すなば たかひろ

「元気で人に優しい鳥取」を取り戻すため、県議になった元新聞記者の挑戦記。みんなで鳥取の未来像を考えましょう!

二元代表制と住民投票

2011年06月29日 | 日記
 「住民投票は二元代表制と相いれない」という人が居られますし、「住民投票は、市政課題を市民に諮問するようなものだから、結果に拘束されない」と言われる方も居られます。私はこの意見はおかしいと思います。

 憲法は住民自治と団体自治を本旨とし、それを受けて、住民自治を実現するために、住民の選挙で選ばれた首長が執行権を行使し、そして、やはり、住民の選挙で選ばれた議員が条例制定権や予算承認権など地域の意思を決める議決権を行使すると地方自治法は二元代表制を定めています。住民投票で、一定の問題を決めてしまうことは、議会の議決権や首長の執行権を拘束することになり、二元代表制に反するのではないかというのです。そして、憲法96条は法律の範囲内で条例の制定を認めているので、条例で実施される住民投票が、地方自治法で定める二元代表制を拘束することになれば、憲法違反だとも言われるのです。
 
 まず、住民投票条例は、住民は制定を請求することができるだけであって、条例を制定するのは議会です。否決することもできれば、修正することもできます。したがって、議会の議決権を行使するのが住民投票条例の制定ですから、二元代表制に反することはなく、憲法違反にもなりません。また、住民投票の結果に首長や議員が拘束されるどうかは、解釈論の上でからは、条例に委ねられることになります。条例の結果に拘束されるという条文が条例になければ、法的な拘束力はないと考えるべきでしょう。しかしながら、地方自治の本旨は住民自治です。住民が自分たちの意思を問うてくれというが、住民投票なのですから、憲法が定める地方自治の本旨からは、最大限の尊重が求められるはずです。

 市長も議員も住民の選挙で選ばれるから、その行為は正当であり、権力を行使できるのです。住民の意思がそこにあると擬制されるからです。であるならば、住民投票が求められた時は、進んで住民投票を実施し、その結果を尊重するのが、民主主義下の地方自治の在り方です。様々な住民投票を巡る動きの中で、多くの市長や議員が無定見に住民自治という地方自治の本旨を理解しない発言を続けているのを見るにつけ、私は悲しくなります。
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