赤信号を止まらずに突っ込んだパトカーが、横断歩道を横断中の男児を跳ね飛ばしてそのまま救護もせずに走り去ったという事件です。パトカーなら何をやっても良いのでしょうか。
救急車でも、赤信号の交差点に入る時には、徐行して安全を確認の上で走行しています。パトカーで「緊急」であっても、同じようにしなければなりません。ところが、パトカーは徐行もせず男児を跳ね飛ばした上、そのまま走り去ってしまいました。ひき逃げ犯罪です。これが許されるのでしょうか。
犯罪を取り締まる警察が、犯罪を犯したでは、格好がつかないという理屈は分かります。できれば、犯してしまった犯罪を隠したい心理も理解できます。しかし、それは、犯罪に犯罪を重ねるということになり、より重罪になるということに違いありません。
警察自ら犯した違反は違反として、犯罪は犯罪として、普段自らがしていると同じように取り締まらないのだとしたら、当然のことながら警察への信頼はありません。警察であっても人間なのですから、ミスを犯す時は犯すものです。その時、ミスを認め、罪を償うことによってしか、信頼を回復する方法はありません。
意識不明となったこの男児は、一体どうなったのでしょうか。青信号の横断歩道を渡り、自分を守るすべもなく轢かれて重体となった男児の無念を思うと、事件の事実関係の究明がなされ、加害責任を取らせるべきではないでしょうか。