次に訪れたのは滋賀県庁です。浜田委員長の挨拶の後、奥村隆明議会事務局次長が、滋賀県と滋賀県議会について概説。防災・危機管理局の田中弘明主席参事に、原発対応の現状について説明していただきました。以下は田中主席参事の説明の概略です。
滋賀県の北で接する福井県にはたくさんの原発があるが、問題になるのは高浜、大飯、美浜、敦賀の4つ。10キロ圏内には入ってないので、スピーディーの情報の提供はなかなかしてもらえない。しかし30キロ圏内となると県域が入るので、県として研究することを嘉田知事が指示した。地域防災計画の見直し計画委員会を立ち上げた。滋賀県琵琶湖環境科学研究センターに光化学スモッグの拡散予想システムがあったので、これを使って放射線部物質の拡散状況を予測することにして2月10日に提言書を提出した。
見直し計画は2カ年計画で進めることにした。2011年度の見直しの結果は、敦賀原発は県境から13キロしかないということを意識したものにになった。米国・スリーマイル島事故発生を想定して計画を作っていたが、福島第一原発事故の規模で見直した。滋賀県琵琶湖環境科学研究センターの予想の結果、高島・長浜の両市の一部が100mSv以上、ほぼ全県が50mSv以上の放射性物質の拡散があるとがわかった。
原子力災害の特徴は、臭いも、色もないので、危険の度合いが何も分からない。そこで、リスクコミュニケーションをメインにおいた。連絡体制も、これまで関係市にだけ流れていた情報を県内全市町に流すことにした。モニタリングの体制を見直したほか、半減期が約30年と長いセシウムについては、長期避難が必要になってくる。
平成24年の見直しは、避難は単県では広域的相互応援体制を検討するほか、救助・救急、警備および交通対策、緊急被爆医療計画、琵琶湖への環境評価も考えることにしている。大飯再稼働に伴い、6月17日からオフサイトセンターに職員を派遣している。
以上のような説明を受けた後、質疑応答に移りました。
Q 大飯原発のオフサイトセンターの派遣職員は何人派遣し、情報収集の流れは
A 8時半から5時までは県職員が常駐しており、情報を送ってきている。それ以外の時間はFAXなどで事業者から県の方へ連絡が来る。夜間休日は携帯電話へ連絡がくる。
Q 関西広域連合の会議では、琵琶湖の汚染が問題だとなっている。琵琶湖の周辺府県の認識は同じか
A 京都府との連携とか、広域連合の中で認識されているのではないでしょうか。
Q 滋賀県さんはナーバスとか、神経質になっていると思っていたが……。失礼と思うが、危機感が薄いように感じた。どうですかな。
A ……。
Q 想定を福島第一原発にスピード感を持って変えたというのは、ええことですよ。避難計画はどの方向に逃げるという想定で計画を考えられていますか。
A 北から南に流れた場合に、滋賀県に影響が出る。その場合は南へ逃げることになる。
Q 重ねて聞きますが、琵琶湖で汚染されたら問題というのが関西広域連合の認識。そういう認識が薄いのではないか。
A ……。
Q 嘉田知事は「県内自治体や議会の意向を踏まえて、再稼働についてまとめて提言したい」と言っていたが……。
A 京都府と7つの提言を出させてもらった。これは「国民的理解のための提言」というもので、大飯原発の稼働については、透明性の確立、安全性の確立、緊急性の証明、対応の確立などを求めた。
Q 議会のどのように関与されたのか
A 意見書が出されている。提言は議会の委員会に説明している。
Q 関電との協定の締結作業の進行状況は
A 立地県並にやっているが、関電との溝は深い。市町と一緒に進めているが、立地県並という意向が強いので、事務局サイドで進めている。
Q 滋賀県が独自の方法でやられ、EPZを42キロに広げると報道があった。EPZは県知事の権限とされたが、鳥取県は簡単ではないと消極的。国はどうか。
A 地域防災計画は、これまで国と協議するものだったのが、国への報告でいいようになったので、県が決めれば地域防災計画は決まる。しかし、経済的な問題は国が決められることなので、今後どう対応されるかは分からない。
Q 5月23日に大飯原発について市町から意見を聞いているが……。
A 首長のイニシアティブによって左右される面が多い。南になっていくほど、住民や首長の意識に関わっている。
Q 滋賀県の法的な位置づけ
A 隣接県として位置づけられています。
Q 避難は単県で可能なのか
A 避難計画は、これから検討していくので、まだわからない。隣県との連携が必要になるかもしれない
Q 琵琶湖の汚染の質問が出ましたが、事故が発生して汚染された場合、水の除洗というのは可能なんですか。
