病院が白一色の世界だったこと、その中でもチューリップの花に癒された経験があり、病院中に、チューリップの花の絵を描くことが夢でした。美大生になったネロが描いたチューリップの絵を教授に叱責され、その夢が儚く消えてしまうという挫折を味わいますが、違った作風で絵を描き、ファンがたくさんいる才能ある画家として活躍するようにまでなります。一方、ネロに入れ替わったデゥオンの人物像は純粋に日本の温泉が大好きな屈託のない若者で、ネロとは対照的な人物だったのも印象的でした。ネロは今や薔薇の花に例えられるような優雅な地位を得た人物でしたが、デゥオンやかおりに出会い、ネロの薔薇のような優雅な人生を自ら変えて行こうする姿がこの映画の主題になっているのかなと思いながら映画を見終えました。2PMのジュノさんのことは全く知りませんでしたが、知らなくても楽しめたストーリーでした。この映画を観て、薔薇よりもチューリップのほうが個人的には昔からやっぱり好きだったいうことを自覚しました。なぜだろうと考えてみたら、この映画を観ていたらその理由がよくわかりました。この映画では、薔薇とチューリップに焦点が当てられて、それぞれのイメージから抱くものが少し違うように強調されていました。薔薇は華麗で凛とした美しさのイメージでしょうか。チューリップから受けるイメージは(自分だけかもしれないですが)ピュアで素朴なイメージで、近寄りがたいというのではなくて、なぜか親しみを感じました。今まで、薔薇を見に行っても今まであまり癒されたことがなかったのですが、チューリップを見に行くといつのまにかなぜか癒されていたことが多く、薔薇とは違った包み込むような美しさがあったから個人的にはチューリップのほうが好きなのかもしれないなあと思いました。病院の白一色の世界にチューリップのような絵が病室に描かれていると確かに心が和むのではないだろうかとも思った映画でした。
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