Cosmos Factory

伊那谷の境界域から見えること、思ったことを遺します

好奇心とやる気を伸ばすには

2006-01-31 08:08:12 | ひとから学ぶ
 信濃毎日新聞の1/30朝刊の科学面「フロンティア」に後藤道夫先生が記事を載せている。後藤先生はNHKの科学番組を担当されていたこともある。飯田市にできた「かざこし子どもの森公園」がオープンした時から、理科実験ミュージアムで講師をされている。息子が小学校のとき、担任の先生が極めて危険な実験をしていると、妻が参観日に行って驚いてきた。とても実験の仕方を認識しているとは思えない、と感想をもらしていたが、学校の現場での理科離れは歴然としていた。それは今も変わることはなく、中学になった息子の話を聞いていても、実験の少なさを感じる。そんな意味で、かざこしの森の実験ミュージアムは、理科離れ、実験離れをしている子どもたちに、その興味を沸かせてくれるよい場所だと思っていた。事実、息子もオープンまもないころから何度か訪れては実験を体験していたが、いかんせん、飯田市まで毎週通うという立地ではない。近くに住んでいる子どもたちには、うらやましい環境であった。
 記事には、今年飯田東中学を卒業する3名の科学部の生徒が紹介されている。彼らは、このかざこしの森を毎週のように訪れ、その魅力にはまり、のちにここのおもしろ科学工房のスタッフにもなった。そして、科学の研究で実績を作った。その一人、北林君は息子の友だち(友だちといっても、小学校のころ阿南自然の家で一緒になって、のちにこの科学工房に誘ってもらったりしたが、今は年賀状をやり取りする程度だ)でもある。北林君のお母さんがオープン当時からのスタッフだったということもあって、そのころから催しに誘ってもらったりした。そして、このおもしろ科学工房を、学校に出張して開いてくれるということを知った。ちょうどそのころ、息子が通っていた小学校では、参観日のあとの親子参加の催しが映画ばかり続いていたということで、PTAの役員をしていたわたしは、このおもしろ科学工房を学校に呼んだらどうかと提案したことがあった。平成15年、わたしは既に役員を去っていたが、この年に後藤先生をはじめとした科学工房のスタッフに、学校でさまざまな実験をしていただいて、盛況であったことを思い出す。毎年同じことをしていても・・・と思って提案した科学実験教室であったが、それから毎年のようにその科学工房にお願いしているようだ。ちょっとわたしの意図とは違うことになっているが、科学実験すらまともにできていない学校の姿をみると、「それでもいいか・・・」と残念だが納得している。記事に後藤先生も書いているが、「好奇心とやる気を伸ばすために、地域社会が学校と協力することがいかに大切かを示す実例として広く知らしめたいと私は思っている」という。
 前段でも述べたように、うらやましい環境もあるが、同じ環境がどこにでもあってもうまくいくとはいえないだろう。学校の方針というものもある。飯田東中学という学校の環境に、地域と学校を結ぶだけの素地があったとわたしは思う。北林君は、科学実験だけに力を入れただけではない。習字の県展では、常に作品を出展し、特選をとるほどの腕前である。息子にとって彼は大きな目標だが、とても手の届かない目標でもある。そんな環境に少しでも触れさせてもらっていることに感謝である。
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