<せめぎ合いの時代>を超えて 広井良典著 東洋経済新報社2023
新自由主義的アプローチとリベラルなアプローチを対比させる形で、科学という視点を入れながら、人口減少と格差拡大の日本の処方箋への示唆を与える良書。
学術書ではないが、参考文献リストも厚い。
ただ、例えばジニ係数については、啓蒙書としてもう少し解説があっても良かったし、日本がOECDで米英に次ぐ格差社会だと言うのは実はデータ的にはここ数年の話でないこと等にもきちんと触れて欲しかった。厚生省出身者らしく、医療や年金についての批判的コメントもなるほどと思った。