齋藤栄功著 監修=阿部重夫 講談社2024
400ページを超える大著。2000年代前半に丸紅やリーマンブラザーズを巻き込んだ詐欺事件で実刑判決を受けた金融マンの著者が、十五年の刑期を終えた告白本。
山一から政治家との関り、その後の怪しい世界での取引と破綻までが記されている。本当の話も多いのだろうが、どこからどこまでが本当かは分からない。自分は主犯でないのにそう仕立てられたという主張、カネを預けた人物に持ち逃げされた等々。カネをつかませるとか、乱交パーティーとか。収監された刑務所の実態。
アバターがインタビューするという形式で進められている。正直、あまり面白いと感じなかった。タイトルにあるリーマンショックのトリガーとなったというのが、大げさでしらけるからだろうか。それは違うだろうと思う。当時、この事件のことは全く記憶にない。金額はそこそこであるが、全く記憶にない、どういう報道だったのか。
やっぱり、冤罪でなく、詐欺で有罪となった人間の主張が、信頼されることはないんだろうなと感じた。