北沢タウンホール
刺激的な時間だった。
能でもこういう試みをしている女性能楽師がいるが、現代音楽と日本の古典を融合させる。そして、現代音楽の演奏を、古楽器と和楽器で。とてもチャレンジング。でも、何か相性がいいのだ。現代音楽と言っても、結構分かり易かった。
浄瑠璃は、女性の浄瑠璃ということだが、義太夫の語りが、普通の細い女性の声で、八重垣姫なので良いのかもしれないが、不思議な気がした。三味線でなく、オケをバックに語るところもあり、やっている人はどうだったのかなと思ったりした。
人形は、一人遣いだが、首は手でなく、首とつながっているという形で初めて観た。顔が黒子でないので、ちょっと違和感。もっと、設備のある会場であれば、照明を駆使して、見せ方はいろいろとあったかもしれない。
オケのメンバーも立ったり座ったり、紙吹雪を蒔いたり、参加していた。
役者は、声は通っていたと思う。イケメンだったが、存在感という点ではイケメンでない方が良いかもしれないが、勝頼はイケメンという設定なんで、まあこの路線かな。
会場は、フランス人と日本人の関係者が多いという感じ。
もっと、大きな会場をいっぱいにできたら面白いのにと思う。野村財団等から援助を受けているようだが、海外公演にもチャレンジして欲しい。
とっつきにくいとされる、日本の古典芸能と現代音楽、これが融合すると、面白い化学反応が生まれる。ここに新しいアートとしての何か可能性を感じる。
本朝廿四孝 奥庭狐火の段より
渡辺俊哉 月と星
大家百子 ”凍る湖、駆け抜ける狐~十三楽器のための~
伊倉由紀子 念火
向井響 美少女革命:Dolls人形浄瑠璃と大アンサンブルのための
渡部真理子 まほし
ひとみ座乙女文楽
演出 萬浪大輔
俳優 工藤巧
芸術監督 ローラン・テシュネ
指揮 鷹羽弘晃
アンサンブル室町メンバー
和楽器
能管:澄川武史
篠笛:あかる潤
龍笛:清田裕美子
尺八:黒田鈴尊/長谷川将山
篳篥:三浦元則
笙:管原ユーリ
琵琶:久保田晶子
箏:今野玲央/平田紀子/森梓紗
三味線:守啓伊子
胡弓:村澤丈児
邦楽打楽器:小川実加子/山口晃太朗
古楽器
リコーダー:菅沼起一
フラウト・トラヴェルソ:仲間知子
チェンバロ:圓谷俊貴
パーカッション:蔡怜雄
テオルボ:上田朝子
バロックヴァイオリン:須賀麻里江/高岸卓人
ヴィオラ・ダ・ガンバ:和田達也