Cosmos Factory

伊那谷の境界域から見えること、思ったことを遺します

雪のこと、そして昭和57年

2006-01-10 08:16:30 | ひとから学ぶ
 今年の冬は暖冬だといいながら、一転寒い冬だと訂正するという、まあ珍しいことでもない予報訂正があった。豪雪で飯山など県北部に自衛隊の派遣が要請されているが、先週あたりの様子では、一般人のボランティアもそろそろ入る時期かと思っていたら、そのとおり、このところボランティアのことも報道されている。飯山に暮らしたわたしは、雪おろしなんかも経験済みだから、仕事が暇ならばそんなこともどうかな、と思っているが、なかなかそうもいかない。今年の雪の降り方は例年とかなり違う。県北部には雪が多いが、それ以外のところは近年ではとくに多いわけでもない。むしろ県北部に雪が多いなら、そうでないところもある程度降るような気がするが、少ないくらいだ。ただ、気温が低いということもあって、雪が解けない。だから、一度降った雪が、ほかの地域でもそのまま残っている姿をみる。いずれにしても、春に向かって南岸を低気圧が通るようになると、南の方で雪が降る。年末に盛んに名古屋の方で雪が降ったが、そんな降り方がこれからは多くなるのだろう。
 わたしが飯山にいたころにも「秋山郷が孤立」なんていうことがあった。当時は道路が狭かったということもあったし、雪崩を防ぐ施設もまだまだ整備が進んでいなかった。その後の整備で秋山郷が冬季に孤立するという報道はなかったように記憶す。秋山郷に通じる国道405号線は、新潟県側から通じていて、冬季はこの道しか秋山郷に入る道はない。国道そのものは群馬県の草津温泉へ通じているはずではあるが、現実的には道はなく、秋山郷で行き止まりである。
 そんな飯山に暮らしていた時代に、実家の近く(上伊那郡南部)で撮った写真を紹介する。遠くに見える山々は北アルプスである。その手前の黒々とした山々は中央アルプスの、経ヶ岳から北の比較的低い山々である。ちなみにこの写真は、昭和57年の1月3日に撮影したものである。低いとはいっても、標高1500メートル前後の山なのにまるで雪がない。年末年始はこんな感じに低い山々には雪がないことは珍しくない。山の麓から写真の真中あたりまでは、伊那市の上段である。左手奥が伊那市羽広あたり、その右手は箕輪町の上段である。羽広から手前の上段は西春近あたり。真中あたりに川が右手から左手にやや斜めに流れている。それに沿って家並が見られるが、このあたりをJR飯田線が走っている。上段とその川との間の森林線は、段丘で、いわゆる最近は伊那谷断層といわれている断層段丘である。その右手に街並があるあたりが伊那市の中心部である。やや斜めから真下に蛇行している川は、天竜川である。真中あたり、川の右手は伊那市東春近である。そして、真中より下、右手から飛び出ている山は、高烏谷山のすそ野になる。左手から飛び出ている段丘と、この山裾のぶつかるあたりの天竜川を、伊那峡という。そして、その下流にある赤い橋が見える。宮田村大田切から駒ヶ根市東伊那に渡る橋である。その橋の下流側で天竜川に左から合流している川が、大田切川である。最も手前の天竜川左側が駒ヶ根市下平、右側は駒ヶ根市東伊那である。
 朝陽がようやく全域に当たり始めたころということで、かすみがかかっていて見にくいが、雰囲気はわかってもらえるだろう。
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