すなば たかひろ

「元気で人に優しい鳥取」を取り戻すため、県議になった元新聞記者の挑戦記。みんなで鳥取の未来像を考えましょう!

会派希望(のぞみ)県外政務調査1日目(2) 福島県畜産振興会

2013年11月30日 | 日記

 福島県町を後にした私たちは、同市内にある福島県畜産振興協会を訪問しました。飼育を継続できなくなった牛たちを放畜する場面をテレビで見た酪農家でもある倉吉市在住の桑田幸人さんが、酪農家の悲しみを描いて県展で入賞。その作品を同協会へ寄贈されたそうです。しかも、福島県の畜産は種牛を鳥取が供給したこともあって、鳥取県と深い付き合いがあるのです。そこで、今回の訪問となりました。

 

 鈴木専務=写真右=と、西沢事務局長=写真左=からお話を伺いました。鈴木常務が「鳥取県の皆様のご支援に心から感謝しています。平成24年1月27日には、義援金と桑田さん制作の版画を贈っていただきました。版画は本宮市の家畜市場に飾らさせていただいています。そして、今年も昨年に続き、版画を贈っていただきました。本当にありがとうございます」と丁寧な言葉を頂きました。以下はお二人の話の概要です。

 発災以来、複雑な事象ばかりがありました。事故なのか、事件なのか分かりませんが、筆舌に尽くしがたい時間を過ごしています。福島県の畜産は安心安全のサイクルを復活できていません。拭いがたい風評被害が出ています。海岸線は180キロありますが、これを9.3メートルを超える大津波が襲っんです。地震と津波で、家畜にも大きな被害が出ました。余震が頻発しました。規模、回数は半端ではありませんでした。3月、4月だけで震度4以上の地震が81回も発生したんです。

 そして、福島第一原子力発電所の事故です。放射性物質への知識がない、検査機器などの資材がない、人材はないというないない尽くしの中での対応でした。最初の問題は原乳でした。牛乳工場が被災して、生産ができないようになりました。3月11日19時3分、原子力緊急事態が宣言されました。21時23分には半径3キロの避難の指示が出され、翌日午前5時36分に1回目の水素爆発が起こりました。20キロ範囲が避難指示となり、刻々と被害が拡大していきました。川俣町の原乳を16~18日にモニタリング調査しました。その後、全県で調査し、3月20日には知事名で出荷自粛要請が出されました。食肉、鶏卵なども緊急モニタリング調査をしました。原乳がストップしても、搾乳はしなくてはいけないんです。絞った乳の廃棄に頭を痛めました。乳には油成分があり、汚染の心配もあり、そのまま流して捨てるというわけにはいかないんです。会津、中通りの順でモニタリング調査をしつつ、出荷自粛は解除をしてきたわけですが、価格で問題が出てきています。

 肉牛は、国は飼料は500ベクレルまでは大丈夫という指示でした。藁は圃場で確保したものが、汚染稲藁となり、その結果、芝浦市場に出荷した精肉からキロあたり2300ベクレルが検出され、大きな問題となりましたが、現在は全量超調査していて、このような問題は生じていません。 

 生乳は県が週1回検査し、残る6日は自主検査していますので、全量検査となります。肉牛も全頭検査をしています。豚と鶏はモニタリング調査しています。飼料用米は全量を調査しています。

 浜通りは、福島県の肉用牛の飼育の中心地で785戸が1万8000頭飼育していましたが、現在は約100戸2500頭に減っています。飯舘村は有名だったが、壊滅的な状態です。福島県内の農業は米が46~7%、畜産は二十数%、果実は二十数%、米、畜産、果実が3本柱です。

 家畜を放す映像が流れましたが、こうした離れ畜は対応の中心ではありません。殺処分ではなく、弛緩剤や安定剤を投与する時間をかけた安楽死処分をしてきました。今回は法律による命令で家畜を処分したわけでなないのです。畜産農家の同意を得て、1頭1頭対応してきたんです。しかし、同意がないと処分できなんです。畜産農家の中には今も殺さず、買っている方もおられますが、出荷は難しいでしょう。それでも飼う。それが畜産農家なんです。宮崎は命令殺でした。牛も野生化すると、パトカーに向かってきたりする。放畜は難しいんです。

 意見交換もしました。畜産復興に向けて新しい牛の導入も始めているそうです。しかし、避難指示が解除されても、戻りたくないという人もいるそうです。家はかび臭く、病院がなく、スーパーもない。暮らせない地域になってしまったというですね。20キロ圏内は手付かずの状態だそうです。海岸線は地盤が20センチは沈降していて、潮がかぶるそうです。だから。そうした対応から始めないといけないんだそうです。家畜の検査は殺さずともできるそうです。血液と牛肉の関係が分かるので、血液の検査をして問題があれば、また、安全な飼料でしばらく飼育して検査すればいいのだそうです。だいたい70日~80日で放射性物質は体外へ排出されるそうです。加えて、飼養管理もチェックしているそうです。しかし、それでも福島産は販売がうまくいかないと苦渋の対応をずっと聴かせていただきました。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 会派希望(のぞみ)県外政務... | トップ | 会派希望(のぞみ)県外政務... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

日記」カテゴリの最新記事