goo blog サービス終了のお知らせ 

ランナー膝とジャンパー膝

2010年04月08日 | コンディショニングの話
「ランナーズニー(腸脛靭帯炎:膝の外側が痛む)で困っている」と相談される患者さんで

実は「ジャンパーズニー(膝のお皿の上縁が痛む)」だったというケースが結構な頻度でみられます。

走って膝が痛くなったんだから「ランナーズニー」だろうと、

そうお考えになられたのでしょうね。

膝のお皿の上縁(下縁も)の痛みはよく「ジャンパーズニー」なんていわれています。

ジャンプ動作の多い競技者に良く見られる故障だからそう命名されたようです。

先の患者さんに走ってもらうと、跳ねるように走るのが特徴です。



あ、障害の名前が違ってたって気に病む必要なんてないですからね。

障害の名前なんてどうでもいいんです。

大切なのは治癒に向かうには何が必要かを知ることなんですから、

名前が違って何がわるいってんですか!?

だいたい「ぎっくり腰」なんて色んな病態をひっくるめて

急にギクッと腰が痛くなったから「ぎっくり腰」なんて

アバウトに名前決めてるんですからね。

「走って痛くなった膝」なら「ランナーズニー」でも

個人的には全く以ってOKです。


さて、話は戻って…

先の患者さんのようなケースでは

走る際に足首や股関節を上手に曲げられないことが問題となります。

股関節を曲げて腿を引き上げられない分を、腰を曲げ骨盤を後ろへ倒したりして

まかなうことになるもんですから腰も痛めやすいですし、

骨盤が後傾したまま膝を曲げると四頭筋の中の大腿直筋が引き伸ばされながら

働かざるを得なくなります。

筋肉は引き伸ばされながら使われると傷つきやすいんです。

つまりはこのようなカラダの使われ方だと壊れやすいんですね。


ここで紹介した使われ方の場合、

四頭筋の付く膝のお皿との継ぎ目が傷ついて痛んだり

ピンッと張り詰めたままの四頭筋(直筋)が、

腿の骨(大腿骨)にお皿(膝蓋骨)を押し付けたまま

ギコギコとこすり付けるものですから、

膝のお皿と腿の骨の間(膝蓋大腿関節)に傷がついて痛んだりするんです。

※このように筋や腱の故障だけでなく、お皿と腿の骨の間(膝蓋大腿関節)
の間に傷が付くこともあります。
「ジャンパー膝」の症状として書かれている資料は見ませんが
結構みられる傷害です。
先日いらっしゃった患者様も四頭筋腱の瘢痕に加え
この関節の傷を併せて持っていらっしゃいました。




どんなに頑丈な方でも、無理な力がかかり続けた状態で月間数百キロも走れば、

故障するのも無理からぬことでしょう。



このように四頭筋に負担のかかる走り方を長期間繰り返すと

四頭筋が腱に変わるお皿の上あたりや、

お皿からまた靭帯に変わるお皿の下縁、

その靭帯(膝蓋靭帯)が脛の骨に付くあたり(脛骨粗面)に

小さな傷(マイクロトラウマ)が蓄積します。


楽しくて楽しくて、多少痛くても気にせずに走っていると

時に、回復のスピードを凌ぐ勢いで傷が付き続けます。

ある一定以上の傷がたまると、身体はその小さな傷たちを

大きな傷として対処しようとします。

つまり

「ボンッ

と炎症を起こすんです。

くすぶっていた故障が、あるとき一気に強い痛みに変わるのには

こういったストーリーが隠されているのです。

こういった傷め方を「反復性緊張損傷:RSI」なんていうんですね。



以下、簡単にまとめます。

[走っていたら膝のお皿が痛くなった]

四頭筋の過用により四頭筋腱や膝蓋大腿関節面に傷害を負ったケースと考えます。

その原因の多くは脚を折りたたむ際に、股関節から脚全体を折り曲げずに

骨盤を後傾させて、股関節はあまり曲げずに膝を曲げるために、

大腿直筋が通常よりも大きく引き伸ばされながら走ることにより

無茶な使われ方がたたって四頭筋腱や膝蓋大腿関節面が

傷ついてしまったものと考えます。(あくまで臨床観察による私的見解です)


●確かめてみよう!

□ 腰を丸め骨盤を後傾させて膝を曲げてみる=曲げにくい
□ 背筋を伸ばし、股関節と膝を曲げてみる=曲げやすい


どっちも曲げにくいなんて方は、

ひょっとしたら普段から[骨盤後傾・股関節から

脚を曲げられない]方かもしれません。



では、その解決法としてはどうしたらよいのでしょうか?

それは!























ご来院された方にお話します

おすすめ動画