Cosmos Factory

伊那谷の境界域から見えること、思ったことを遺します

お客様のために働く

2008-07-05 14:51:42 | つぶやき
 わが社において、職員の人事評価をするにあたり、その評価基準を作るために意見を聴くという。たかが百人程度の会社であるが、このところ人員削減を進めてきて、いよいよリミッターが効きはじめて、会社そのものが喘ぎ始めた。それを解消すべくひとつの手段なんだろうが、同じ仕事をしている人たちばかりで、それもひとつの屋根の下に働いているというのならともかく、部署がいくつもあって散り散りになっいる。加えて仕事が多様な中でいったいどう評価の基準を作るというのか、発想そのものが怪しい。そんな評価基準を作成するがための検討部会なるものを行なうといい、そこに集まれというのだがわたしは参加しない。そもそもこの会社の考え方とわたしの考え方は一致しない。普通なら評価などというのは、意見など聴かなくともトップの考えで評価すればよいもので、その基準に沿って人を育てていけばよい。会社員が仲良く人事評価基準を作るというものではないはずである。ところがそれができない会社だからこんな無用な時間を割くことになる。あまりの状態の悪さから、人事評価が必要だというのが上の考えのようだが、そのいっぽうでこれ以上人が減ると業務が滞るという。矛盾というかいかさまな考えを持ち合わせている上がいるから現場がまとまらないし乱れる。

 もともと赤字になるから仕事をとってこいというのがこの会社の考え。当たり前といえばあたりまえだが、この基本線に沿って行動するから、仕事をなりふり構わず取ろうとする。ちまたの偽装の世界に近くなる。良い商品を安く提供するという考えにはならない。安いものを高く売るという結果につながる。とくに役所の仕事とのかかわりが多いと、そういう考えは間違いではない。役所というものは、問題が起きればより一層手間のかかる方向に向かう。それができるのは、役所は税金を使っているから金がかかるというのならそれなりに口実になる。ところが商品を売って商売している側は、お客さんに喜んでもらうには良い商品を安く提供することを考える。そのへんが違うのだ、お役所系とは。このごろよくいわれることに補助事業の基準というものがある。補助金を出すに当たってその基準というものがある。地域が必要と思っているものがあっても、補助制度に適合しなくては補助金をもらえない。役所は地域に「こういうものが欲しい」と言われ、それを受け入れることにより評価を上げる。ついては補助制度に照らし合わせてその制度に合わせるように事業を行なう。地域はこの部分が良くなれば、とかこの程度で良いのに、と思っていても補助事業に合わせた水準で整備される。「本当は違うだけどな」と思っていても一応欲しいと思っているものができたから、地域も了承する。そんなことを繰り返してきた。そうした役所系にはまっていたから、わが社もまったく同じ考えだ。お客さんのニーズに応えたいというのなら、良い商品を安く提供する。この商品を作り上げるのに「こんなに手間がかかるから」この値段でいかが?、ではなく、この商品を安くするにあたり、この部分は省かせてもらいました、という方針を持たない。役所の仕事はそんな世界だ。だから入札率などというものが報道で取り上げられる。請負側からの提案はそこにはない。このあたりはまったくわたしの考えと異なる。ようはこの商品を提供するにあたり、無駄な部分を削って安くしようという発想は絶対口にしない。また、安くするにあたり、3人で作業すればやりやすいが、その歩掛を削って同じモノはできないのか、という発想を持たない。これではわが社のような「もっと仕事をとってこい」ということになってしまう。さらには「使えないやつは切れ」ということにつながる。そういう根底の上にある人事評価が、上手くいくわけがない。仕事をとってきても人員を増やすことがもうできない会社なら、わたしの考えが正しいと思うのだが誰も賛同する者はいない。仲良く最期を迎えればよい。
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