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Pretenderの備忘録

スーパー歌舞伎 ヤマトタケル

2005-04-05 23:12:48 | 歌舞伎
スーパー歌舞伎を観るのは実は初めて。猿之助が元気の頃に見ておけばよかったと思うが後の祭り。
新橋演舞場も20年ぶりだ。こじんまりとキレイな劇場だと思う。僕のドコモは圏外だったが、開演中に携帯がなること数度。そういう人は出て行って欲しい。
現代語で、音楽と舞踊を取り入れたわかりやすい話。だからイヤホン解説もない。音楽は大河ドラマの音楽みたいなイメージだろう。和風でありながら、基本は西洋音楽みたいな。
衣装は凝っていた。周りのおばさんたちはきれいを連発していた。
役者は正直、それほど存在感があるとも思えず、芝居がうまいとも思わない。右近がタケルの日だったが、台詞がイマイチ、聞き取りにくい。
芝居全体としては、流れがあり、ダイナミズムもあり、見せ場もありで楽しませてくれる。歌舞伎の定義、特に江戸歌舞伎の定義を、非日常のゆったりとした時間の流れに求めている僕などにとってはこのテンポは、シェークスピアであり、ブロードウェーのミュージカルだ。オリジナルよりもかなり短縮してテンポ重視ということだが、二幕、三幕はまだ冗長なところもあり、まだ改善の余地はあるのではないか。二幕の火の場面は京劇の要素が入り確かに見せ場ではあるが、少々長い。また走水の場面も前口上が長い。あそこまで話さなくても芝居で伝えて欲しい。三幕もタケルが死んだ後がやや長い。もう少し、すっきりさせられよう。
立ち回りは、歌舞伎らしいと言えばそうだが、決まっているとは言い難いところも。
全体としてよく出来た芝居であると思うし、猿之助の演出家としての能力は凄いと思う。彼が演出した古典も見てみたいと改めて思った。

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