「無自覚なままに」 マルコによる福音書 8章27~33節
人々は、イエスさんのことを「洗礼者ヨハネだ」とか「エリヤだ」とか「預言者の一人だ」と言いました。総じて、神さまの言葉を伝えて人々に助言する役割を担った人と受け止められていました。しかしペトロは、人々の受け止め方と違って、「あなたは、メシアです。」と言いました。
やり取りの後、イエスさんはご自身が必ず大きな苦しみを受け、長老、祭司長、律法学者たちから排斥されて殺され、三日の後に復活することになっているとハッキリ言われました。すると、先ほど「あなたは、メシアです。」と言ったペトロが、イエスさんを脇へ引っ張って行き、いさめ始めました。
イエスさんは、ペトロが無自覚に自分の都合が良いように「メシア」を考えていたので、サタン呼ばわりして厳しく叱りました。イエスさんは、メシアが助言をするだけではなく、社会や人々の生活に深く関わり、命をかけて救いを成し遂げようとする者であることを伝えているのです。