すなば たかひろ

「元気で人に優しい鳥取」を取り戻すため、県議になった元新聞記者の挑戦記。みんなで鳥取の未来像を考えましょう!

会派希望(のぞみ)県外政務調査1日目(1) 福島県庁

2013年11月30日 | 日記

 会派希望(のぞみ)として、初めての県外政務調査を、11月20日から22日までの2泊3日の日程で、福島県と東京都で実施しました。テーマは「福島第一原子力発電所事故の影響と復興の状況」です。もちろん、県庁や町役場からも聞き取りを調査しますが、漁師さんや畜産農家、仮設住宅で暮らす住民、そして、第一線で取材に当たった記者たちから、じっくりと話しを聞くことにしています。早朝から夜まで動き回るハードな計画になりましたが、26日から定例県議会が開会するのでいたしかたありません。

 上京は朝の一便です。7時05分に鳥取空港離陸のため、空港集合は午前6時半です。琴浦町の横山県議、倉吉市の伊藤県議、智頭の国岡県議は5時前の起床だったそうです。羽田空港からモノレール、山手線を乗継ぎ、東京駅へ。新幹線に乗り換えて福島駅に着いたのは午前11時10分でした。東京から福島まで1時間半という移動時間を考えると、改めて鳥取にも新幹線が欲しいと感じました。福島駅ではレンタカーを借りました。福島市内、そして、郡山を経て福島第一原子力発電所周辺、さらにいわき市と動き回るので、レンタカーが最善だと考えました。レール&レンタカーを使うと、特急券も安くなるし、これが一番リーズナブルなようです。

 福島県庁では、議会事務局の水野政務調査課長=写真右、同課の佐藤主査=写真左=のお世話になり、お話は原子力安全対策課の菅野主幹=写真中央=からお聞きしました。以下は伺ったお話や意見交換の概要です。  

 廃炉に向けて県民会議を設けました。県が事務局で、避難、屋内退避を余儀なくされた13市町村から住民代表各1人、農協、漁協など関係15団体の各代表1人、それにコーディネイター役として学識経験者で構成しています。8月4日に立ち上げ、先週の15日の第二回の会合で配布した東電作成の資料が参考になると思い、お手元に配布しています。

 1号~4号機の安定化・廃止に向けたロードマップの進捗状況ですが、まず現状です。1号機は圧力容器から燃料は大部分が融け落ちて、格納容器の底部に溜まっています。2号機、3号機は圧力容器から燃料は一部が融け落ちて、格納容器の底部に溜まっています。4号機は圧力容器の中には燃料はなく、使用済み燃料プールにあるだけです。いずれも、現在、安定的に冷温停止状態(30度~60度)です。

  冷温停止を継続するために1~3号機は圧力容器の上からシャワーのように水をかけています。原子炉建屋、タービン建屋は一体になっていますが、そこに水が溜まっています。その水を取り出し、滞留水処理施設でセシウムや塩分を除去して、再度、原子炉の冷却水として再使用しています。1日400トンを冷却水に使っています。

 この循環だけなら問題ないのですが、新たに地下水の建屋への流入が400トンあり、これが余分で、取り出しています。ALPSで放射性物質を除去するが、トリチウムは取れないので、結局、貯蔵しています。

  燃料が溶け落ちて固まった燃料デブリをどう取り出すかが問題です。現時点では確立した技術はありません。11月から溶けていない燃料の取り出しを始めました。これが第一期です。2021年から燃料デブリを取り出す第三期を開始する計画で、そこまでに技術を開発しないといけません。

  建屋から海に流れる配管路から汚染水が海に流れる事故があり、海への流出口はすべて塞ぎました。すると流れる場所がなくなり、地下へ漏洩したと思われます。 それで、今取り組んでいるのが地下水のバイパスです。原子炉の前に12本の井戸を組み、汚染される前に地下水を組み上げて、海に流そうと計画したんですが、漁協との調整がつかず、まだ稼働はしていません。地下貯水槽は、汚染水を貯留していたのですがここでも漏水があり、その対応にも追われました。汚染水タンクは100トンから1000トンまで、様々な多くの場所にあります。タンクから漏水したのはH4エリア。300トン地下へ漏水しました。近いとこに井戸を掘ると、浸透していることが確認できました。それで、井戸を掘って、汚染水を汲み上げています。

 水ガラスで地盤改良していますが、地下水位が上昇しているので、ウエルポイントで地下水を組み上げています。来年9月を目指して、深さ30メートルの海側遮水壁を建設中で、現在、半分完成しています。陸側遮水壁は凍土壁を作る計画です。今年度中に実験して、来年度から着工したいということです。サブドレインを使って地下水の組み上げもしています。

 報道でも存じと思いますが、4号機の使用済み燃料プール内の燃料の取り出しを始めました。1533体もあるので、安定した場所で、保管する方が安全です。心配する声があがったのは承知していますが、慎重に作業してもらっています。

 現在でも汚染水が流れ出ていること事態は間違いないと思っています。総理は影響がないと言っておられうのは、湾内で止めているということだと理解しています。湾内や地下への漏出がないという意味ではないと思っています。むしろ、国が責任を持って対応するという決意表明と感謝しています。

 心配するのは作業ミス的な、初歩的なミスが起きていないかということです。ALPSの停止も、ハシゴを残したり、パッキンが詰まったりしたというものでした。作業が多岐にわたり、毎日、新しい作業が出てきて、手順書もない状態で皆さん努力されています。それがミスの下地になっています。ボルトの締め方ひとつでも、専門性を持つ作業員がするのと、そうでないのでは違いが出るのではないでしょうか。それが原因となっているのではないでしょうか。

 4号機の使用済み燃料は、共用プールに入れます。6000本入るが満杯に近い状態です。それで、古い燃料は温度が下がりますので、空冷の燃料に移して、別の場所で冷やそうとしています。

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