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伊那谷の境界域から見えること、思ったことを遺します

千曲市倉科の自然石道祖神

2024-10-07 23:02:37 | 民俗学

倉科田畑上組 道祖神

 千曲市森の自然石道祖神について触れたが、隣接する倉科地区の道祖神にも森と似た傾向がある。まず最初は大峯山の麓にあたる田端上組集落センター西の辻にある道祖神。「道祖神」の文字碑とともに1基の自然石が立っている。これもまた石碑らしき姿が垣間見え、「文字がないか」と確認したくなる雰囲気。小ぶりなため、隣の「道祖神」に目が留まってしまうが、自然石にも注連縄が掛けられている。もしかしたら自然石の頭部が欠損してしまっているのかもしれない。3枚目の写真はその自然石を背後から撮影したもの。これも「もしかしたら」ではあるが、この石は加工されているのかもしれない。森にもあったが、ノミ跡とまでは言わないが、割ったような印象もある。前面は文字が彫られても良いほど、平らになっている。横の大きな「道祖神」ももしかしたら、元々は自然石で祀ってあったのかもしれない。そこへ文字を刻んだのかもしれない。いずれにしても碑としてなんら不思議ではなく、たまたま文字が彫られていない、という感じなのである。

 

倉科嶽尾南組 道祖神

 次は東の山裾に近いところにある嶽尾南組生活協同センターの前にある道祖神である。ここも「道祖神」の横に自然石が立っていて、文字はない。その横の石祠、あるいは台石だけとなっている石と、なんともわからない石も並んでいる。このあたりの文字碑には、「道祖神」と刻まれていても、ほかに何も刻まれていない例のものが見受けられる。実に「道祖神」とだけ刻まれた石碑が多い。繰り返すが、元は文字のない自然石だったのでは?、思えてくる。

 

倉科大峡下組 道祖神

 3例目は、嶽尾から西へ下って行き、大峡下組集会所の西の三叉路に立つ道祖神である。ここもまた「道祖神」と並んでいる。やはり「道祖神」碑はほかに銘文はない。その隣の小ぶりな石は、やはり前面は平らで、文字を彫ろうとすれば彫れないことはない。

 3例いずれも「道祖神」と並んだ1基の自然石。そてどれも銘文があっても不思議ではない石。森の事例とよく似ている。


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