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Pretenderの備忘録

数学思考のエッセンス

2025-01-12 12:45:44 | 読書
実装するための12講 オリヴァー・ジョンソン著 みすず書房 2024

コロナをきっかけとした数学者による実社会におけるデータの考え方及び予測についての解説書。
データプロっと、数の概算、指数、モデル、ランダム、統計学、確率、オッズ、と観てきて、最後に情報について、概念、ネットワーク、ノイズ、ゲーム理論でかなり実践的になり、最後に留意点で締めくくられている。良い本ではあるが、やはり、結構難しいのではないか。統計を学んでいたからまあ読み終えたという感じはする。
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民主主義の危機

2024-12-27 16:25:00 | 読書
比較分析が示す変容 アダム・プシャヴォスキ著 吉田徹・伊﨑直志訳 白水社2023

政治学者の著書である。定義、計量分析によるファクター抽出、事例研究や様々な考察は非常に刺激的である。現状をマスコミのように扇動的に見るのでなく、きちんと分析的にみている。正直、怖くもあるが、現実を冷静に見ていかなければならない。原書が書かれたのは第一次トランプ政権下である、その後、バイデン政権になったものの、再びトランプ政権がくる。欧州でも、右翼が大きく勢力を伸ばしているし、ウクライナ等の戦争もある。韓国では民主主義をやめるハードルが低くなってるのではないかと思うような事態も起きた。現状を著者はどう評価しているのだろうか。


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制裁

2024-12-16 10:20:00 | 読書
国家による外交戦略の謎 ブルース・W・ジェントルスン著 本多美樹訳 白水社2024

大学で教鞭をとっている学者の手による、脚注、索引もしっかりしている書である。
制裁についてどのように考えるべきかを総論的にフレームワークやアプローチ、その見方について論じる。その後、そのフレームワークに基づいて、ケーススタディーが歴史的なものから各国や国際機関を含めて論じられる。
けっしてわかりやすい本とも言えないが、現在起きていること、今後起こりそうなことを考えるときに一つの見方を示してくれるとは思う。
先月読んだ「武器化する経済」もリファーされているし、関連する部分も多いと言える。
ゲーム理論的な分析が欲しかったところか。

尚、恐らくwelfareだと思うが、「福祉」と訳している箇所があり、文脈的には経済的な話なので「厚生」だろう。
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物語の生まれる場所へ

2024-12-09 10:18:35 | 読書
歌舞伎の源流を旅する 木ノ下裕一著 淡交社2024

木ノ下歌舞伎の主宰者が歌舞伎の舞台に地を訪ねて、過去、現在に思いを馳せるエッセイ。菅原伝授手習鑑、道成寺、夏祭浪花鑑、義経千本桜、女殺油地獄、新版歌祭文、東海道四谷怪談、摂州合邦辻、勧進帳と有名作品の地を。

彼の歌舞伎は古典を現代に甦らせるもので、こういう感覚なのかなあと思ったりもした。

この本を手に、旅をしてみたいと思った。
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WEIRD 「現代人」の奇妙な心理 上・下

2024-12-07 00:19:48 | 読書
経済的繁栄、民主制、個人主義の起源 ジョゼフ・ヘンリック著 白揚社2023

ハーバードの教授による壮大な歴史書というか人類学と科学の知見で、文化や政治経済を解き明かす書である。立派な学術書であり、膨大な註がある。
western educated industrized rich democraticという人々が普遍的ではなく、特殊だということを人類進化生物学のアプローチで検証していく。フィールドワークのデータが多数入るし、それを統計手法で相関をみている。上巻では、宗教や結婚、親族等を論じる。下巻では、法、科学や経済発展と宗教を論じる。各国比較もある。文化的な議論でなく、生物学的な議論も多いところが面白い。刺激的な書だ。
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