Q 滋賀県で20カ所の取水口はある。ここでは放射性物質の除去は可能だ。
A 琵琶湖の自然環境は大切。しかも、水産資源への影響もある。放射性物質で琵琶湖が汚染されたときは、どうやって失われた環境を回復するのか。そうした知見はあるのか。A 半減期を考えるとセシウム対策になると思うが、どうなるのか分からないし、分からないという以上にそうした研究がない。今年度、予算を付けたので、これから研究していくことになる。
いよいよ4が日から、国際まんが博覧会が鳥取市布勢のコカコーラ・ウエストパーク(布勢の運動公園)で開幕します。まんが王国官房を中心に県職員の皆さんは準備に追われていますが、どうもPRが行き届いていないのではないかと心配しています。そこで、私たち県議会の有志で、まんが王国建国推進議員連盟をつくっていますので、その加盟議員は今、ポスターやチラシを持ってあちこちにPRに回っています。
米子駅頭でも、17日朝、街頭宣伝活動をしました。トリピーの着ぐるみの中に入って頑張ったのは内田隆嗣議員。女子高生に握手を求められたり、写メールを撮られたりして大活躍でしたが、着ぐるみを脱ぐと汗びっしょり。新婚で幸せ肥り気味なので、その解消になったかもしれません。議長経験者の小谷議員らたくさんのベテラン議員も早朝から一諸にチラシや団扇を配られました。「君たちやっとけ」と新人議員や職員に押し付けることなく、率先垂範されて汗をかかれている姿には、頭が下がる思いがしました。
まんが博覧会について、議会の中でも様々な議論がありました。しかし、関連予算を可決し、開催にゴーを出したのは県議会です。まんが博覧会の運営について監視機能を発揮していくのは当然のこととして、出来る限りの支援をしていくのは議員として当然のことと思います。それが議決責任だと私は思います。
ヨーロッパの美術館のように、展覧会を見たあとに、ワインを片手に余韻を楽しめる場所を創ることが、鳥取にも必要と、東京大学と女子栄養大学でレストラン経営学を教える河崎妙子先生が、カフェ・ダール・ミュゼをオープンさせて1年になるこをとを祝うレセプションが七夕の夜にミュゼであり、レセプションの呼びかけ人の一人として参加させていただきました。
まんが博のメイン行事「ドリームワールド」の開幕までちょうど1カ月。JR鳥取駅前で県議会議員によるPR活動を展開しました。トリピーの中に入っているのは福田議員です。
6月議会は今日が最終日です。補正予算案などを採決して閉会しましたが、みのり福祉会業務改善命令に対する福祉生活病院常任委員きの調査報告をまとめ、本会議で浜田委員長が報告した後、平井知事に報告書を提出しました。
県福祉保健部は2005年度には同福祉会に疑問をいだきながら、有効な指導監督ができなかったことが、問題を大きくしたと考えていますので、県の監査指導に対して様々な問題点を指摘し、改善の提言をしているからです。平井知事は「報告書に記載されていることに違和感はありません。しっかりと対応させてただきます」と応じでいただきました。
関西電力大飯原発3号機(福井県おおい町、出力118万キロワット)が1日再稼働したと報道されました。2日には核分裂が安定的に連続して起こる「臨界状態」に達し、4日にタービンと送電線をつないで運転を再開(再稼働)し、8日にはフル稼働となる見通しだそうです。4号機も最短で17日に起動し、24日にフル稼働する見込みです。国内のすべての原子力発電所の稼働が止まっていたのですが、これで、その一角が崩れました。
今回の再稼働は残念でなりません。ひとつは原子力規制庁も発足しておらず、技術的科学的な議論ではなく、政治的な議論に終始して再稼働を決めたことであり、もうひとつは、そこに国民的な議論をしたあとで、国民合意の上で再稼働を決める姿勢が政府に全くなかったことです。
福島第一原子力発電所の事故で、原子力の安全神話が崩壊し、国民の原子力発電所への不信は深いものとなりました。加えて、私はシューマッハが著書のスモール・イズ・ビューティフルの中で警告したように、核廃棄物の問題が解決されていないことに深い憂慮を覚えます。
島根原子力発電所の1号機、2号機の再稼働問題をやがて起こってきます。1号機は稼働から38年経過しており、40年で廃炉という政府の方針を利用して、廃炉へ追い込むべきです。2号機は定期検査もれが見つかり、3号機は稼働前のテストで制御棒が動かないという信じられない事態が生じています。鳥取県と中国電力の原子力安全協定には事前同意条項はありませんが、県民の皆さんの安全のためには、絶対、稼働を容認してはならないと考えています。
その意味でも、今回の大飯原発の再稼働は残念でなりません。