鍬ヶ崎地区「移転せず」に質問書
(4/23 web 読売新聞岩手=岩手県宮古ジャーナルより)
東日本大震災の津波で壊滅的な被害を受けた宮古市鍬ヶ崎(くわがさき)地区の住民に、市が3月末に示した同地区の「復興まちづくり計画」への不安と不満が広がっている。住民は高台への住宅移転と現地のかさ上げを希望しているが、計画では高台移転や土地のかさ上げもしないことになっているためだ。住民は22日、市に質問書を提出することを決めた。
同地区は防潮堤もなく、低地に住宅が密集していたため、震災の津波で約800棟が全・半壊した。
国土交通省の防災集団移転促進事業では、今回の震災級の津波による浸水区域がないと、国の費用負担が見込めないため、市は県が建設する防潮堤(高さ10・4メートル)で浸水が予想されない区域は現地再建を基本とすることにした。同地区の計画では、高台移転とかさ上げを実施せず、自力再建が困難な被災者には現地を区画整理して災害公営住宅を建設する方針を示した。
これを受け、地区住民は22日、有志による復興会議を開き、約10人で市の計画について議論。「防潮堤が完成しても住民は安心できない」「高台移転がなくなり、住民の間で今後の住まいに不安が広がっている」などの意見を盛り込んだ質問書の提出を決めた。
(2012年4月23日 読売新聞)
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