記事には、今年飯田東中学を卒業する3名の科学部の生徒が紹介されている。彼らは、このかざこしの森を毎週のように訪れ、その魅力にはまり、のちにここのおもしろ科学工房のスタッフにもなった。そして、科学の研究で実績を作った。その一人、北林君は息子の友だち(友だちといっても、小学校のころ阿南自然の家で一緒になって、のちにこの科学工房に誘ってもらったりしたが、今は年賀状をやり取りする程度だ)でもある。北林君のお母さんがオープン当時からのスタッフだったということもあって、そのころから催しに誘ってもらったりした。そして、このおもしろ科学工房を、学校に出張して開いてくれるということを知った。ちょうどそのころ、息子が通っていた小学校では、参観日のあとの親子参加の催しが映画ばかり続いていたということで、PTAの役員をしていたわたしは、このおもしろ科学工房を学校に呼んだらどうかと提案したことがあった。平成15年、わたしは既に役員を去っていたが、この年に後藤先生をはじめとした科学工房のスタッフに、学校でさまざまな実験をしていただいて、盛況であったことを思い出す。毎年同じことをしていても・・・と思って提案した科学実験教室であったが、それから毎年のようにその科学工房にお願いしているようだ。ちょっとわたしの意図とは違うことになっているが、科学実験すらまともにできていない学校の姿をみると、「それでもいいか・・・」と残念だが納得している。記事に後藤先生も書いているが、「好奇心とやる気を伸ばすために、地域社会が学校と協力することがいかに大切かを示す実例として広く知らしめたいと私は思っている」という。
前段でも述べたように、うらやましい環境もあるが、同じ環境がどこにでもあってもうまくいくとはいえないだろう。学校の方針というものもある。飯田東中学という学校の環境に、地域と学校を結ぶだけの素地があったとわたしは思う。北林君は、科学実験だけに力を入れただけではない。習字の県展では、常に作品を出展し、特選をとるほどの腕前である。息子にとって彼は大きな目標だが、とても手の届かない目標でもある。そんな環境に少しでも触れさせてもらっていることに感謝である。